Staff interview #26
リュウ ヒ(LIU Fei)

気候変動適応センター(CCCA)特別研究員
中華人民共和国 青海省出身。筑波大学大学院地球環境科学専攻空間情報科学分野で博士号取得し、2021年4月国立環境研究所入所。趣味は読書と旅行。

はじめに、国立環境研究所 入所のきかっけを教えてください。

筑波大学大学院卒業後、ご縁があって国立環境研究所に入りました。
大学は中国地質大学(武漢)に進学し、情報工学を専攻していました。リモートセンシングの技術で地震・土砂崩れのことを勉強していました。地球環境科学に興味があったので、技術が進んでいる日本で進学することを選び、筑波大学大学院で修士と博士課程に進みました。指導していただいた村山祐司先生は地理情報システム研究で著名な方で、たくさんの技術を学ばせていただいて充実した大学院時代でした。卒業後、すぐ国立環境研究所に入ったのですが、あっという間に4か月(取材時)が経ちました!

適応センターではどのような研究をしていますか?

目下、気候変動による影響と適応戦略についての研究をすすめています。
私の研究分野は、都市のリモートセンシング技術と地理情報システムプラットフォームを活用して、都市に関連する課題を解決する内容です。都市の不浸透性表面の監視、都市のヒートアイランド評価、将来の都市シミュレーション、生態系サービスの評価、都市の包括的な環境収容力など、複数の影響評価研究が含まれます。

コロナ禍での研究はいかがですか?在宅研究になるのでしょうか?

自宅での研究が中心ですが、集中してできています。家も研究所から近いので、研究所内の装置を使わなければならに時には出勤します。職場環境もとても良く、気候変動適応戦略研究室の皆さんにはいつも助けていただいています!夏の間はセミナーにも参加させていただき、私の研究に大変役に立っています。研究以外の私生活は、コロナ禍ということもあり、ちょっと退屈ですけどね。(笑)読書や散歩をして過ごしています。

中国の故郷はどんなところですか? ご家族やご友人は、気候変動やLIUさんの研究をどのようにお考えですか?

中国も気候変動の影響を受けていて、台風や洪水の被害も大きくなっているので、友人も気候変動についてはニュースなどで関心を持っていると思います。各々できる限りの方法で、緩和や適応に努めていると思います。
気候変動というと、ヒートアイランド現象など「暑すぎてどうしよう!」ということが最近の風潮ですが、私の地元は標高が高く寒い(チベット高原に近い)地域なので今のところそういう心配はなく、夏は過ごしやすいところです。青海湖(チンハイレイク)が美しく、自転車の国際的なレースの舞台にもなる地域です。コロナ禍で2年間、地元に帰れていない状況ですが、よく友達や家族と連絡をとっています!気候変動の話もよくします。今はネット環境がとてもいいので、便利です。

今後の課題や目標を聞かせてください。

もちろん、私が持てる力をここで最大限発揮したいと思っています。加えて中国や他の国のためにも何か役立てることができるといいですね。私の研究分野でも、日本やヨーロッパは先進的な部分がありますが、中国や他のアジア諸国では、まだまだ発展途中なので、今後の研究に努めて他の国や地域にも活かせていけたらと思います。

今の研究対象のフィールドは日本ですが、もし機会があれば、将来、中国を含め他の国も対象にできたら面白いなと思っています。日本も中国も、大都市を抱えている国なので、大都市がもし災害や想定外の影響を受けることになったときに、早く回復できる都市モデルを提案できればよいなと思っています。

私は黙々と研究しているのが性に合っているので、研究者生活をずっと続けていきたいです!

「2015年からつくばにいるのですが、つくばは住みやすいところです!」とも教えてくれたLIUさん。CCCA参加への歴は浅いながらも、しっかりと自身の研究や今後の目標を語ってくれました。活躍を応援しています!
取材日:2021年8月5日

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