気候変動リスク産官学連携ネットワーク
気候変動リスク産官学連携ネットワーク設置について
背景・目的
気候変動による影響は既に様々な形で生じており、将来の気候変動影響を把握して対処する気候変動適応の取組の必要性が認識されつつあります。また、影響から生じる新たな市場ニーズに対応する新規事業創出への期待も高まっています。
2017年6月金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終報告書の公開以降、気候関連リスクや機会に関する情報開示の取組が急速に広がり、企業は脱炭素社会への移行に伴う「移行リスク」のみならず気候変動の影響による「物理的リスク」に関するシナリオ分析が求められています。さらに2018年12月の気候変動適応法の施行により、地方公共団体や企業における気候変動適応の取組が急速に広がってきており、これらの動きに呼応するように、気候変動影響評価やシナリオ分析を支援する企業の取組も活発になりつつあります。
環境省、文部科学省、国土交通省、金融庁及び国立環境研究所では、気候予測及び気候変動影響予測情報の活用や気候変動適応の促進を目指し、主に気候変動及び影響の予測やTCFD 等のコンサルティングサービスを行っている企業との意見交換・協働の場として「気候変動リスク産官学連携ネットワーク」を設置しております。本ネットワークの継続的な活動を通じて、情報基盤の充実を図るとともに、信頼性の高い気候変動リスク情報の活用を促進していきたいと考えております。
主催:環境省、文部科学省、国土交通省、金融庁、国立環境研究所
開催概要
- 会員機関:気候変動リスク情報(主に物理リスク)を活用しコンサルティングサービス等を提供している企業(気候変動影響予測、TCFD 等の情報開示及び対策支援、各種保険等を通じた気候変動リスクマネジメント、気候リスクの発信や適応策導入に係る支援など)
- 活動内容:
- ① 気候変動リスク産官学のネットワーク会合
- 2回程度/年
- 気候変動リスクに関する最新動向について情報共有、 ネットワーク活動に関する意見交換 等
- ② 参加企業向け勉強会、セミナーの開催
- 1回程度/1-2ヶ月
- 参加企業のニーズや最新動向に関するテーマの開催
- ③ 分科会・共同研究活動
- 特定の分野を対象としたシナリオ分析手法の検討や、TCFDに必要な情報提供のあり方等に関する議論
- 共同研究に向けた検討 等
- ④ メーリングリストを通じた情報共有
- 本活動に関連するイベント情報、最新の気候シナリオや気候変動影響予測に関する最新情報の共有
- 参加企業のイベント情報の共有 等
- ① 気候変動リスク産官学のネットワーク会合
設置要綱 (令和3年9月14日発行、令和4年9月27日改訂)
気候変動リスク産官学連携ネットワーク設置要綱は、こちらをご確認ください。
勉強会・セミナーの開催実績
【2024年度】
開催日 | テーマ | 概要 | 講師 | 資料 |
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1月24日 | ”気候変動適応”に向けた未来社会デザインと事業創造プラットフォーム | 産官学連携ネットワーク加入企業二社から気候変動適応に関連するプロジェクトや取組等についての紹介 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 イノベーション&インキュベーション部 プリンシパル / ストラテジック・フューチャリスト 東海国立大学機構名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授 木下祐輔 氏 |
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気候変動適応の実現に向け気候リスク分析/洪水予報ソリューションを提供- 取り組み事例紹介 - | 株式会社Gaia Vision 代表取締役 北祐樹 氏 共同創業者 出本哲 氏 |
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9月20日 | 「協働防護」による港湾の気候変動適応 | 本年3月に公表された「協働防護」による港湾の気候変動適応~「港湾における気候変動適応策の実装方針」について解説 | 国土交通省 港湾局海岸・防災課 海岸・防災企画調整官 小山真人 氏 |
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6月21日 | グリーンボンド等のグリーンファイナンス市場のトレンドと環境省の施策 | 適応プロジェクトを含めたグリーンボンドやローンによる市場における資金調達の動向、グリーンリスト改定の適応部分、民間資金分野に期待すること等について解説 | 環境省 環境経済課環境金融推進室 室長補佐 水野紗也 氏 |
資料 |
【2023年度】
開催日 | テーマ | 概要 | 講師 | 資料 |
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3月15日 | 企業の自然資本への取組みに向けて | ネイチャーポジティブ経済移行戦略などの国の最新動向、自然資本に関連する地域と企業の連携などについて解説 | 環境省 自然環境局 生物多様性主流化室 遠矢駿一郎 氏 |
資料 |
国立研究開発法人国立環境研究所 気候変動適応センター 副センター長 西廣淳 氏 |
