気候変動による影響
栃木県では令和元年10月の東日本台風に伴う記録的な豪雨被害による経済的損失などを受けるなど、地震だけでなく、近年増加する風水害などの緊急事態にも対応するために事業者によるBCP(事業継続計画)(注1)策定の必要性が高まっています。
掲載日 | 2022年7月14日 |
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分野 | 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動 |
地域名 | 関東(栃木県) |
栃木県では令和元年10月の東日本台風に伴う記録的な豪雨被害による経済的損失などを受けるなど、地震だけでなく、近年増加する風水害などの緊急事態にも対応するために事業者によるBCP(事業継続計画)(注1)策定の必要性が高まっています。
栃木県は、平成27年1月22日に東京海上日動火災保険株式会社、一般社団法人栃木県商工会議所連合会、栃木県商工会連合会および栃木県中小企業団体中央会と、「栃木県BCP(事業継続計画)策定支援に関する協定」を締結し、「栃木県BCP策定支援プロジェクト」を展開しています。このプロジェクトでは、BCP策定を希望する県内に事業所のある事業者に対し、以下のような支援を行っています(図1)。
平成27年の「栃木県BCP策定支援プロジェクト」発足から5年間でBCP策定支援事業者数を154社としていた目標は、平成29年11月20日に2年以上前倒しで達成しました。
BCPを策定した事業者からは「被災時に何をやるべきかの優先順位が明確になった」「リスクマネジメント全体が強化された」等の声が寄せられています。また、BCP策定が評価され、安定供給を最重点におく新規取引先の開拓につながったケースも報告されています。BCP策定事例を発信することで同業他社へ情報を共有し、将来的には緊急時の連携に繋がるとも期待されています。
図1 栃木県BCP策定支援プロジェクトの概要
(出典:栃木県産業労働観光部経営支援課中小・小規模企業支援室 「栃木県BCP策定支援事業リーフレット」)
図2 栃木県BCP相談シート
(出典:栃木県ウェブページ 「BCP(事業継続計画)策定を支援します」よりダウンロード
脚注
(注1)事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)とは、地震や風水害、集団感染などの緊急事態に直面した際に、被害を最小限に抑え、一刻も早く事業活動を復旧させるために、あらかじめ立てておくべき計画のことである。会社と社員を守るとともに取引先からの信頼を得るものへと繋がっていく。
(注2)セミナー例「リスク対応力を高めるコツ~実効性の高いBCPをつくるために~」BCP策定にあたって、リスクを捉え、整理し、対策を立てる際の考え方や、BCPを立てる際に多くの組織が陥りがちな点とその解決法、及び人や予算が少ない中で有効な対策を講じるためのコツなどを紹介している。
(注3)BCM(Business Continuity Management)とは事業継続計画を策定(構築)し継続的に運用していく活動や管理の仕組みのこと。①事業の理解、②BCPサイクル運用方針の作成、③BCPの構築、④BCP文化の定着、⑤BCPの訓練、BCPサイクルの維持・更新、監査といった活動が含まれる。
(注4)セミナー例「災害時対応のキーポイント、被災状況の把握から現場への指示の方法を学ぶ~BCPシミュレーション演習(図上訓練)~」できる限り被災時の実態に即した形で状況判断を行う訓練を行い、緊急時における判断力を養うのと同時に、策定したBCPの課題が浮き彫りとなり、BCPの見直しにも役立つような内容となっており、地震・水害を想定した演習となっている。