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 COP29 気候変動適応特集!

COP29開会 各国首脳も新規気候資金目標の決定に意欲

公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)研究員 撮影

11月11日、アゼルバイジャン共和国の首都バクーで、COP29が開幕しました。A-PLATのCOP29特集では、これから3回にわたり、会議の様子をご報告します。

photo from cop29 day2 world leaders climate summit
出典:COP29 議長国公式ギャラリー

11月11日の開会式、および12~13日の気候行動世界リーダーズサミットでは、80名を超える首脳級が集い、ステートメントを述べました。やはり、今回は「資金COP」と言われているだけあり、気候資金の新規合同目標(NCQG)への期待が多く述べられました。以下、適応に関連する主な発言を抜粋してご紹介します。

  • (国連 アントニオ・グテーレス事務総長)2024年は、記録上最も暑い年になるだろう。排出量が急減し、適応策が急進展しない限り、グローバル経済は大きな苦難に直面することになる。適応のニーズと資金調達とのギャップは、2030年までに年間3590億ドルに達する可能性がある。今こそ、資金援助の約束を守らなければならない。
  • (アゼルバイジャン ムフタル・ババエフ環境天然資源相)COP 29は「逃してはならない瞬間」である。公平かつ野心的な資金の新規合同目標(NCQG)を打ち出して、金融市場に強いメッセージを送る必要がある。
  • (アメリカ ジョン・ポデスタ気候特使)バイデン大統領とハリス副大統領は過去4年間、歴史的な民間部門の投資により、前例のない気候変動対策の資金を集めてきた。COP29では、NCQGを始めとし、重要な交渉成果をまとめる必要がある。
  • (EU シャルル・ミシェル大統領)EUは310億ドルの資金調達により責任ある行動を取っている。より多くの拠出国の確保、ドナー基盤の拡大が必要であり、資本の価格付けや開発銀行の動員を含む多面的なアプローチを提唱している。
  • (中国 ディン・シュエシアン副首相)気候変動への対応能力を向上させるには、資金と技術が不可欠である。2016年以降、中国は他の途上国の気候変動対策を支援するため、1770億元以上のプロジェクト資金を拠出・動員してきた。先進国に対し、途上国への財政支援と技術移転の拡大を求めるとともに、COP29においてより野心的な資金目標が設定されることを期待する。
COP29会場の様子1
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)研究員 撮影

11日に行われた交渉における議題を採択するためのプレナリー会合において、適応分野に関しては、世界全体の適応目標(GGA)、適応委員会(AC)、国別適応計画(NAP)、後発開発途上国(LDC)等に関する議題が、予定通り採択されました。

COP29会場の様子2
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)研究員 撮影

交渉において主に発言をするのは各締約国ですが、オブザーバーも会合への参加や発言をする機会があります。適応分野の交渉においては、やはり世界全体の適応目標(GGA)に関する議題が注目を集めており、開始時間前に会議室の入口が大変混雑する場面も見られました。

COP29学生ボランティアの皆様
公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)研究員 撮影

最後に、COP29の会場で目を引くのは、アゼルバイジャンの学生ボランティアの存在です。会場の内外で、COP参加者がスムーズに動くことができるよう、案内をしてくれています。「何かお困りではないですか?」と笑顔で話しかけてくれる方も多く、議長国としてのホスピタリティを感じます。

現地レポート第1回は、リーダーズサミットの内容や、交渉を行う会場の様子をお伝えしました。次回は、各国が展示やセミナーを行う、パビリオン・エリアの様子についてお伝えします。

現地派遣の公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の松尾茜研究員による報告

(掲載日:2024年11月19日)