気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
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ボストン市の予防的対策

掲載日 2021年1月20日
分野 自然災害・沿岸域
地域名 海外(アメリカ合衆国マサチューセッツ州)

気候変動による影響

2012年に米国のニューヨーク市とニュージャージー州を襲ったハリケーン・サンディは73名の死者と数千件の家屋倒壊をもたらし、その被害額は680億ドルにのぼりました。
ニューヨーク市から200マイル北のボストン市では、沿岸洪水や集中豪雨、熱波が将来的に増加すると予測されています。そこでボストン市はこのような異常気象に備えることを決定しました。

取り組み

ボストン市は市民の幅広い連合体と協力し、「Climate Ready Boston」という気候変動適応イニシアティブを立ち上げました。このイニシアティブより「Climate Ready Boston」の最終報告書が2016年に公表されました。この最終報告書は(1)最新の気候予測、(2)脆弱性の評価、(3)エリアの選定、(4)気候レジリエンスへの取り組みの4つの項目で構成されています。まず、極端な気温、海面上昇、極端な降水量及び嵐に関する気候予測が行われました(1)。これらを反映し、脆弱性の評価ではボストン市民や建築物、インフラ及び経済に対する3つの気候ハザード(①猛暑②暴風雨水による洪水③沿岸洪水・河川氾濫)のそれぞれに関連する現在及び将来のリスクについて総合的な評価が行われました(2)。そして、ボストン市が直面するリスクと対策を示すために、脆弱性の評価結果から8つの重点地域が選出され、気候レジリエンスへの取り組みが詳細にわたり適用されました(3)。気候レジリエンスへの取り組みは(ⅰ)最新の気候予測、(ⅱ)備えのある連携したコミュニティ、(ⅲ)海岸の護岸、(ⅳ)強靭なインフラ、(ⅴ)適応する建築物の5つのレイヤーで構成されています(図)。このレイヤーはさらに11の戦略、39の取り組みに分類されています(4)。

効果/期待される効果等

ボストン市は、この最終報告書を作成するに際し、多くの大学機関等から専門知識を収集するとともに、移民から大企業の代表に至る多くの住民の参画を得ています。ボストン市のウェブサイトでは「Climate Ready Boston(注)」における取り組みの進捗状況や事業に関するニュース等最新の情報が確認できます。

図 気候レジリエンスへの取り組みのレイヤーと戦略のイメージ図

図 気候レジリエンスへの取り組みのレイヤーと戦略
(紫:海岸線、橙:コミュニティ、水色:インフラ、青:建築物)
(出典:City of Boston 「CLIMATE READY BOSTON FINAL REPORT」)

脚注
(注)「Climate Ready Boston」ウェブサイト
https://www.boston.gov/departments/environment/preparing-climate-change

出典・関連情報
U.S. Climate Resilience Toolkit 「Luck Is Not a Policy We Can Count On: Boston Takes a Proactive Approach to Climate Adaptation」
https://toolkit.climate.gov/case-studies/luck-not-policy-we-can-count-boston-takes-proactive-approach-climate-adaptation
City of Boston 「CLIMATE READY BOSTON FINAL REPORT」
https://www.boston.gov/sites/default/files/embed/2/20161207_climate_ready_boston_digital2.pdf

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