2021年3月現在、気候変動適応に関連して3つのISO規格(ISO 14090、ISO 14091、ISO/TS 14092)が公表されています。
ISO 14090(Adaptation to climate change — Principles, requirements and guidelines:気候変動適応-原則、要求事項及び指針)は、3つの規格のうちで初めに公表されたもので、気候変動適応に取り組む際の原則や要求事項、指針を示したものです。対象とするユーザーを限定せず、気候変動に取り組むにあたっての必要事項や留意点の全体像を伝えています。
ISO 14091(Adaptation to climate change — Guidelines on vulnerability, impacts and risk assessment:気候変動適応-脆弱性、影響及びリスク評価)は、気候変動適応の取組みにおいて、脆弱性や影響を踏まえた気候変動リスクの評価の進め方に焦点を当て示したものです。気候変動リスクの評価の際の手法やそのための必要事項を伝えています。
ISO/TS 14092(Adaptation to climate change — Requirements and guidance on adaptation planning for local governments and communities:気候変動適応-地方自治体や地域社会を含む組織のための適応計画の要求事項と指針)は、地方自治体や地域社会が適応計画を策定する際のガイダンスを提供しています。策定チームの立上げ、現状の評価、計画策定、計画の実行と進捗管理の4つのステップとそれらをPDCAとして繰り返していく際の必要事項を伝えています。
ISO 14093(Mechanism for financing local adaptation to climate change:地域での気候変動適応のための資金調達メカニズム)は、地域での気候変動適応とレジリエンス向上を支援するために、地方自治体において気候資金を活用しようとする際の国や自治体、資金提供者、企業、金融機関、国際機関などにおける必要事項を伝えています。
これらの規格の開発には国立環境研究所の研究者も参画しています。またこれらの規格は、英語等の言語で書かれPDFファイルの形で、ISOの公式ホームページにて購入することができます。