デング熱対策 蚊から肌を守る「ビオレガード モスブロックセラム」

花王株式会社

業種:製造業

掲載日 2024年5月13日
適応分野 健康 / 産業・経済活動

会社概要

花王株式会社は、「ハイジーン&リビングケア」「ヘルス&ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」「ケミカル事業」の5つの事業分野で、生活者に向けたコンシューマープロダクツ事業を展開している。「ケミカル」事業においては、産業界のニーズにきめ細かく対応した製品を幅広く展開している。これらの事業活動を通じて、持続可能で豊かな共生世界の実現に貢献していく。

気候変動による影響

近年、地球温暖化の影響で蚊の生育できるエリアが拡大している。蚊は、デング熱(注1)やマラリア(注2)などの重篤な感染症を媒介することで、世界で最もヒトを殺している生き物である。中でも蚊が媒介する感染症のひとつであるデング熱は、東南アジアなどにおいて長年の社会問題であり、さらに世界でも感染者が増えており、多くの人々に深刻な被害をもたらしている。

適応に関する取り組み

当社は、肌の表面を蚊が嫌がる状態にすることで、蚊を肌に止まらせず、刺されなくする技術を開発した。この技術を応用した商品「ビオレガード モスブロックセラム」(図1)を2022年6月にタイで発売し、2022年の「日経優秀製品・サービス賞最優秀賞」を受賞した。

この商品は、肌上に低粘度のシリコーンオイルを塗布すると、蚊が肌にとどまらず、吸血を阻害できるという技術を応用している(図2)。この仕組みは、従来の忌避剤(虫よけ)とは異なり、蚊の脚がもつ微細な構造に着目していることが特徴で、新しい着眼点による蚊よけ技術である。 また当社は、「ビオレガード モスブロックセラム」の発売と合わせ、蚊から未来のいのちを守る「GUARD OUR FUTUREプロジェクト」(図3)を発足し、タイにおいては、保健省や地域コミュニティ、大学などと協力し、さまざまな取り組みを進めている。プロジェクトではタイ、ひいては東南アジアを中心とした地域において、デング熱に関する啓発活動や実証実験、研究活動などを包括的に進めていく。

効果/期待される効果等

「ビオレガード モスブロックセラム」は、蚊の吸血から肌を守ることができ、蚊を媒介とする感染症から人々を守ることに貢献することができる。また、強いにおいやべたつきがなく、ボディローションのように心地よく安心して使えると、高い評価を得ている。

ビオレガード モスブロックセラム
図1 ビオレガード モスブロックセラム
各種液体を塗布した肌に対する蚊の吸血率
図2 各種液体を塗布した肌に対する蚊の吸血率
「GUARD OUR FUTUREプロジェクト」シンボルマーク
図3 「GUARD OUR FUTUREプロジェクト」シンボルマーク

脚注
(注1) デング熱:蚊に刺されることによって感染する疾患。急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られ、デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症し、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがある。(出典:厚生労働省ウェブページ「蚊媒介感染症」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164483.html)
(注2) マラリア:蚊がマラリア原虫を媒介することで感染する疾患。発熱のほか、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などがみられるが、腹部症状(悪心・嘔吐、下痢、腹痛)や、呼吸器症状がめだつ。100カ国余りで流行しており、世界保健機構(WHO)の推計によると、年間2億 人以上の罹患者と200万人の死亡者がある。(出典:国立感染症研究所「マラリアとは」https://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/51)9-malaria.html)

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