気象・災害データ×AIによる防災減災支援システム「防災ダッシュボード」

三井住友海上火災保険株式会社

業種:金融業、保険業

掲載日2024年9月30日
適応分野産業・経済活動

会社概要

三井住友海上火災保険株式会社は、MS&ADインシュアランス グループの中核事業である損害保険事業を担う会社である。三井グループ、住友グループを中心とした幅広いパートナーシップをベースに、あらゆるニーズに応える総合力を発揮し、グローバルな保険・金融サービス事業を展開している。

気候変動による影響

地球温暖化の影響を受け、大雨や台風などによる自然災害の激甚化が課題となっている。こうした災害リスクの増加は社会のサステナビリティだけでなく、保険会社としてのサステナビリティを脅かす可能性がある。

適応に関する取り組み

当社は、災害による被害への補償を提供するという保険本来の機能に加え、事故・災害を“未然に防ぐ”機能、“回復”を支援する機能を合わせるなど、地域社会の防災・減災をテーマに、自治体と一体となってDXを推進し付加価値の高いサービスを提供している。そのうちの一つである「防災ダッシュボード」は、「損保データ×AIによる新たな防災減災支援サービス」をコンセプトに、気象・災害に関する様々なデータを一元的に可視化することで災害時の情報収集を効率化し、ソフト面での適応行動を支援する自治体向けWEBサービスである(図1)。

以下に、「防災ダッシュボード」が有する機能を紹介する。

① 様々な気象・災害データから必要な情報のみを一元管理する。

  • クラウド上に様々な防災・気象データを集約
  • 重ね合わせ可能な自由度の高いマッピング機能により、一元的に情報収集が可能(図2)

➁ 過去災害時のデータを有効活用し、次に備える。

  • 過去の災害時の様々なデータを防災ダッシュボード機能上で再表示することが可能
  • 気象・人流・SNS・事故データを組み合わせ、災害時の動きの振り返りが可能

➂ 的確かつ早めにリスクを把握し、住民の安全を守る。

  • 水害予測研究を世界第一線でリードする東京大学・JAXAの「Todays’ Earth」グループと産学連携
  • 従来より早くリスク情報を入手することで、夜間の避難指示等に備えることが可能

➃ 発災後の被害状況を迅速に・俯瞰的に把握する。

  • 地震や洪水による被害規模を、AIなどの最新技術による独自アルゴリズムにて迅速に推定
  • 地震は発災約1時間後、洪水は発災約1~3日後に、推定結果が防災ダッシュボード上に自動で可視化

効果/期待される効果等

「防災ダッシュボード」の提供を通じて、災害リスクのリアルタイム気象データ、発災後の被害推定データ、事前災害予測データなどの先端的な災害関連データを分かりやすくダッシュボード上に可視化することで、災害リスクが高まっている中での的確な情報収集や分析を可能とし、住民の生命や財産を守るための地域社会における防災・減災対策を支援する。
今後は、産学連携や民間各社とのアライアンスによる独自の災害予測データ(洪水害・土砂災害・内水氾濫)を社会実装することで、従来には実行できなかった防災・減災行動を支援することを目指している。

防災ダッシュボードイメージ図
図1 防災ダッシュボードイメージ図
防災ダッシュボードの画面イメージ(図は降水量・河川水位観測所の重ね合わせ)
図2 防災ダッシュボードの画面イメージ(図は降水量・河川水位観測所の重ね合わせ)
自社関連サイト

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