児童・生徒を守るLoRaWAN™を活用した「熱中症対策」トライアル

掲載日 2020年7月16日
分野 健康 / 産業・経済活動
地域名 近畿(吹田市)

気候変動による影響

熱中症が社会問題となる中で、暑さ指数(注1)を正しく把握し、児童・生徒の活動等に対して対処をすることは喫緊の課題となっています。とりわけ、体育の授業や部活動等、屋内外で運動を行う児童・生徒は、大人よりも体格が小さく、熱中症リスクが高まると想定されています。

取り組み

吹田市とNTT西日本は、2017年12月に締結した「ICT(注2)を活用したシティプロモーション推進に関する連携協定」に基づき、計測センサーを用いた暑さ指数の実測・視える化による生徒の熱中症対策トライアルを吹田市立南千里中学校において実施しました。
このトライアルでは、中学校の運動場と体育館の2箇所に計測センサーを設置し、温度・湿度・輻射熱(注3)等を計測します。これらのデータは、LPWA(注4)規格の1つである「LoRaWAN™」を通じてクラウド上に蓄積されます。暑さ指数は5段階で表示され、職員室内のPC・タブレット等から確認が可能となり(視える化)、暑さ指数に応じた速やかな対処(未然防止等)が可能になります。また、基準値を超えた場合には、運動場や体育館に設置したパトランプやメールによりアラームを自動発出する仕組みになっており、教職員・生徒等に対してタイムリーな注意喚起が可能となります(図)。

効果/期待される効果等

今回のトライアルで得た知見を、小中学校等の教育機関だけではなく、高齢者を対象とした熱中症対策などの幅広い分野に活かし、ICTを活用して誰もが安全で健やかに暮らせるまちづくりに貢献することをめざしています。

脚注
(注1)暑さ指数(WBGT(温球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。単位は、気温と同じ摂氏度℃で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやり取り(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の多い<1>湿度、<2>日射・輻射など周辺の熱環境、<3>気温の3つを取り入れた指標です。(環境省 熱中症予防情報サイトhttp://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
(注2)ICT(Information and Communication Technology)とは、情報・通信に関する技術の総称をいう。
(注3)離れている熱源が物体の温度を上昇させるために用いられる放射エネルギーのことである。具体的な例として、太陽や焚き火の熱などが該当する。
(注4)LPWA(Low Power Wide Area)とは、低電力・広範囲で通信できる新しい無線通信技術の総称をいう。

データ収集~通知(警告)までのフロー

図 データ収集~通知(警告)までのフロー(出典:出典:NTT西日本報道発表資料「児童・生徒を守るLoRaWAN™を活用した「熱中症対策」トライアルについて」2019年7月30日)

出典・関連情報
NTT西日本報道発表資料「児童・生徒を守るLoRaWAN™を活用した「熱中症対策」トライアルについて」2019年7月30日
https://www.ntt-west.co.jp/news/1907/190730a.html
NTTネオメイト公式ホームページ「LPWA、LoRaWAN®とは?」

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