気候変動適応に資する各種予測等システムの開発
株式会社気象工学研究所
業種:学術研究、専門・技術サービス業
掲載日 | 2023年10月5日 |
適応分野 | 自然災害・沿岸域 / 国民生活・都市生活 |
会社概要
株式会社気象工学研究所は、社会が求める雨、風、気温、雪、雷、花粉、異常・突発気象事象といった気象関連のニーズに対応するため、サイエンスとしての気象学と観測・データ処理・モデル化といった工学的プロセスを融合させた新たな研究・技術開発分野「気象工学」を通じて社会の安全・安心に貢献することを目的に2004年に設立された。
気候変動による影響
昨今、局所的な集中豪雨が全国的に多発しており、地域に多大な被害をもたらしている。国や地方自治体の関係機関においては、河川流域などへの避難勧告の発令やダムの操作・運用を行うにあたり、適切な判断に寄与する、精度の高い降雨予測等の気象情報のニーズが高まっている状況にある。
適応に関する取り組み
気象工学研究所は、気候変動適応に資する気象工学や気象情報に関する各種サービスを提供している。以下にその事例を紹介する。
■「PAWRを活用した局地豪雨予測システム」(図1)
PAWR(Phased Array Weather Radar)により超高解像度の時空間降雨分布情報(30秒更新 水平解像度:100m 仰角数:100)を活用することにより降水セルの3次元移動予測が可能となることに着目し、近年多発している局地的豪雨を予測する手法。30秒更新で30分先までの降雨予測を行う。
■落雷予測システム「カミナール」(図2)
関西電力に蓄積された豊富な落雷データと最新の気象データを基に、落雷可能性を確率で予測する。予測情報はWebで提供されるため、ユーザーはパソコン等でこれを閲覧することができる。
■一斉連絡・安否確認システム「アンピス」(図3)
携帯電話・Webを活用し、気象情報と自動連携した本システムは、災害発生時に、関係者への一斉連絡と安否確認を可能とする。 その他、京都大学防災研究所で開発されたリアルタイム気象予測&表示システムをカスタマイズしたものとして、新気温予測システム「テンポロン」、日射量予測システム「ソラリオン」、熱中症予測システム「サーミアン」、風向風速予測システム「ウィンドン」が展開されている。
効果/期待される効果等
気象工学の立場から、防災・減災のためのリアルタイムのリスク管理情報、また、スポーツ・ 観光・買物などに密着した生活・健康情報などを、動くインフラ情報としてきめ細かく提供することで、 地域社会や住民の安全・安心の確保に貢献している。
出典・関連情報