COP29 気候変動適応特集!
民間セクターから見たCOP29 – ジャパンパビリオンでの取組
COP29 では、国が主体となる交渉に対し、パビリオンエリアでの多様な民間企業の参加も注目されました。本稿では、ジャパンパビリオンにおける民間セクターの活躍を中心に、セミナー会場と展示ブースでの取り組みについて紹介します。
ジャパンパビリオンは、セミナー会場と展示ブースの 2 つのセクションで構成されていました。セミナー会場では、現地およびオンライン配信を通じて、日本の民間企業や研究機関が持つ技術や取り組みが世界に向けて発信されました。一方、展示ブースでは、参加企業が最新技術を披露するとともに、各国からの訪問者と活発な意見交換を行いました。
セミナー会場での取り組み
ジャパンパビリオンでは、民間企業が省庁、大学・研究機関と連携し、36件のセミナーが開催されました。これらのセミナーでは、各参加企業の登壇者が、最新の科学技術や社会経済情勢に基づいた取り組みを紹介しました。議論を通して、サービスや研究、途上国支援の質向上に向けて、官民の協力体制と信頼の強化が今後さらに重要であることの共通見解が得られました。その中から、次の2つのセミナーについて議論の概要をお伝えします。

気候変動と健康(デング熱対策)に関するセミナー
2024年11月15日に開催された「気候変動の時代における新たな感染脅威と革新的な国際協力」では、武田薬品工業株式会社が民間企業として参加し、デング熱を含む感染症ワクチンの技術開発と普及に関する発表が行われました。さらに、UNICEFやGAVIといった国際機関からの登壇者も参加し、気候変動と感染症に関する多角的な議論が展開されました。この中では、ワクチン戦略における抗体依存性増強(ADE)の課題とその解決に向けた多国間研究の必要性が指摘されました。また、気候変動による感染症流行地域の拡大に対応するための監視システムの構築や地域社会の関与が不可欠であることが強調されました。さらに、ワクチン輸送における冷蔵チェーンでの太陽光エネルギーの活用を通じたCO2排出削減の取り組みや、途上国における気候変動対策および保健システム強化のための資金確保が優先課題として挙げられました。
セミナーの発表資料および動画は、こちらでご覧いただけます。
早期警戒システムに関するセミナー
2024年11月16日に開催された「アジア太平洋地域における早期警戒システム(EWS)の更なる推進と新たな連携の可能性」では、株式会社ウェザーニューズ、日本電気株式会社、スイス再保険株式会社が参加し、早期警戒情報を迅速かつ正確に一般市民に届けるための方策について議論が行われました。この議論では、官民連携の強化と信頼構築、データとインフラの共有を通じた効率性向上、そして持続可能な適応策としてのリスク定量化が主なポイントとして挙げられました。また、日本の適応ファイナンスコンソーシアムが推進するインフラ損失軽減の取り組みや、データが不足している地域向けのパラメトリック保険のような新商品の開発についても報告されました。
セミナーの発表資料および動画は、こちらでご覧いただけます。
展示ブースでの活動
ジャパンパビリオンの展示ブースでは、日本の民間企業が早期警戒システムに係る衛星データの活用や再生可能エネルギー技術などの先進的な取り組みを紹介し、参加者との意見交換が活発に行われました。日本を代表する多くの民間企業が、優れた技術開発や活動を披露しました。その参加企業の数は他国のパビリオンを上回っているように見受けられ、日本の民間企業が持つ技術力の高さと自信を印象付ける場でもありました。
なお、ジャパンパビリオン公式サイトではバーチャル展示が公開されており、オンラインで展示内容を閲覧することが可能です。