Staff interview #23
眞家 英栄(MAIE Hanae)
廣安 正敬(HIROYASU Masataka)
成嶋 利夫(NARUSHIMA Toshio)
今地 麻里(IMAJI Mari)写真左から

高度技能専門員(テクニカルスタッフ)として、A-PLATのホームページ作成や更新業務を行うWebチーム4名にお話を伺います。

最初に、みなさんのご経歴を教えていただけますか?

廣安:様々な業種の得意先に対して、キャラクターを起用した企業プロモーションの企画提案やディレクションなどを行う仕事をしていました。自分自身で手を動かす方が好きで、デザイン、イラストレーションなどを手掛けるようになり、映像作品が海外のコンペで入選したことなどをきっかけに会社を辞め、東京藝術大学大学院に進学。その後、国立環境研究所へ入り、2016年、気候変動適応情報プラットフォームの立ち上げに携わり、2018年に設立された気候変動適応センター(CCCA)に配属されました。

眞家:事務、秘書、経理といった仕事を経験してきたのですが、事務経験だけでは将来が心配になり、前職を辞めたのをきっかけに学校に通ってWeb制作の勉強をし、縁あってこの仕事に就くことができました。前職でも「ホームページの更新作業はできる?」と聞かれることが多く、これができるようになれば今後の自分にとってプラスになるだろうと思ったんです。

今地:東京でWeb制作会社を立ち上げて、10年以上この仕事を続けています。CCCAには最初は派遣でお世話になり、その後高度技能専門員になりました。現在も個人事業主としてWeb制作の仕事をしつつ、CCCAでは週3日働いています。

成嶋:私も今地さんと同じで、最初は派遣スタッフとしてCCCAのお世話になり、その後、高度技能専門員になりました。個人事業主として、Web制作の仕事もしています。趣味でWeb制作を始めて、ほぼ独学で力をつけたという感じです。

さまざまな経歴のスタッフが集まって、ひとつのチームとして協働作業されているのですね。みなさんがCCCAで働くことになったきっかけと、現在のお仕事について教えてください。

廣安:仕事をしながらアートディレクター養成講座なるものに通っていた時、第一線で活躍されているアートディレクターの方たちから「社会の中でのデザインの役割」といった趣旨の言葉を何度か聞きました。自分自身の仕事でもそれができないだろうかと問うようになり、CCCAでそれを体現していくという機会に恵まれました。
現在はA-PLATなどのWeb制作の他、普及啓発ツールであるパンフレット、ノベルティなどのデザイン、イラストやロゴの制作などを行なっています。

眞家:私は求職中に応募し、自信はあまりなかったのですが、採用していただけてうれしかったです。現在はA-PLATやAP-PLATなどへの情報掲載、更新作業、新規ページの作成などをメインに、毎月のアクセス数の集計もしています。

今地:結婚して東京からつくばに引っ越したので、近隣で仕事がないかと探しているときにCCCAに出会いました。いまはWeb制作のほか、制作スケジュールの管理やWebチームの作業分担、サイトごとの進捗管理なども担当しています。

成嶋:東京から地元の茨城に帰ってきて、地元の仕事を探しているときに縁あって採用していただきました。Web制作と、アクセス解析レポートの作成もしています。具体的には、どのようなキーワード検索からこのHPにたどり着く人が多いのか、どのページのアクセス数が多いのか、改善点も含めて解析しています。

みなさん、連携して作業を進めていらっしゃるのですね。お仕事のやりがいと、大変さについてお伺いできますか?

廣安:自分が持っているあらゆるスキルを使って、興味関心のある “環境”というテーマについて発信していけることにやりがいを感じています。苦労と感じたことはあまりないのですが、Webサイトはスクラップ&ビルドを続けながら常に変化しているので、先のことを考えていかなければいけない、という大変さはあると思います。また「情報量が多くて探しにくい」というご意見もいただいており、まだまだ課題はたくさんあるなと思っています。

眞家:わかりやすいページを作るように心がけているので、「内容がわかりやすいのでいつも見ています」というコメントをいただくとうれしいですね。地方公共団体から膨大な情報が届くので、できるだけ早くアップすることや、間違いがあったときは情報が広まる前に素早く修正することなども大事にしています。
一方で、簡潔にどうわかりやすく掲載するかが一番難しいです。悩んだら、すぐにチームメンバーに相談しますね(笑)。私は知識も技術も未熟なので「こういう場合はどう作業するのが良いですか?」と、度々チームメンバーに助けてもらっています。

