浅埋で熱交換効率の高い地中熱交換器
三井化学産資株式会社
掲載日 | 2020年4月13日 |
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適応分野 | 国民生活・都市生活 |
会社概要
三井化学産資は、くらしを支えるインフラ・土木建築事業に優れた工法・システム・サービスを提供し、これらのために安定かつ高性能の産業資材を開発・生産・販売する企業である。
気候変動による影響
ヒートアイランド現象や地球温暖化により、熱中症による健康被害の発生や、感染症を媒体する生物の越冬の可能性の高まりが問題となっている。また、夏季の冷房使用量増加に伴う電力使用増加による電力使用ピーク時の電力不足が懸念される。
適応に関する取り組み
「地中熱交換器」は、地中熱ヒートポンプ(注1)で冷暖房に必要な熱源を地中から採取するものである。空気熱源ヒートポンプ(注2)から地中熱ヒートポンプに置き換えることにより、温排気の大気中への放出が無くなるため、ヒートアイランド現象の軽減にも繋がる。地中の深さ10m以深の温度は、季節によらず安定しており、夏は外気温より冷たく、冬は外気温より暖かい性質を有している。このため、そのエネルギー(温度差)を利用し、冷暖房時の電力使用増加を防ぐ。
従来の地中熱交換機は100m程度の掘さくが必要であったが、三井化学産資の地中熱交換器「Geo-Mex R3®」は30mの浅埋での施工が可能である(図1)。 30mの浅埋での施工を実現させることにより、従来の井戸掘さく用機械での掘さくを可能とし、施工期間の短縮、掘さく費用の低減に貢献する(図2)。
地中熱ヒートポンプシステムは導入コストが空気熱源システムよりも高い為、採用が敬遠されるケースがあるが、「Geo-Mex R3®」により、地中熱ヒートポンプシステムの採用促進が期待される。
(注1) 屋外の空気よりも温度差が低い地中の熱を熱源とし、冷暖房時に発生した熱も地中に還すことにより、大気中に放熱することをしない。
(注2) 屋外の空気を熱源としており、ヒートポンプより外気を取り込み、放熱することにより 冷暖房のエネルギーを作っている。
効果/期待される効果等
一般的な空気熱源ヒートポンプから地中熱ヒートポンプに置き換えることにより、ヒートアイランド現象の軽減に貢献するため、ヒートアイランド現象に伴う問題の軽減に寄与することが期待される。また、夏季の電力使用増加を軽減する。