気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)
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よくあるご質問

これまでに寄せられた質問への回答等を掲載しています。その他の質問については、お問い合わせフォームよりお知らせください。

A-PLATの活用方法、A-PLATへの掲載方法について

A-PLATを利用するための推奨環境を教えてください。
以下のブラウザでのご利用を推奨しています。いずれも最新版をご利用ください。
  • Internet Explorer
  • Firefox
  • Safari
  • Google Chrome
※一部サービスはスマートフォン・タブレットには対応しておりません。
A-PLATに掲載されているロゴを使用したいです。
A-PLATのロゴの使用を希望される場合は、「A-PLATロゴマーク使用申請書」をご提出ください。申請書は「お問い合わせ」フォームよりご請求ください。
なお、使用につきましては、「サイトポリシー」をご参照ください。
A-PLATに掲載されているイラストを使用したいです。
下のリンク先のイラストについては、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-改変禁止-非営利の範囲でご自由にご使用いただけます(事前の使用許諾は不要です)。
なお、よろしければ使用した制作物について後日「お問い合わせ」フォームにてご報告頂けると幸いです。今後の参考にさせて頂きます。
<参考情報>
※クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示 - 改変禁止 - 非営利くわしくはこちら(CCライセンス CC BY-NC-ND)をご覧ください。
A-PLATに掲載されているパンフレットを使用したいです。
A-PLATの「お問い合わせ」フォームに「パンフレットの種類」「必要部数」「送付先」「希望納期」を明記の上、お知らせください。
なお、パンフレットの部数には限りがある為、ご希望に添えない場合がありますので、予めご了承ください。
A-PLATに掲載されている動画をイベントで使用したいです。
A-PLATに掲載されている動画は、環境教育や非営利の活動では、ご使用頂けるものが多いですが、不明な場合は「お問い合わせ」フォームにお知らせください。
A-PLATに掲載されている内容を一部引用したいのですが、出典の記載方法について教えてください。
下記の例のように記載してください。
<記載例>
出典:「気候変動適応情報プラットフォームポータルサイト」(当該ページのURL)
○年○月○日に利用 など
詳細は「サイトポリシー」をご参照ください。
気候変動の観測・予測データを抜粋して県のホームページに掲載したいです。
気候変動適応情報プラットフォームポータルサイト全国・都道府県情報利用規約」に従ってご利用ください。
WebGISで表示されている、数値データを提供してください。
Web GISで表示されている数値データについては、「将来予測データ(WebGIS)の指標一覧と入手方法」についてのページをご覧ください。表示されている指標の詳細及び、提供の際の形式も記載されています。同じページ内の利用規約をご覧いただき、申請書にご記入の上、問い合わせフォームにてご連絡ください。
A-PLATにイベント情報を掲載して欲しいです。
A-PLATの「お問い合わせ」フォームにお知らせください。イベント内容をご確認し、掲載いたします。お問い合わせには、イベント開催日時、タイトル、リンク先URLをお知らせください。なお、イベント内容によっては掲載できない場合もありますので、ご了承ください。
適応策データベースに事例を掲載して欲しいです。
お問い合わせ」フォームにお知らせください。
「適応ビジネス」「気候リスク管理」に事例を掲載して欲しいです。

お問い合わせ」フォームに「事業者の取組事例掲載希望」とご記入の上、お申し込みください。折り返し、必要書類をお送りします。なお、本件の趣旨に該当しない情報は掲載することができませんので、あらかじめご了承ください。なお、各事業者の「適応ビジネス」に関する取組事例の内容に関して、A-PLAT、国立環境研究所、環境省では一切の保証をいたしません。本情報の利用に関して生じうるあらゆる損害等に関し、利用者に対し一切の責任を負いません。

適応全般について

気候変動予測とはどのように行われますか。

気候変動の予測をするためには、「排出シナリオ」と「気候モデル」が必要です。シナリオとは現在考えられる将来の想定の事です。
人為的な温暖化の進行は将来の温室効果ガスの排出量に左右されますが、これは世界がどのように発展していくか(社会経済シナリオ)によって違ってきます。このため、将来の温室効果ガス排出量のいくつかのパターンを「排出シナリオ」として定めて、それらに応じた予測結果を比較できるようにしています。現在は代表的濃度経路(RCP: Representative Concentration Pathways)が標準的に用いられています。
また、地球の気候は大気、海洋、陸面などの複雑な相互作用によってつくられていますが、それらの状態の時間的な変化について、物理法則に基づいて計算する方程式をコンピュータプログラムで書き表したものが「気候モデル」です。この「気候モデル」に「排出シナリオ」を与えながら計算する事で、将来の気候がどう変化するか予測します。
気候モデルは各国の研究機関で開発が進められていますが、モデルの違い(雲や氷の効果、計算の単位となる格子の間隔の違いなど)のために、同じ排出シナリオを用いても得られる予測結果が異なっています。そこで、一般的に気候変動の予測を行う際には、複数の気候モデルの結果を相互評価しながら用いることになります。

左図:気象庁「数値予報とは」を加工して作成
<参考情報>
上記の概要は、下記の国立環境研究所ホームページ内の解説を基にまとめたものです。気候変動予測についてより詳しく知りたい方は、こちらを是非ご覧下さい。
海外の先進的な適応策の事例を知りたいです。
気候変動に関する研究や取組みをリードする欧州委員会と欧州環境機関が運営する適応に関する情報プラットフォームであるClimate ADAPTのCase Studiesのセクションにて事例が発信されています。
地球温暖化の仕組みや影響について詳しく知りたいです。
国立環境研究所のウェブサイト「ココが知りたい温暖化」では、地球温暖化に関して研究者が解説しています。温暖化全般に関する内容は、こちらをご覧ください。
適応に関する書籍をいくつか教えてください。
適応に関する参考書籍として以下のものが考えられます。
  • 「気候変動への「適応」を考える 不確実な未来への備え」肱岡靖明
  • 「気候変動下の水・土砂災害適応策: 社会実装に向けて」 国土文化研究所, 池田 駿介他
  • 「気候変動適応策のデザイン~Designing Climate Change Adaptation~」 三村 信男, 太田俊二他
  • 「気候変動に適応する社会」 地域適応研究会, 田中 充他
気候変動適応に関するISO規格はありますか。

