気候変動による影響
近年都市部においては、都市化の影響に加え、地球温暖化による更なる気温上昇が生じており、その結果、熱中症患者数の増加など、人の健康や生活への影響が顕著になっています。将来の地球温暖化によって、これらの傾向に拍車がかかることが懸念されます。そうしたなか、2019年の訪日外国人旅行者数は、前年比2.2%増の3,188万人(7〜9月は778万人)に達し、熱中症に対する予防方法や発症時の対応などの情報を外国人等に分かりやすく発信し、早期の対処を促すことが重要となっています。
掲載日 | 2020年7月15日 |
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分野 | 健康 / 産業・経済活動 |
地域名 | 全国 |
近年都市部においては、都市化の影響に加え、地球温暖化による更なる気温上昇が生じており、その結果、熱中症患者数の増加など、人の健康や生活への影響が顕著になっています。将来の地球温暖化によって、これらの傾向に拍車がかかることが懸念されます。そうしたなか、2019年の訪日外国人旅行者数は、前年比2.2%増の3,188万人(7〜9月は778万人)に達し、熱中症に対する予防方法や発症時の対応などの情報を外国人等に分かりやすく発信し、早期の対処を促すことが重要となっています。
観光庁は、2014年10月から、外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips(注1)」を監修しています(図)。このアプリを利用すると、国内における緊急地震速報、津波警報、気象特別警報等をプッシュ型で通知(注2)することができる他、周囲の状況に照らした避難行動を示した対応フローチャートや、周りの人から情報を得るためのコミュニケーションカード、災害時に必要な情報を収集できるリンク集等にアクセスすることが出来ます。当初、対応言語は英語のみでしたが、2020年3月に14カ国語に拡大しました。また、2017年3月からは熱中症情報、及び外国人患者を受け入れる医療機関情報も提供されるようになりました。2019年の時点で外国語診療が可能な医療機関は約1970箇所となっております。
さらに、観光庁は、より多くの訪日外国人旅行者に災害情報を届けるために、Safety tipsの災害時情報を配信するサービスを他のアプリでも共有できる「Safety tips API」を公開しました。このAPI(注3)を活用すると、Safety tipsの災害時情報を活用しようとする事業者は、一から仕組みを構築することなく、既に保有しているアプリケーションサービスで災害時情報を配信することが可能になります。活用事例として、日本政府観光局が提供する「Japan Official Travel App」が挙げられます。
2019年4月、スペイン・セビリアで開催された世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)のグローバル・サミットにおいて、日本は「WTTC グローバル・チャンピオン・アワード」の防災、危機管理及び復興部門で表彰されました。これは、「Safety tips」をはじめとする訪日外国人・外国人居住者に向けた多言語での情報配信などの災害対応が評価されたものです。
脚注
(注1)Safety tips for travelers(https://www.jnto.go.jp/safety-tips/eng/index.html)
ダウンロードURL
・Android :https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.rcsc.safetyTips.android
・iPhone :https://itunes.apple.com/jp/app/safety-tips/id858357174?mt=8
(注2)プッシュ型情報発信とは、データやコンテンツが利用者の端末に自動的に発信される方式をいう。
(注3)API(Application Programming Interface)とは、「ある1つの機能に特化したプログラムで共有可能なもの」や「ソフトウェア機能を共有する仕組み」をいう。
図 Safety tipsの概要
(出典:観光庁「プッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」概要」令和元年9月現在)