気候変動による影響
集中豪雨は近年増加傾向にあり、強い勢力を維持した台風の上陸も増加しています。このため、水害や土砂災害による人命被害を回避するための対策が必要となります。
掲載日 | 2021年5月26日 |
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分野 | 自然災害・沿岸域 |
地域名 | 九州(熊本県) |
集中豪雨は近年増加傾向にあり、強い勢力を維持した台風の上陸も増加しています。このため、水害や土砂災害による人命被害を回避するための対策が必要となります。
熊本県では、水害や土砂災害による人命被害を回避するためのソフト対策の1つとして、気象情報、水防情報、土砂災害情報に関する各々のシステムを構築し、これらの防災情報を提供してきました。しかし、熊本県南部の水俣・芦北地域で発生した2003年7月の「県南集中豪雨災害」では、各々で構築されたシステムからの情報が異なった方法で市町村へ伝達される等の課題がありました。
上記の課題を解決するために、熊本県は「熊本県統合型防災情報システム」を構築し、2004年6月14日からインターネットによる情報提供を開始しました(図1)。本システムは、2020年度の熊本県水防計画書において雨量・水位等の観測及び通報を担うシステムとして位置づけられています。各防災関係機関情報システムで収集した雨量、河川水位、土砂災害危険度情報等の各種観測情報と気象情報、震度等の情報は、Webコンテンツ形式及び県防災情報ネットワークシステム(防災一斉メールシステム)により、市町村、消防本部、県地域振興局等へ伝達されます(図2)。
本システムを導入することにより、熊本県内の気象情報(注意報・警報、気象レーダー、降水予測等)、雨量情報、河川水位情報、土砂災害危険度情報等の防災情報を一本化して、リアルタイムに提供することが可能となりました。また、本システムには県内各地の河川カメラ情報による河川の様子や防災情報の用語集など避難に役立つ情報も掲載されています。
雨が強くなる前や、明るいうちの早めの自主的な避難行動につながることが期待されています。
図1 熊本県統合型防災情報システム(雨量情報の例)
(出典:熊本県 「熊本県総合型防災情報システム」)
図2 熊本県統合型防災情報システムの情報伝達フロー
(出典:熊本県 「水防計画書資料編」)