2021年3月現在、気候変動適応に関連して3つのISO規格(ISO 14090、ISO 14091、ISO/TS 14092)が公表されています。

ISO 14090(Adaptation to climate change — Principles, requirements and guidelines:気候変動適応-原則、要求事項及び指針)は、3つの規格のうちで初めに公表されたもので、気候変動適応に取り組む際の原則や要求事項、指針を示したものです。対象とするユーザーを限定せず、気候変動に取り組むにあたっての必要事項や留意点の全体像を伝えています。

ISO 14091(Adaptation to climate change — Guidelines on vulnerability, impacts and risk assessment:気候変動適応-脆弱性、影響及びリスク評価)は、気候変動適応の取組みにおいて、脆弱性や影響を踏まえた気候変動リスクの評価の進め方に焦点を当て示したものです。気候変動リスクの評価の際の手法やそのための必要事項を伝えています。

ISO/TS 14092(Adaptation to climate change — Requirements and guidance on adaptation planning for local governments and communities:気候変動適応-地方自治体や地域社会を含む組織のための適応計画の要求事項と指針)は、地方自治体や地域社会が適応計画を策定する際のガイダンスを提供しています。策定チームの立上げ、現状の評価、計画策定、計画の実行と進捗管理の4つのステップとそれらをPDCAとして繰り返していく際の必要事項を伝えています。

これらの規格の開発には国立環境研究所の研究者も参画しています。またこれらの規格は、英語等の言語で書かれPDFファイルの形で、ISOの公式ホームページにて購入することができます。

国の取組について

気候変動適応法とはどのような法律ですか。

気候変動に対処し、国民の生命・財産を将来にわたって守り、経済・社会の持続可能な発展を図るためには、温室効果ガスの長期大幅削減に全力で取り組むことはもちろん、現在生じており、また将来予測される被害の回避・軽減等を図る気候変動への適応に、多様な関係者の連携・協働の下、一丸となって取り組むことが一層重要となっています。こうした状況を踏まえ、気候変動への適応を初めて法的に位置付けたものが気候変動適応法です。平成30年6月13日に公布され、同年12月1日に施行されました。気候変動適応法の概要は以下の通りです。

  1. 適応の総合的推進
    • 国、地方公共団体、事業者、国民が気候変動適応の推進のため担うべき役割を明確化。
    • 国は、農業や防災等の各分野の適応を推進する気候変動適応計画を策定。その進展状況について、把握・評価手法を開発。(閣議決定の計画を法定計画に格上げ。更なる充実・強化を図る。)
    • 気候変動影響評価をおおむね5年ごとに行い、その結果等を勘案して計画を改定。
  2. 情報基盤の整備
    • 適応の情報基盤の中核として国立環境研究所を位置付け。
  3. 地域での適応の強化
    • 都道府県及び市町村(東京23区を含む。)に、地域気候変動適応計画策定の努力義務。
    • 地域において、適応の情報収集・提供等を行う拠点(地域気候変動適応センター)機能を担う体制を確保。
    • 広域協議会を組織し、国と地方公共団体等が連携して地域における適応策を推進。
  4. 適応の国際展開等
    • 国際協力の推進。
    • 事業者等の取組・適応ビジネスの促進。
2020年の12月に気候変動影響評価報告書が公開されましたが、どのような内容が記載されているのでしょうか。

気候変動影響評価報告書(総説)は、気候変動適応法第10条に基づき、気候変動及び多様な分野における気候変動影響の観測、監視、予測及び評価に関する最新の科学的知見を踏まえ、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴き、関係行政機関の長と協議して作成した気候変動影響の総合的な評価についての報告書です。2015年の中央環境審議会による意見具申から5年後にあたる2回目の気候変動影響評価であり、法に基づき作成された初めてのものとなります。
本報告書では、各分野における気候変動影響の概要に加えて、気温や降水量などの観測結果と将来予測、影響の評価に関する今後の課題や現在の政府の取組をまとめています。この他、報告書の作成に併せ、各分野における気候変動影響に関する詳細な情報をまとめた資料「気候変動影響評価報告書(詳細)」を参考資料としてまとめています。

なお、「日本における気候変動による影響の評価に関する報告と今後の課題について(意見具申)」が公表された時に比べ今回の評価では、評価対象となる分野・項目の分類体系において、20の大・小項目が新たに追加もしくは細分化され(総説P34-35参照)、重大性、緊急性、確信度のいずれも高いと評価された7つの項目において確信度が向上し(総説P1-2参照)、3つの項目において新たに「特に重大な影響が認められる」と評価され(総説P1-2参照)、5つの項目において新たに「対策の緊急性が高い」と評価されています(総説P1-2参照)。

