Staff interview #32
松本 典子(MATSUMOTO Noriko)

気候変動適応センターで研究者のサポートやスタッフインタビューを担当するアシスタントスタッフにお話を伺いました。東京都出身。趣味は、旅行と写真

CCCAに勤務して何年目ですか。

CCCAに勤務してちょうど4年半です。ここに来る前はつくばの他の研究所で20年以上研究室アシスタントとして働いておりました。その前は、民間企業の秘書室で役員秘書を約10年、一貫して誰かのお世話を40年近く続けてきました。

CCCAでの仕事とやりがいを教えてください。

最初は肱岡副センター長の秘書的なお仕事をしていたのですが、いまは、スタッフインタビューの運営にも携わっています。そう、このCCCAスタッフインタビューです。インタビューを通してスタッフの皆さんが其々自分の得意とする分野で「気候変動適応」に貢献しようとする姿を拝見し、ポジティブな熱いエネルギーを感じる、とても有意義な仕事です。
インタビューする内容は決まっているので大変なことは何もないのですが、コロナ禍でインタビューもオンラインになり、写真撮影は別の機会に行うことが多くなりました。私は、写真が趣味なのもあり、人物の表情を撮りたいと思っていて、でも個人情報云々の時代にそれはすごく難しくなっていたので、思う存分人物写真を撮ることができるこの仕事は、実はとても楽しかったです。

CCCAで働くようになって気候変動(適応)に関する気持ちに変化はありましたか?

私がここに来る前に働いていた研究所でも、材料開発や物質物理研究から低炭素社会の実現を目指すというプロジェクトがたくさん走っているのを知っていましたので、京都議定書の意味の大きさを改めて知ることになりました。CO2の排出を少なくするための電力使用量の抑制や、蓄電蓄熱技術の向上、再生可能エネルギーの導入など緩和策しか思い浮かばなかったので、「適応」という言葉は新鮮でした。適応という言葉の意味は、その場の環境や条件によくあてはまること、適した状態、あるいは適するように変化する現象のことをいうようですが、さらに、「気候変動適応」とは、気候変化に対して自然生態系や社会・経済システムを調整することにより気候変動の悪影響を軽減する(または気候変動の好影響を増長させる)ことを言うのだそうです。研究者は勿論ですが、CCCAのスタッフが本当にいろんな方面から「気候変動適応」に関わっていることを、インタビューを通して知ることになり、またそれが自分の生活に密接に繋がっていることを知り、点と線が繋がっていくような感覚でいます。

何方かがおっしゃっていましたが、ここで働くようになって、私も庭いじりや犬の散歩をしながら、気候の変化には関心が強くなりました。自分の周りの「気候変動適応」や、その先の「未来」にも思いを巡らす気持ちが芽生えました。昨年はキンモクセイが2度咲きました。(3度咲いた木もあったそうです。)二度も花を咲かせたら木が疲弊してしまいますよね。来年は花が咲くのかしら?そんな心配もするようになりました。ここ数年、お魚コーナーに並ぶ魚の種類が極端に減りました。そう遠くない未来は、養殖技術が確立されたお魚しか並ばなくなるんだろうなと思います。ハザードマップも確認しています。もしも、仕事中に豪雨になり、雨量が増えて通常ルートで帰れなくなったときにはここを通れば帰れるというコースも探してあります。

気候変動の影響からか、温暖化や世界中で起きている異常現象等々とそれに対する様々な試行錯誤や施策。この現実を、私たちはもっと知らなければならないと思います。そして、可能な限り、自分の身は自分で守らなければ!この仕事を通してそう思います。

3月で退職される松本さん。「最後にこんな素敵な仕事に関わることができて幸せでした。」とおっしゃっていました。これまでありがとうございました!コロナが落ち着いたら趣味の旅行を思いっきり楽しんでください。
取材日:2022年2月22日

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