気候変動による影響
九州の年平均気温は、100年あたり1.73℃の割合で上昇しています(注)。特に福岡市では、2.44℃の割合で昇温しており、九州・山口県の観測地点の中では変化傾向が最も大きくなっています。この要因として、地球温暖化のほか、都市化の影響などが考えられています。
掲載日 | 2021年4月13日 |
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分野 | 国民生活・都市生活 |
地域名 | 九州(福岡県・佐賀県・沖縄県) |
九州の年平均気温は、100年あたり1.73℃の割合で上昇しています(注)。特に福岡市では、2.44℃の割合で昇温しており、九州・山口県の観測地点の中では変化傾向が最も大きくなっています。この要因として、地球温暖化のほか、都市化の影響などが考えられています。
「緑化や水の活用による地表面被覆の改善」が地表面の高温化を防ぐための対策として挙げられています。
福岡県の「福岡県地球温暖化対策実行計画」では、「まちの緑の創造」として緑地の適切な保全及び緑地空間の創出を推進しています。近年では、福岡市内において隣接する大濠公園と舞鶴公園を一体的に活用する「セントラルパーク基本計画」が策定されており、広大な緑地空間づくりを進めています(図)。
佐賀県佐賀市でも樹木や花などのみどりは、地球温暖化の防止等の機能を有しているとともに、人と自然が共生する良好な都市環境づくりを進めるうえで欠くことのできないものとして捉えており、平成29年3月に「佐賀市みどりの基本計画」を改定し、公園・緑地の適正な配置と拡充整備を図り、特色ある公園づくりと緑地の維持・保全を進めています。
沖縄県の「沖縄21世紀ビジョン基本計画」では、「沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島」を将来像として掲げ100年先を見越した全島緑化を推進しています。また、緑の少ない市街地においては、都市公園の整備のほか、街路樹など道路緑化や沖縄の風土に適した植栽の推進、公共施設や住宅等の屋上・壁面緑化や緑のカーテンの設置等を進めるとともに、それぞれを効率的につなぐことで、「緑のネットワーク」の形成に向けて取り組んでいます。
緑化の推進による地表面被覆の改善は、ヒートアイランド現象を緩和するとともに、温室効果ガス吸収源の確保に繋がり、気候変動の影響による被害を最小化、または回避する効果が期待されています。
図 セントラルパーク構想の全体計画
(出典:福岡県・福岡市「セントラルパーク基本計画」)
脚注
(注)統計期間:1898~2019年