気候変動影響は様々な分野で生じることから省庁を横断した連携が必要とされていますが、各省庁はどのように連携しているのでしょうか。

気候変動適応法(平成30年法律第50号)及び気候変動適応計画(平成30年11月27日閣議決定)に基づき、関係行政機関相互の連携協力の確保の下、気候変動適応に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、気候変動適応推進会議が開催されています。推進会議は、環境大臣・環境副大臣を議長・副議長とし、内閣官房・内閣府・金融庁・総務省・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省・防衛省の審議官・局長・官房長が構成員となり、関係府省庁間の必要な調整を行い、連携協力をしながら政府一体となって気候変動適応に関する施策を推進するとともに、その進捗状況を定期的に確認していくこととなっています。

また、環境省と内閣府は、想定を超える気象災害が各地で頻発し、気候変動はもはや「気候危機」と言える状況の中、こうした時代の災害に対応するためには、気候変動リスクを踏まえた抜本的な防災・減災対策が必要であるとの認識の基、気候変動対策と防災・減災対策を効果的に連携して取り組む戦略(気候危機時代の「気候変動×防災」戦略:環境大臣・内閣府特命担当大臣共同メッセージ)を取りまとめ公表しています。

なお、各省庁それぞれの取組についてはA-PLATの関係省庁の適応に関する取組にて確認することができます。

日本は様々な分野で開発途上国等への支援や協力を行っていますが、適応分野でも何か行われているのでしょうか。

日本は適応分野において、様々な形で開発途上国への支援や協力を行っています。

例えば、日本は開発途上国の緩和と適応の実施を支援するための国際基金である緑の気候基金(Green Climate Fund:GCF)などに資金を拠出しています。環境省では各国のニーズや政策的優先課題を念頭に、科学的知見に基づいた気候変動影響評価や適応計画策定への協力を行っている他、GAN(世界適応ネットワーク)やAPN(アジア太平洋地球変動研究ネットワーク)といったネットワークを構築し、各地域における適応に係る知見共有ネットワークを束ねるとともに、多くの地球変動研究を支援しています。
また、JICAでは気候変動の悪影響が多くの開発途上国において顕著であり適応支援が重要であるとし、様々な分野での協力に取り組んでいます。

国立環境研究所では、国際協力の一環として、科学的知見に基づいたアジア太平洋地域の途上国における適応計画の策定・実施を目的に、アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)を展開しています。

様々な分野において国際会議等の場で最新の研究や実践事例について共有や情報交換が行われていると聞きます。適応分野でもそのような国際会議はありますか。

世界各国の研究者や政策立案者等が参加するAdaptation Futuresや、ヨーロッパ諸国を中心に開催されるEuropean Climate Change Adaptation Conferenceなどが知られています。アジア太平洋地域では、適応の実践者が集まり知見や経験を交換するものとして、Asia-Pacific Climate Change Adaptation Forum(APAN Forum)等が開催されています。

また、自然災害の分野では2020年に「気候変動×防災」国際シンポジウムがWeb開催されており、農林水産業の分野でもAgriculture and Climate Change Conferenceなど複数の国際会議が開催されています。

気候変動の影響が言及される大雨や台風によって各地で避難が必要な状況が起きています。そういった場合の避難について参考にできる情報や、政府の取組について教えてください。

近年気候変動の影響が言及される大雨や台風によって各地で避難が必要な状況が起きています。被害を防ぐため各省庁が様々な情報発信や取組みを行っています。首相官邸は、防災の手引きの中で大雨・台風でどのような災害が起こるのかを過去の具体的事例に基づき示し、そのような場合にどのように行動したらいいか、避難はいつ・どこにしたらいいか等について情報を提供しています。
気象庁は、実際の大雨等の際に防災気象情報を発表します。警報や注意情報といった防災情報とその内容に応じたとるべき行動を示しています。
国土交通省は災害から命を守るためには、身のまわりにどんな災害が起きる危険性があるのか、どこへ避難すればよいのか、事前に備えておくことが重要であるとし、防災に役立つ様々なリスク情報や全国の市町村が作成したハザードマップを、より便利により簡単に活用できるようにするため、ハザードマップポータルサイトを公開しています。
政府の発信する最新の関連情報を収集し、避難や事前の備えに活かしていくことが求められます(以上は2020年10月16日時点の各URLの内容を基に作成しました。)。

熱中症警戒アラートとはどのような取組ですか。

近年、熱中症搬送者数が著しい増加傾向にあることから、どのように情報を発信し、国民の効果的な予防行動に繋げるかが課題となっていました。このため、環境省と気象庁は、有識者による検討会を開催し、令和2年夏に、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、新たに暑さへの「気づき」を呼びかけ国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート(試行)」を関東甲信地方で先行的に実施し、その検証結果等を踏まえて、令和3年4月28日(水)から全国で本格運用を開始しました。

高温注意情報を、熱中症の発生との相関が高い暑さ指数(WBGT)を用いた新たな情報に置き換え、都県内のどこかの地点で暑さ指数(WBGT)が33℃以上になると予想した場合に、前日の17時頃及び当日の朝5時頃に、都道府県単位で発表されます。また、熱中症警戒アラートが発表された場合には、以下の予防行動をとることが呼びかけられます。

  1. 外出はできるだけ控え、暑さを避けましょう
  2. 熱中症のリスクが高い方に声かけをしましょう
  3. 普段以上に「熱中症予防行動」を実践しましょう
  4. 外での運動は、原則、中止/延期をしましょう
  5. 暑さ指数(WBGT)を確認しましょう

地域の適応について

気候変動適応に携わる部署に配属となりました。どのように関連知識を身に着ければいいでしょうか。

はじめに以下の気候変動適応 e-ラーニングでの学習をお勧めします。これから気候変動適応に取り組む方に気候変動による影響および適応について学んでいただくことを目的として、A-PLATに掲載されている情報を中心にまとめています。

e-ラーニングにて、関連する内容や全体像を掴んだ後は、以下のWebGISや影響評価報告書・気候変動適応計画で、分野ごと地域ごとの気候変動影響やそれらに対する適応策の事例を学ばれてはいかがしょうか。特に自らの地域で懸念される影響やご自身の職務で関係の深い適応策等を中心に具体例を理解することが望まれます。また、他の地域の適応計画を参照することも考えられます。

