取り組み
イギリス・ロンドン市内中心部を流れるテムズ川では、気候変動による影響予測の不確実性を考慮した、長期的な高潮洪水対策を実践しています。1953年に300人以上もの死者を出した洪水被害を受け、市内の高潮洪水対策は大きく見直されました。2010年に施行したテムズ河口2100計画では、21世紀末までの期間を3段階に分け、気候変動の進行具合に応じた段階的な取組を推進しています。将来の影響予測や海面上昇のモニタリング調査に基づいて、手戻りのない実施計画を提示しています。長期計画における順応的な取組は、過剰な施策を回避できるため、経済的負担や自然環境への負荷を軽減します。
(以下、図参照) 例えば、既存施設の嵩上げや改良を2040年に予測される平均海面水位に基づいて検討しますが①、それよりも早い段階で海面が上昇した場合には、計画の前倒しを検討します②。
イギリスの防潮堤「テムズ・バリア」では、テムズ川水門の事例を紹介しています。