今地:環境問題や気候変動などは、いま社会的にホットな話題になっていて、ニーズのあるコンテンツです。その分野の最新情報にいち早く触れたり、Webで情報発信したりできていることが誇りですね。
専門的な内容が多いので、原稿をいただいた時点では理解できないこともあり、どう掲載するのがいいか悩むことも多いです。

成嶋:誰しもが関わりのある気候変動という問題について、広めていく役割を担っていることがやりがいです。皆さんおっしゃるように、専門的なことはまだわからない部分も多いので、それをどう伝えていくか苦労しています。

このお仕事をされるようになって、気候変動や適応に関する意識は変わってきましたか?

廣安:関心はあったのですが、意識が変化したというよりは、研究者や外部の方などと接しながら、知識や情報を得ることができ、充実感があります。例えば、先日、地方公共団体の研修で、地元の方からこんな話を伺いました。北海道ではイカの漁獲量が減っている代わりにブリが獲れるようになっているのですが、獲る魚種を変えるということは、日本では昔から普通にやっていたのだそうです。先人たちは、自然な行動として適応策をとっていたんですね。科学だけでなく生活文化や歴史などが密接に絡んでいて、面白みを感じます。

眞家:私はエコバッグを使うようになりました。あとは料理をするときに無駄なく食材を使うなど、小さなことですが心がけるようになりました。
先ほどの廣安さんの話に関連して、ブリが多く獲れるようになったら加工場も新たに建設しなければなりませんよね。設備投資や食生活の変化など、思いも寄らないところへの影響があるということ、そういったことは自分でもあまり考えたことがなかったので勉強になっています。

今地:熱中症の予防策や、土砂災害の被害に遭わないための対策など、個人でできることもたくさんあるんだな、ということは改めて知りました。実際、年々気温は上がってきていますよね。自分が子どもの頃は、こんなに暑くなかったな…と考えると、1歳の娘が大人になる頃にはどれだけ気温が上昇しているのか、そのようなことも考えるようになりました。

成嶋:この仕事を始めてから、さまざまな情報に触れて勉強させていただいています。「将来は、入学式のときに桜が咲くのではなく、蝉が鳴いている」という状況になっているかもしれない・・。A-PLATには研究者向けの情報も多いのですが、個人の適応のページは一般の人でも見やすいように作るよう心がけています。地球環境が今後どうなっていくのかを知ってもらい、意識を高めてもらいたいです。

最後に、みなさんの趣味を聞かせてください。

廣安:ものづくり全般かもしれません。ここ数年、NHK「みんなのうた」のアニメーションや、話題作のCDのジャケットのお仕事をいただくというような機会にも恵まれました。現代アート作品の方面にも力を入れていますが、これは基礎研究にあたるようなものとして捉えて取り組んでいます。

眞家:バレーボールをやっていたので、体を動かすことが好きですね。筋トレのほか、スポーツ観戦も好きです。また、3年ほど前に親戚にもらったことがきっかけでメダカの飼育も好きになりました。いまは、小川ブラックという黒いメダカを飼っています。

今地:趣味はガーデニングです。いまは、ひとつの茎からたくさん(100輪ほどの)花が咲く「サンフィニティ」というミニひまわりなど、珍しい植物も育てています。花のほか、オリーブや紅葉など、種類はさまざまです。

成嶋:熱帯魚の飼育が趣味です。大きい魚(金魚が大きくなりすぎて)は一度飼育して懲りたので、いまはゴールデンハニードワーフグラミーという小さい熱帯魚を飼っています。水槽に藻が結構生えるので、水の通り道に紫外線を当てて藻や雑菌の繁殖を減らすなどしながら、熱帯魚にとって快適な環境作りに興じています。

みなさんの経歴や趣味などが多様で、大変興味深いお話でした。これまでの経験を生かして、A-Platとして伝えたい有益な情報を、いかに早くわかりやすくアップできるかを常に模索しながらホームページを作っているとのこと。風通しの良いチーム内の雰囲気も伝わってくるようでした。引き続き、よろしくお願いします!
取材日:2021年7月1日

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