気候変動による影響
全国で6月から9月の期間に熱中症で救急搬送された方は、2010年は56,119人、2013年は58,729人で、年齢層別では65歳以上の高齢者が最も多く報告されています(注1)。また、熱中症死亡総数に占める65歳以上の割合は、1995年は54%でしたが、2015年には81%と急増しています(注2)。
掲載日 | 2021年3月11日 |
---|---|
分野 | 健康 |
地域名 | 全国 |
全国で6月から9月の期間に熱中症で救急搬送された方は、2010年は56,119人、2013年は58,729人で、年齢層別では65歳以上の高齢者が最も多く報告されています(注1)。また、熱中症死亡総数に占める65歳以上の割合は、1995年は54%でしたが、2015年には81%と急増しています(注2)。
熱中症予防の声かけの輪を広げる取り組みとして官民連携の「熱中症予防声かけプロジェクト」が2011年に発足しました。このプロジェクトは、熱中症についての正しい知識の普及を図るとともに、熱中症予防のための注意事項である「温度に気をくばろう」、「飲み物を持ち歩こう」、「休息をとろう」、「栄養をとろう」、「声をかけ合おう」という5つの声かけを、共通のロゴマークやポスター等を用いて参加企業や自治体等による賛同団体が各々の活動を通じ国民へ声かけを実施するものです(図1、2)。
暑さが本格化する夏季には啓発イベントを各地で開催し、オフシーズンは賛同団体の取り組みを評価する「ひと涼みアワード」等の企画を行っています。また、2016年からは「ワールド声かけ隊」と称し、訪日外国人に熱中症を呼びかけるイベントの実施や動画の作成・配信をしています。その他にも、ウェブ通信制の熱中症対策アドバイザー養成講座及び資格制度を展開しており、イベント・スポーツ・教育・保育・介護等の現場における熱中症対策の実践スキルを身につける人材の育成を行っています。
なお、「熱中症予防声かけプロジェクト」の賛同会員数は1,616団体となりました(2020年9月現在)。
「熱中症予防声かけプロジェクト」は、日本中の店舗や事務所が避暑地となる「まちの避暑地構想」、身近な人への声かけから社会全体に新しい絆を生む「声かけの絆づくり構想」、気持ちも身体も涼しくなる日本らしい衣食住の提案である「冷やし系ライフスタイル構想」の3つの構想を掲げています。「ひと涼み」という日本らしい習慣を世の中に広げ、熱中症を予防するだけでなく、だれもが風情のある豊かな夏を過ごせることが期待されています。
図1 熱中症予防声かけプロジェクトのロゴマークとキャンペーンキャラクター「涼太郎(すずたろう)」
(出典:環境省ウェブページ 「熱中症予防声かけプロジェクトの開始について(クールサマー2012関連事業)(お知らせ)」)
図2 熱中症予防声かけプロジェクトの運営体制
(出典:熱中症予防声かけプロジェクトウェブページ 「熱中症予防声かけプロジェクトとは」)
脚注
(注1)総務省消防庁データによる。
(注2)厚生労働省人口動態統計による。