資料 | |||
9月15日 | NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)について | NGFSの概要および取組み、NGFSシナリオの特徴などについて解説 | 日本銀行 金融機構局国際課 企画役 竹山梓 氏 |
資料 |
6月29日 | 「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」の解説 | 2023年3月29日に国土交通省から公表された本手引きの概要について解説 | 国土交通省水管理・国土保全局河川計画課 課長補佐 白井宏明 氏 |
資料 |
5月10日 | 気候予測データセット2022について | 気候予測データセット2022の概要およびデータセット使用に関する留意点等について解説 | 文部科学省 研究開発局環境エネルギー課 環境科学技術推進官 久芳全晴 氏 |
資料 |
【2022年度】
開催日 | テーマ | 概要 | 講師 | 資料 |
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1月17日 | サステナブルファイナンス・セミナー | 金融庁におけるサステナブルファイナンスの推進のための取組についての紹介。 | 金融庁総合政策局総合政策課 サステナブルファイナンス推進室 室長 西田勇樹 氏 |
資料 |
金融庁総合政策局リスク分析総括課情報・分析監理官兼チーム・データ・オフィサー 村木圭 氏 |
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11月18日 | 農業関係データセミナー | 影響評価・適応に関する最新動向や農業関係予測データ(将来予測データ、農研機構気候シナリオデータ)ついての紹介。 | 農研機構 農業環境研究部門 気候変動適応策研究領域作物影響評価・ 適応グループ グループ長 長谷川利拡 氏 |
資料 |
11月1日 | COP27直前セミナー | COP27を直前に控えて、その展望や関連する我が国の取組を紹介したうえで、適応ビジネスにおける官民連携の可能性について議論した。 | 環境省地球環境局総務課気候変動適応室 室長補佐 吉田優子 氏 |
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地球環境戦略研究機構(IGES) 適応と水環境領域研究員 椎葉渚 氏 |
資料 | |||
国立環境研究所 気候変動適応センター アジア太平洋気候変動適応研究室 室長 増冨祐司 氏 |
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地球環境戦略研究機構(IGES) バンコク地域センター プログラムディレクター 久山哲雄 氏 |
資料 | |||
国土交通省水管理・ 国土保全局河川計画課国際室 国際河川技術調整官 時岡利和 氏 |
資料 | |||
内閣官房水循環政策本部事務局 主査 榮智樹 氏 |
資料 | |||
国立環境研究所 気候変動適応センター 副センター長 吉川圭子 氏 |
資料 | |||
6月3日 | d4PDFセミナー | d4PDFシリーズについて、概要(特徴、背景、設計、データの扱い方等)、解析結果(気候要素、風水害等への応用)、事業での活用例(社会実装例、研究例)、今後の課題・構想を紹介。 | 京都大学 防災研究所 副所長・教授 森 信人 氏 |
資料 |
4月8日 | 水害リスク情報セミナー | 国土交通省が進める水害リスク情報の充実化に向けた取組(浸水想定区域図の空白域を解消するための取組や水害リスクマップ(浸水頻度図)の整備)についての紹介。 | 国土交通省 | - |
「協力」したイベントの開催
【2023年度】
開催日 | テーマ | 概要 | 講師 | 資料 |
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12月15日 | 第4回気候変動予測・影響評価ユーザーワークショップ | 気候変動予測情報を利用した影響評価および適応策策定について、社会的・実務的なニーズが進みつつあり、風水害や水資源について、気候変動の影響を定量化して、技術的な評価まで落とし込む事が必要とされています。気候変動予測情報の工学的活用について、技術的な議論の場を設け、共通の認識や課題を共有し、今後の技術レベル向上につなげるため、実務者を主眼にユーザーワークショップを開催します。 | 京都大学防災研究所 副所長・教授 森信人 氏 他 |
講演動画 先端プロ領域課題4 |
【2022年度】
開催日 | テーマ | 概要 | 講師 | 資料 |
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1月25日 | 第2回気候変動予測・影響評価ユーザーワークショップ | 気候変動予測情報を利用した影響評価および適応策策定について、社会的,実務的なニーズが急速に進みつつあります。そこで、技術的業務に関わる企業等を対象に、気候変動予測情報を利活用する技術情報のオープン化、参加者間の情報交換を目的に開催します。 | 京都大学防災研究所 副所長・教授 森信人 氏 他 |
資料 講演動画 先端プロ領域課題4 |
入会案内
入会をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。
(最終更新日:2025年1月28日)