さらに影響や適応策についてより具体的に、最新の研究事例等や実践事例に基づいて学びたい場合には、以下URLや論文検索サイト等にて自分が学びたい分野や影響についての研究論文を探しそれらを読み進めることが考えられます。また、適応策のデータベースから具体的な適応策事例の情報を収集することも有用です。

メールマガジンの配信をお願いしたいです。
主に、地方公共団体の方を対象として配信しています。「お問い合わせ」フォームに「ご所属」「お名前」「メールアドレス」をご記入の上、お知らせください。メーリングリストに登録させていただきます。
地域で既に生じている気候変動影響に関するデータや関連する情報を収集したいのですが、どのように進めたらいいのでしょうか。

影響が実際に生じているかを解析するための観測データを収集することや地域住民の方等にアンケート等を行い体感している気候変動影響について情報を集めることが考えられます。観測データの収集にあたっては、埼玉県の事例のように小学校の百葉箱を活用してデータを収集することや、長野県の事例のように独自に観測機器を設置することが考えられます。また、各省庁が関連する観測データを公開しており、A-PLATの様々な観測データのページにて利用可能なデータの種類や、入手先・入手方法を確認することができます。

また、滋賀県の事例のようにホームページ上で「身近な環境の変化」に関する情報や写真を募集することや、福岡県のように県内の事業者に既に生じている気候変動影響等についてアンケートを行い情報を収集している事例があります。また、A-PLAT以下ページにてアンケート調査の事例や設問例を確認することができます。

影響情報の収集や適応策の実施は、地域の住民・企業等のステークホルダーと協働して行いたいのですが、どんな手法がありますか。

協働には、情報・意見交換の場の開催、イベントや事業の協働実施、補助・助成・委託・コンソーシアム等による協働実施などの様々な手法があります。適応分野では、県民ワークショップを開催する例、ネットワークを設立する例、民間と連携した調査を行う例、連携で普及啓発を行う例等があります。

地域で気象の観測を行う際に気を付けるべきことはありますか。
地域で気象の観測を行う際等には、気象業務法で定められる基準に従う必要がある場合があることに気を付ける必要があります。これらの場合は観測の為の施設を設置(または廃止)した際に気象庁長官への届け出が必要となるため注意する必要があります。気象観測の技術上の基準や届出・検定制度等については、詳しくは以下のリンク先よりご確認ください。
地域で気候変動影響予測を行いたいのですが、どのように進めればいいですか。
まずは気候変動影響予測を行う分野や対象を決めます。その際には、アウトプットのイメージや予測を行う時期についても併せて検討します。次に、予測を行いたい分野や対象に関して、影響予測モデルが既に開発されているか、予測を行った事例があるかを確認します。それらの事例が確認できれば、モデルや事例に関連する情報を収集し、将来予測を行うにあたって必要となる気候等の情報を特定します。
上記の情報が集まれば、最後に実施に向けて必要な事項を検討します。予測モデルの実行は自ら実施が可能か、専門家や民間企業への委託が必要かを判断します。また、将来予測を行うにあたって必要となる気候シナリオ等の情報は国立環境研究所から提供できるものもありますので、影響予測を具体的に検討される際にはご相談ください。
昨今の大雨や台風と気候変動は関係あるのでしょうか。

平成29年7月九州北部豪雨及び平成30年7月豪雨に相当する大雨の発生確率に地球温暖化が与えた影響について定量的な評価が行われており、これらの大雨の発生確率が、地球温暖化の影響がなかったと仮定した場合と比較して、それぞれ約1.5倍および約3.3倍になっていたことが示されています。日本の地域ごとの豪雨の特徴を区別できるような高解像度の数値シミュレーションを用いてこのような取り組みを行った例は、これまで存在しませんでした。この成果を通して、大雨に対する地球温暖化の影響に関する社会の理解がより深まることが期待されています。

地球温暖化はもはや将来の問題ではなく、その影響は私達の生活に既に現れ始めています。平成29年九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、令和2年7月豪雨など、連続する豪雨災害が多大な被害をもたらしました。個々の異常気象は、大気や海洋が本来持っている「ゆらぎ」(平均的な状態からの自律的なずれ)が偶然重なった結果発生するため、その発生に地球温暖化がどの程度影響していたかを定量的に評価することは困難と考えられてきました。しかし、近年、気候モデルによる大量の数値シミュレーション結果に基づく「イベント・アトリビューション」という手法を用いて「ゆらぎ」を統計的に把握することで、地球温暖化の影響を定量的に評価することが可能になりました。具体的には、気候モデルを用いて、温暖化した気候状態と温暖化しなかった気候状態それぞれにおいて、大量の数値シミュレーションを行い、注目する異常気象の発生確率がどの程度変化したかを定量的に見積もります。

なお、気象庁による発表においても、平成30年7月豪雨については地球温暖化に伴う水蒸気量の増加の寄与もあったと考えられるとされています。

気候変動が進むと降雪量は減るのでしょうか。増えるのでしょうか。

過去からこれまでの変化については、気象庁の観測データに基づき解析がなされ、 1962 年以降、日本海側の各地域では年最深積雪に有意な減少傾向が見られ、1 日に 20cm 以上の降雪が観測されるような大雪の日数も減少しています。ただし、年最深積雪は年ごとの変動が大きく、それに対して統計期間は比較的短いことから、長期変化傾向を確実に捉えるためには今後のデータの蓄積が必要であることも指摘されています。

