A-PLATメールマガジン バックナンバー【3月号】

こんにちはA-PLATです。
寒さの中にも春の訪れを感じられる頃になりました、皆様いかがお過ごしでしょうか?
メルマガ3月号では、岩手県を代表するリンゴの適応策について、岩手県をはじめ果樹栽培農園、農業研究センターにお話を伺ったインタビュー記事をご紹介します。また、研究機関の気候変動適応に関連した研究や新たに策定された地域気候変動適応計画などをお届けします。

- 国立環境研究所 気候変動適応センター メルマガ 3月号 -

 インタビュー 適応策 Vol.37
岩手県 気候変動による凍霜害や夏季の高温、病害虫から果樹を守る

■近年、気候変動により岩手県のりんごが被害を受けているという『凍霜害』とはどのようなもので、なぜ発生したのか詳しく教えてください。
2021年3月の記録的な高温により、県内のりんごの生育は平年と比べて10日以上も早まりました。これによってりんごの生育段階が、例年より早い4月早々に、葉が広がってくる展葉期(てんようき)に達したのです。この時期のりんごは低温に弱いため、4月11日・15日の朝の降霜によって被害を受けて、10億円を超える大きな被害となりました。県北部で栽培されているおうとうや、県南部の日本なしについても同様の被害が見られています。

■凍霜害防止のために、どのような対策を行っていますか?
散水氷結法を使っています。園地には約50基のスプリンクラーを設置しており、気温が2度以下になると水が出る仕様です。これは氷と水が同じ空間にあることで、エネルギー交換が行われ、気温が0度以下にならないという性質を利用しています。スプリンクラーを使った散水氷結法のほか、送風機を使う防霜ファン、そして畑のなかで火を燃やして温めるという燃焼法もありますが、燃焼法は面積が広くなるほど灯油の消費量も多く、事前に消防への許可が必要なこともあり、少し大変です。
現在はそれらの方法のほか、凍霜害が発生する前後に特殊な資材等を散布して、植物体の耐冷性を上げる、もしくは植物体そのものをコーティングして寒さに強くするといった、葉面散布資材の効果の検証を進めています。

A-PLATに掲載している国の研究機関が公表する情報をピックアップしお知らせします。

必要なものを、必要なときに、必要な数だけ作る=ジャストインタイム生産へ向けて
イチゴの収穫時期を精密予測、制御可能な技術を開発。

イチゴの収穫時期をより正確に予測する技術を開発。収穫時期を正確かつ精密に調整し、需要期に合わせることができれば、生産・食品ロスの削減、持続可能な農業の推進に寄与できます。イチゴの安定生産や、イチゴ農家の所得向上への貢献も目指しています。


災害の切迫感・臨場感をより分かりやすく伝えて、逃げ遅れを回避するためのVR技術を開発

災害時「自分は災害には遭わない」という思い込みにより、的確な避難行動が取れていないという指摘があります。そのため災害をVR体験する事により、危機感をより分かりやすく伝え逃げ遅れを回避を目的に開発された、VR河川水位予測技術が「ベスト産業実用化賞」を受賞しました。



■事業者の適応

気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会の開催
令和4年4月に発足したプライム市場の上場企業では、国際的枠組みであるTCFD等に基づき気候関連情報開示が求められるなど、気候変動関連データの提供・利活用の重要性が高まっています。このため、文部科学省、国土交通省、環境省、金融庁は、データの提供側と利活用側が、互いのニーズや課題、今後の対応の方向性等について、双方向で情報・意見交換を行うことを目的に「気候変動リスク・機会の評価に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会」設置しました。

気候変動適応センターは本懇談会に関係機関として参画しています。昨年12月22日に第1回が開催されましたが、今後も引き続き、気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データの利活用を促進するための施策の検討に貢献していきます。
昨年12月に開催された第1回懇談会の配布資料はコチラから閲覧可能です。

■地域気候変動適応計画
2月に策定された地域気候変動適応計画のご紹介です。
その他、適応計画はA-PLATの地域気候変動適応計画の一覧からご確認ください。

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