気候変動による影響
福岡県では平成29年7月に続き平成30年7月の豪雨等による大規模災害が発生しており、そのたびに水道施設が被災しています。福岡県における21世紀末の気候の大雨および短時間強雨の年間発生回数は、20世紀末と比べて有意に増加することが予想されています。特に、1時間降水量50mm以上の短時間強雨は年間で0.6回増加すると予測されています。人々の生活や社会経済活動を支えるライフラインとして必要不可欠な水道は、豪雨等による災害に備えることが求められています。
掲載日 | 2021年3月4日 |
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分野 | 国民生活・都市生活 |
地域名 | 九州(福岡県) |
福岡県では平成29年7月に続き平成30年7月の豪雨等による大規模災害が発生しており、そのたびに水道施設が被災しています。福岡県における21世紀末の気候の大雨および短時間強雨の年間発生回数は、20世紀末と比べて有意に増加することが予想されています。特に、1時間降水量50mm以上の短時間強雨は年間で0.6回増加すると予測されています。人々の生活や社会経済活動を支えるライフラインとして必要不可欠な水道は、豪雨等による災害に備えることが求められています。
福岡県では、水道事業者をはじめとする関係者が目指すべき方向性や執るべき施策等を示す「福岡県水道ビジョン」を平成31年3月に策定しています。「安全な水を安定的に供給し続けることができる水道」を理想像として掲げ、水道水の安全性の確保を「安全」、災害における給水の確実性の確保を「強靱」、供給体制の持続性の確保を「持続」として、その実現のための基本方針、実現方策を示しています(図)。
このうち、「強靭」においては、災害に強い水道施設の構築及び災害時の危機管理体制の強化を基本方針としています。この実現のため、計画的な耐震化や事業者間の連携及びバックアップ体制強化のための緊急連絡管の整備等が促進されています。また、災害時に迅速かつ適切に対応できるよう、危機管理マニュアルの策定を推進するとともに、現実的に実効を有するものとなるように、更なる改善を促進しています。大規模災害において、様々な関係者との連携による応急給水、応急復旧活動にも対応できるよう、応急給水計画、応急復旧計画の策定、充実を推進しています。また、緊急連絡体制の整備に加え、水道事業者とともに県民に対する平常時からの積極的な情報提供を行い、関係者の危機管理意識向上のための応急給水訓練等の防災訓練の実施も推進されています。
福岡県水道の理想像を提示し、その目指すべき方向性、実現方策を示すことにより、水道の基盤強化を実現し、将来にわたる安全・安心な水道水の安定的な供給体制の確立が期待されています。
図 水道の理想像イメージ
(出典:福岡県「福岡県水道ビジョン - 第7章 水道の理想像とその実現方策」)