また将来については、北海道の一部地域を除き、地球温暖化に伴い降雪・積雪は減少すると予測されるている一方、平均的な降雪量が減少したとしても、ごくまれに降る大雪のリスクは低下するとは限らず増加する可能性があることが指摘されています。

地域で気候変動影響や適応についての研究を行いたいのですが、どのようにしたらいいでしょうか。使える資金はありますか。

地域での気候変動影響や適応についての研究を検討するにあたり、以下のページで研究事例にて、研究を行う分野やテーマ・概要等についての参考情報を確認いただけます。

研究を行う際の研究費については、環境省の環境研究総合推進費や、日本学術振興会の科学研究費等の競争的研究資金を活用することが考えられます。環境研究総合推進費の公募開始は10月頃、科学研究費は9月(国際共同研究加速基金以外。国際共同研究加速基金は4月。)となっており、公募前から準備した上で応募することが望まれます。

また、国立環境研究所は共同研究(適応型)の制度を運営しています。気候変動影響の観測・監視及び予測・評価並びに気候変動適応に関する研究を、地域気候変動適応センター等と共同で行うことを想定し、特に期限を定めずに随時募集を行っております。ご関心のあるテーマ等ございましたらお問合せください。こちらについても詳細は以下URLをご参照ください。

地域でEbAに取り組みたいのですが、EbAの概要や事例・参考文献等について教えてください。

EbA(Ecosystem-based adaptation)とは生態系を活用した適応であり、国連の気候枠組み条約と生物多様性条約の双方において重要視され、国際自然保護連合もガイドラインを出すなど、その重要性が広く認識されています。生態系を維持・活用することで気候変動影響の抑止・軽減を目指すものではありますが、植物を用いることで炭素固定の効果も期待ができるなど、適応以外の様々な便益(コベネフィット)も生み出せる可能性があるとされています。日本でも取組みが始まっており、Eco-DRR(Ecosystem-based disaster risk reduction)やグリーンインフラと呼ばれる取組みについても、対象が気候変動影響に関連する場合にはEbAと同様の目的を持った取組みと考えられます。環境省は、気候変動による災害リスクの高まりへの有効な対応策の一つとしてEco-DRRをあげ、国土交通省はグリーンインフラ推進戦略の中でグリーンインフラ推進の目的として適応への寄与をあげています。

国立環境研究所はEbAの研究にも力を入れており、地域での研究を検討する際にはご相談に応じることも可能です。

適応計画の策定や推進のために他部局と連携したいのですが、どのような連携方法がありますか。

他部局との連携の方法には、部署横断的な部会や組織を設置する例、勉強会・研究会等を共同で行う等によって連携を図る例、各部局に適応に類する目標や事業の提出をお願いしたり、対象とした影響調査表を作成し各部局の理解を深めてもらう例、環境省の委託事業等を共同して行うことで理解を深めたり人事交流を行う例等があります。

地域の住民等を対象にアンケートやヒアリングを行う場合等に気を付けるべきことはありますか。
地域の住民等にアンケート等を行う際、収集した情報が、特定の個人を識別できる個人情報に該当する場合があります。その場合、各地域気候変動適応センターを担う機関の種類に応じて、個人情報を適正に取り扱わなければなりません。
例えば、地方公共団体及び地方独立行政法人は条例に基づいて、独立行政法人等は独立行政法人等個人情報保護法に基づいて、事業者は個人情報保護法に基づいて(あわせて条例にも基づく必要がある場合があります)、それぞれ保有する個人情報を適正に取り扱う必要があります。機関の種類別のより具体的な情報は、以下からご確認ください。

<地方公共団体及び地方独立行政法人の場合>
個人情報の取扱いに関する条例は、各地方公共団体が策定しています。以下のリンク先より該当する条例をご確認下さい。 <独立行政法人等の場合>
独立行政法人等個人情報保護法には、それぞれ、①個人情報の保有の制限等、②利用目的の明示、③保有個人情報の正確性の確保、④保有個人情報の適切な管理のために必要な措置、⑤従業者の義務、⑥利用及び提供の制限、⑦開示、訂正及び利用停止等についての定めがおかれています。

