気候変動による影響
2019年10月に日本を襲い、長野県にも甚大な被害をもたらした台風第19号をはじめ、日本で頻発する気象災害の要因は気候変動にあると言われています。気候変動は、地球上の人間社会の存続を脅かしており、この非常事態を座視すれば、未来を担う世代に持続可能な社会を引き継ぐことができないと危惧されています。
掲載日 | 2021年8月20日 |
---|---|
分野 | 自然災害・沿岸域 / 国民生活・都市生活 |
地域名 | 中部(長野県) |
2019年10月に日本を襲い、長野県にも甚大な被害をもたらした台風第19号をはじめ、日本で頻発する気象災害の要因は気候変動にあると言われています。気候変動は、地球上の人間社会の存続を脅かしており、この非常事態を座視すれば、未来を担う世代に持続可能な社会を引き継ぐことができないと危惧されています。
長野県は、2019年12月に都道府県としては初めて「気候非常事態宣言」を出しており、同時に2050年の二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロの達成を掲げ、気候変動への取組方針として「長野県気候危機突破方針」を策定しました。こうした「緩和」と、気候変動に起因した自然災害による被害の回避・軽減である「適応」に向けた取組として、長野県は2020年度からグリーンボンド(注1、注2)を発行しています。2020年10月7日に発行条件を決定後、主に機関投資家向けに募集を行い、即日完売しました。
グリーンボンド発行により調達した資金は、長野県内のグリーンプロジェクトに充当されます。資金充当先の一つである「気候変動への適応」プロジェクトとしては、次の3つの事業があります。
また、上記の他にも「森林の多面的な機能の維持増進」(注3)等の適応にも資する事業にもグリーンボンド資金は充当されます。
必要な資金が調達できるため、適応を含むグリーンプロジェクトがより推進されます。また資金充当先の一つである「気候変動への適応」プロジェクトによって、次のような効果が期待されます。
図1 道路法面整備イメージ
(出典:長野県総務部財政課「長野県グリーンボンドについて」)
図2 河川改修
(出典:長野県総務部財政課「長野県グリーンボンドについて」)
図3 砂防施設の土石流・流木捕捉事例
(出典:長野県総務部財政課「長野県グリーンボンドについて」)
脚注
(注1)<留意事項>本記事は、本グリーンボンドの取得、売却、保有等を推奨するものではありません。国立環境研究所は、当記事のあらゆる使用から生じうる、あらゆる種類の損害について、一切責任を負いません。
(注2)企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券をグリーンボンドと呼びます。(出典:環境省「グリーンボンド発行促進プラットフォーム」)
(注3)「森林の多面的な機能の維持増進」事業の内訳:土砂災害防止機能の向上、水源涵養、温室効果ガス等の削減、生物多様性の保全