気候変動による影響
熱中症は、従来、高温環境下における労働や運動活動で多く発生していましたが、ヒートアイランド現象や地球温暖化による影響により、一般環境における熱ストレスが増大し、最近では日常生活においても発生が増加していると指摘されています。厚生労働省人口動態統計によると、熱中症による死亡数は、1993年以前は年平均67人でしたが、記録的な猛暑にみまわれた2010年では1,745人でした。
体温調節機能がまだ十分に発達していない子どもは、成人よりもリスクが高く、特に注意が必要です。
掲載日 | 2021年5月21日 |
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分野 | 健康 |
地域名 | 全国 |
熱中症は、従来、高温環境下における労働や運動活動で多く発生していましたが、ヒートアイランド現象や地球温暖化による影響により、一般環境における熱ストレスが増大し、最近では日常生活においても発生が増加していると指摘されています。厚生労働省人口動態統計によると、熱中症による死亡数は、1993年以前は年平均67人でしたが、記録的な猛暑にみまわれた2010年では1,745人でした。
体温調節機能がまだ十分に発達していない子どもは、成人よりもリスクが高く、特に注意が必要です。
今般の酷暑に対応し、子どもの命を守るため、全国各地の自治体で学校における熱中症対策のマニュアルやガイドラインを策定する動きが活発になっています。その内容には、熱中症に関する基礎知識としてその発生要因や症状・重症度分類、過去の事故事例等が含まれており、熱中症を正しく理解することができます。これを踏まえ、各自治体の状況に即し、体育や運動時、学校行事、校外活動、部活動といった学校特有の環境における予防策が検討されています。熱中症を予防するための指標には、暑さ指数「WBGT(注)」の活用が主流であり、この値により段階的な対応を提案しています(図)。また、熱中症が疑われる時の症状に加え、応急処置も併せて記載されており、迅速な対応が可能となるフロー図を用意する自治体もあります。
これらのマニュアルやガイドラインを活用することにより、管理職をはじめとする教職員が熱中症の事故防止のために適切な措置を講じることを可能し、児童生徒が暑い時期も安心して学校に通えることが期待されます。
図 横浜市におけるWBGTを用いた熱中症対応策の例
(出典:横浜市教育委員会事務局 「横浜市立学校 熱中症対策ガイドライン(令和2年5月)」)
脚注
(注)暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標をいう。