<事業者の場合>
事業者の場合、個人情報保護法に基づき、個人情報データベース等(個人情報を含む情報の集合物であって、①特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの、②特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるものをいいます。ただし、利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定めるものを除きます。)を事業の用に供している者は、個人情報取扱事業者とされ(同法2条4項、5項)、各種の義務等が課されています。義務等の例をあげると、次のとおりです。
① 原則として個人情報の利用目的の通知または公表が必要であり(明示が必要な場面もあります)、原則として目的外の利用ができません(同法15条、16条、18条)。
② 利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報をいいます(同法2条6項)。)を正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければなりません(同法19条)。
③ 個人データの安全管理のための必要かつ適切な措置、従業者に個人データを取り扱わせる場合の従業者に対する必要かつ適切な監督、個人データの取扱いを委託する場合の委託先に対する必要かつ適切な監督が、義務づけられています(同法20条~22条)。 
④ 個人データの第三者提供には、一定の場合を除き、原則として本人の同意が必要です(同法23条1項)。本人の同意に代わる方法として、一定の要件に基づくオプトアウト方式(予め一定の事項を本人に通知するか容易に知りうる状態にしておき、本人の求めに応じて第三者提供を停止するという方式。)が定められていますが、要配慮個人情報(本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいいます(同法2条3項)。)はオプトアウト方式の対象から除外されています(同法23条2項)。
また、個人データを第三者に提供したときに記録を作成し保存する義務、第三者から個人データの提供を受けるに際して一定事項を確認する義務が定められています(同法25条、26条)。
なお、業務委託、事業承継、共同利用に伴い個人データの提供を受ける者が第三者に該当しない場合についても定められています(同法23条5項)。
⑤ 本人から保有個人データ(個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データであって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの又は一年以内の政令で定める期間以内に消去することとなるもの以外のものをいいます(同法2条7項)。)の開示、訂正、利用停止、第三者提供停止等を請求された場合、法令で定めた要件等に従って対応しなければなりません(同法28条~30条)。
⑥ 保有個人データの利用目的の通知、開示、訂正、利用停止、第三者提供停止を求められたときに応じる手続き、苦情の申出先などの事項について、本人の知りうる状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含みます)におかねばなりません(同法27条)。
なお、個人情報保護法における義務等の定め方は抽象的なため、解釈指針としてガイドライン・指針等が策定されています。以下のリンク先よりご確認下さい。
個人情報保護委員会 法令・ガイドライン等
適応について自治体や事業者、市民の役割や取組等を規定した事例や具体的な適応策を条例に落とし込んだ事例はありますか。
複数の自治体で適応に関連する内容を定めた条例が作られています。徳島県や仙台市は条例の中で、自治体、事業者、住民等が取り組む内容等を定めています。石川県では、県が適応を推進し関連する情報を提供していくこと、県の環境総合計画の中に適応法に規定する適応計画について定める旨を記載し、三重県でも、県が適応に関する情報を提供していく旨を記載しています。また、兵庫県では、具体的な適応策(Ecosystem-based Adaptation)と捉えられる、農地による遊水機能の維持や森林の有する雨水の浸透・滞留および県土の保全機能の確保の必要性について記しています。これらの事例は他の地域で適応に関する条例を検討する際の参考とすることができます。
市民や事業者等への気候変動影響や適応についての情報発信、普及啓発の方法にはどのようなものがありますか。

様々な地域や自治体で、HP・チラシ・ワークショップ・セミナーなど様々なツールやイベントを活用した情報発信や普及啓発が行われています。
日本全国で設置が進む地域気候変動適応センターでは、自らのホームページを作り関連情報の発信を行っています。三重県の事例では、適応の必要性や三重県の気候の予測、適応策の事例等を紹介しています。

また、その他にも様々な方法での発信が行われています。愛知県の事例では、「愛知県気候変動適応センターだより」を毎月発行し時期や季節にあった関連情報を提供しており、兵庫県の事例ではワークショップを通じた普及啓発を実施しています。

静岡県の事例では、県内の博物館(ミュージアム)に全国で初めて気候変動適応に関する展示を設置しています。気候変動による影響と適応を自分事として考えるために、展示を通して様々な取り組みを行っています。

なお、以下の「よくあるご質問」では、関連情報を収集し発信する際の留意点をまとめています。こちらもご参照ください。

地域では、ワークショップを通じて適応の普及啓発を実践されているとのことですが、どのように進めればいいでしょうか。

適応の普及啓発にあたってワークショップを実施する際には、以下の点を検討する必要があります。

  • ワークショップの目的
  • ワークショップの方法(複数のグループに分かれてディスカッション行う等)
  • 参加者
  • 会場

ワークショップの実施に当たっては、以下近畿地方環境事務所が作成しているワークショップの手引きが参考になります。事前準備として必要な事項等も説明されているので以下URLをご参照ください。

なお、こちらのワークショップの手引書を基に実施した兵庫県のワークショップについて、以下のURLにてワークショップの内容や使用した資料を確認することができます。

新型コロナウイルスの影響で、人が集まって行う取組みが制限され、気候変動影響や適応に関する調査等の活動が行いにくくなっています。何か対策はあるでしょうか。

新型コロナウイルス感染防止のための新しい生活様式として、人との間隔をできるだけ2m空けることや、会議はオンラインで行うこと等が推奨される現状で、人が集まって行う取組みが一定程度制限されています。そのような状況でも気候変動影響や適応に関する調査等を続けるために、様々な工夫がされています。

長野県の環境保全研究所では、スマートフォンやタブレット端末で使えるアプリケーションを活用して、将来のセミの分布状況を調べる「自宅でセミ調べ 2020」を実施し、セミの分布がどのように変化し、気候変動とどのように関係しているか調べるための基礎情報を収集しています。県民の方々はアプリケーションからリモートでセミの分布情報を入力することができると同時に、結果となる分布状況もWeb上で閲覧することができるものとなっています。

大阪府の環境農林水産総合研究所でも、気候変動が生き物の分布にどのように関係しているかを調べるために、スマートフォンのアプリケーションを使った「在来種vs外来種」クエストという調査を実施しています。この取組みは、株式会社バイオームが開発した無料のスマートフォンアプリ「Biome(バイオーム)」を用いることで、誰でも気軽に参加することができ、身近ないきものを投稿したり、他の人の投稿も確認したりできるものとなっています。こちらもリモートでの参加が前提となっています。

また、国立環境研究所が行う気候変動適応研修においても、令和2年度においては、Zoomのアプリケーションを使用しオンラインでの参加を可能としています。オンラインでのパネルディスカッションやグループディスカッションも実施しています。気候変動影響や適応分野にとどまらず、様々な分野で工夫やチャレンジが行われています。他の分野も含め先行事例を参考にしながら関連する調査等を続けていくことが求められています。

地域で適応を促進するために関連情報を収集し、資料を作成し情報を発信する際に気を付けるべきことはありますか。

地域で適応を促進する為に関連情報等を収集し、資料を作成し情報を発信する際等には、収集した関連情報等について第三者が著作権その他の権利を有している場合があることに気を付ける必要があります。

第三者が著作権を有しているコンテンツや、第三者が著作権以外の権利(例:写真における肖像権、パブリシティ権等)を有しているコンテンツについては、特に権利処理済であることが明示されているものを除き、利用者の責任で、当該第三者から利用の許諾を得る必要があると考えられます。

なお、第三者が著作権等を有しているコンテンツであっても、著作権法上認められている引用など、著作権者等の許諾なしに利用できる場合があります。

地域で行った適応の研究を発信したいのですが、A-PLATで発信できますか。

各地域の成果発信は重要な課題であり、A-PLATで可能な取り組みを個別に相談させていただきたいと思います。下記リンク先の事例欄のように地域で行われたGISでの取組みをA-PLATにて発信している例もあります。

まずは、お問い合わせフォームより、掲載されたい内容をご連絡いただけますと幸いです。

事業者の適応について

弊社において適応の取組を進めたいのですが、何から始めれば良いのか分かりせん。参考になる資料があれば教えてください。
環境省は、気候変動と事業活動との関わりについての理解を深め、適応の取組を進める際の参考にしていただけるよう、民間企業の経営及び実務に関わる方々を対象に「民間企業の気候変動適応ガイド-気候リスクに備え、勝ち残るために-」を作成しています。本ガイドでは、気候変動の事業活動への影響と適応取組の基本的な進め方、民間企業が適応に取組むメリットなどを紹介しています。また、さらに詳しい情報を知りたい方向けに、参考資料編も用意されています。気候変動対策に関する基本情報の詳細や、気候変動及びその影響に関する情報についての参考文献、また企業の取組事例なども掲載されています。
気候変動への適応の取組を求められても、ここ数年の事業計画を考えるのに精一杯で、とても数十年後のことを考える気になれません。どうすればよいでしょうか。
現在生じている、または将来懸念されている気候変動影響に備えてリスクを回避・軽減することで、事業の継続性や強靱性を高める取組を、気候変動への「適応」と言います。気候変動適応は、必ずしも大掛かりな取組を必要とするものではなく、気候変動適応に取組む目的や事業の特性によって進め方は異なります。検討の対象とする時間フレーム(いつの時点までの将来を考慮するか)についても数十年先を想定するところから、中期事業計画の策定期間にあわせた3年程度というものも考えられます。また、現在でも既に様々な影響が生じています。自らの事業活動を円滑に実施するために、今必要とされている対策から実施していくことも重要です。
気候変動適応への戦略的な取組は以下の利益をもたらすと考えられています。
  • 事業継続性を高められる
  • 気候変動影響に対し柔軟で強靭な経営基盤を築くことができる
  • ステークホルダーからの信頼を高め競争力拡大につなげ得る
  • 自社の製品・サービスを適応ビジネスとして展開し得る
環境省の作成している民間企業の適応ガイドに気候変動の適応の基本的な進め方が具体事例と共に示されています。こちらを参考とし、まずは、気候変動による事業環境の変化と自社の事業との関わりを正しく認識することから始めるのはいかがでしょうか。自社の事業活動における気候変動影響をしっかりと分析し、それぞれの特性に応じた取組を進めることで、経済的かつ効果的に気候変動適応を進めることが可能となります。
A-PLATでは事業者の取組事例を「気候リスク管理」と「適応ビジネス」に分類していますが、どのような違いがあるのでしょうか。
気候リスク管理とは、自社の事業活動において、気候変動から受ける影響を低減させるための取組であり、適応ビジネスとは、適応を自社のビジネス機会として捉え、他者の適応を促進する製品やサービスを展開する取組です。前者は自社の事業活動における気候変動影響からの守り、後者は適応を機会と捉えた攻めの取組と言えます。
A-PLATでは、気候リスク管理の事例(国内、海外)、適応ビジネスの事例(国内)を掲載しています。
企業の適応への取組においてTCFDという言葉をよく聞きます。TCFDとは何ですか。

TCFDとは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures, TCFD )」の略称です。

2015年G20における財務大臣及び中央銀行総裁会合より要請を受けた金融安定理事会(FSB)が、同年12月に設置したもので、約1年半の議論を経て、2017年6月に最終報告書(TCFD 提言)を公表しました。TCFDは、企業等に対し、気候関連リスク及び機会に関するガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標の各項目について開示することを推奨しています。
気候関連リスクには、移行リスクと物理的リスクがあり、それらを評価するだけでなく対応策を示すことが求められます。前者は低炭素経済への「移行」に関するリスクへの対応となり緩和策も含まれますが、後者は気候変動による「物理的」変化に関するリスクへの対応であり、適応策が中心となります。また、気候関連機会にも低炭素製品・サービス需要による収益増加やレジリエンス計画による市場価値の向上など緩和策・適応策両方の側面が想定されています。
経済産業省が発行した「気候関連財務情報開示に関するガイダンス(TCFDガイダンス)」や環境省が発行した「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド」を参照することで、TCFD提言に沿った情報開示を行うに当たっての解説や気候関連リスク・機会を経営戦略に織り込むシナリオ分析を行う際の実践のポイントを事例と共に参照することができます。また、A-PLATでも国内企業の取組事例を紹介しています。

企業の取組みにおいて、TCFDに基づくシナリオ分析が重要と言われています。シナリオ分析とは何でしょうか。また、シナリオ分析を行う場合、具体的にはどのように実施すればよいでしょうか。

シナリオ分析とは、長期的で不確実性の高い課題に対し、組織が戦略的に取り組むための手法です。
TCFD は事業者がシナリオ分析を進める上での参考として、下記プロセスを示しています。環境省が発行した「「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイド」にて、個々のプロセスの実勢のポイントや実践事例を参照することができます。

  1. ガバナンス整備:戦略策定やリスク管理プロセスにシナリオ分析を組み込み、関連する取締役会等による監視体制の構築や巻き込むべき内外のステークホルダーと巻き込み方の特定。
  2. リスク重要度の評価:「移行リスク」と「物理的リスク」から受けうる影響の大きさの評価。
  3. シナリオ群の定義:関連する移行リスク・物理的リスクを包含した複数の将来シナリオを設定。
  4. 事業インパクトの評価:それぞれのシナリオにおいて、自社の戦略的・財務的ポジションに生じうる影響を評価。
  5. 対応策の定義:特定されたリスクと機会を管理するために、適用可能で現実的な選択肢を特定。
  6. 文書化と情報開示:プロセスを文書化。
適応をビジネスの機会として捉え、海外で事業展開を進める企業もあると聞きます。どのような事例があるのでしょうか。

経済産業省が取りまとめた日本企業による「適応グッドプラクティス事例集」では、塩害地域での高品質緑豆の生産を行い食糧安定供給・生産基盤強化に取り組んだ事例や、マラリア感染地域での防除用蚊帳を製造・販売し気候変動による感染症増加の予防を進めた事例などが紹介されています。また、同省の提供する「企業のための温暖化適応ビジネス入門」には、途上国における事業展開のステップや国内外の適応事業への支援制度についても示されています。

適応策の重要性の認知度は国際的に高まっており、途上国を含む全ての国で事業機会の可能性があります。世界の適応ビジネスは、潜在的市場規模が2050年時点で世界最大50兆円と推計され、様々な適応課題の解決に貢献する製品や技術の需要が増すと共に、ソリューションを有する日本企業にとって、事業機会が形成されています。

既存の事例や知見・情報を活用しながら適応策を通じた海外での事業展開を検討していくことが考えられます。

国内外での事業活動について気候変動がどのように影響するか検討したいのですが、影響予測や評価に役立つ情報やツールはありますか。

A-PLATの「事業者の適応」に掲載している、環境省が作成した「民間企業の気候変動適応ガイド」では、気候変動の事業活動への影響と適応取組の基本的な進め方や民間企業が適応に取組むメリットなどを、「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ」では、気候関連リスク・機会を経営戦略に織り込むシナリオ分析の具体的な推進方法や実践のポイントなどを紹介しています。

上記に加え「事業者の適応に関する参考資料」には、気候変動が事業活動にどのような影響を及ぼすかを紹介する国内外の文献を掲載していますので、ご参照ください。

「影響評価情報」では、国内外の気候変動リスクに関する各種影響評価ツールを紹介しています。国内や世界の影響評価情報をWeb-GIS上で確認することができ、また、事業の水リスク評価に利用されている公開ツールも参照できます。

国立環境研究所では事業者向けのイベントを実施していますか。また、A-PLATには事業者の適応に関するイベント情報も掲載されていますか。
国立環境研究所では、定期的に事業者の適応に関するシンポジウムやワークショップを実施しています。企業の適応に関連する情報提供や、適応に取り組む企業の事例の紹介等を行っています。下記URLでは、イベント実施の案内を行うとともに、過去のイベントの資料を確認することができます。また、自治体や省庁も事業者の適応に関連するイベントを実施しています。それらについてもA-PLATのイベント一覧に掲載されているものがありますので、ご確認ください。

個人の適応について

個人が取り組める適応には、どのようなものがありますか。
熱中症対策として夏季にはこまめに水分・塩分補給を行うことや、大雨の時の避難の方法を事前に考えておくことなど、身近なところにも取り組めることがあります。また、個人に影響するような気候変動影響にはどのようなものがあるかを学びその対策を検討すること自体も適応であると言えます。
A-PLATでは、私たちにできる身近な気候変動適応や適応7分野ごとのおすすめコンテンツ、日本で起きている気候変動影響や適応についての学習用のコンテンツ、ひとりひとりが見つけた身のまわりの情報を写真や文章などでより多くの人たちに伝えているサイト等を紹介しています。
個人は気候変動を少しでも防ぐために温室効果ガスの排出抑制を行う緩和と、起こってしまった気候変動による被害を抑止するための適応、どちらを行うべきですか。
緩和は気候変動の原因物質である温室効果ガス排出を抑制することであり、最優先で取り組む必要があります。そして、緩和を実施しても避けられない気候変動影響に対して自然や人間社会のあり方を調整していくのが、適応です。
最大限の排出削減努力(緩和策)を行っても、過去に排出した温室効果ガスの大気中への蓄積があり、ある程度の気候変動影響は避けられず、適応に取り組む必要があります。一方、適応によってすべての気候変動の影響を和らげることもできません。つまり、できる限りの緩和の努力を行った上で、それでも生じる影響に対して適応する、両方の取組が必要です。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために「新しい生活様式」に取り組む際に、熱中症予防の観点で気をつけるべきことはありますか。

新型コロナウイルス感染防止の3つの基本である①身体的距離の確保、②マスクの着用、③手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の「新しい生活様式」が求められています。このような「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントは以下のとおりとされています。暑さを避けるためにエアコンを利用する等の際に、感染症予防のため、換気扇や窓開放によって換気を確保しつつ、エアコンの温度設定をこまめに調整することや、屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合には、マスクをはずすことが推奨されています。

  1. 暑さを避けましょう
  2. 適宜マスクをはずしましょう
  3. こまめに水分補給しましょう
  4. 日頃から健康管理をしましょう
  5. 暑さに備えた体作りをしましょう

(2021年5月25日 最終更新)

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