自治体との連携協定を活かした熱中症対策

大塚製薬株式会社

業種:製造業(化学工業 / 医薬品製造業)
掲載日 2021年3月17日
適応分野 健康

会社概要

大塚製薬株式会社ロゴ

1964年に設立された大塚製薬は、世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造するという「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」の企業理念のもと、人々の健康を身体全体で考え、疾病の治癒から日々の健康増進までを目指した「医療関連事業」と「ニュートラシューティカルズ関連事業」の両輪で、トータルヘルスケアカンパニーとして事業展開を行っている。

気候変動による影響

1980年代からスポーツ活動における熱中症事故が問題となってきた。また、地球温暖化や都市化によってヒートアイランド現象が起こるなど暑い夏が多くなるとともに、屋外の労働現場での熱中症や日常生活での高齢者の熱中症死亡事故が増加し、社会問題として大きくクローズアップされている。今後、地球温暖化の進行と人口の高齢化とともに、熱中症の問題はさらに深刻になると考えられる。

適応に関する取り組み

大塚製薬は、1991年日本体育協会(当時)に「スポーツ活動における熱中症事故予防に関する研究班」が設置されたことを契機に、熱中症を知って防ぐ活動への協力を始めた。

「熱中症」は適切な予防措置さえ講ずれば防ぐことができるものであり、学校や企業に対し個別の啓発活動も行う一方で、広く生活者の方へ情報を発信していくために、自治体と連携・協働し全国で啓発活動を行っている。(※)

活動の一環として、自治体と熱中症対策を啓発する独自のポスターを作成し(図1)、学校や保健所、行政機関、スポーツ施設、スーパー・ドラッグストアの店頭等に掲示。生活者が普段目にする身近なところから熱中症に対する注意喚起を行っている。

また、自治体と協働で、地域の人々に熱中症の情報を届ける体制づくりの構築を進めている。例えば、熱中症対策アドバイザーの資格取得機会を学校保健師や部活動関係の教諭に提供。資格取得教諭と保健委員の生徒たち自らが学内で熱中症対策の啓発活動を行えるよう支援を行っている。学校内の校内放送や「保健だより」を活用して積極提供に情報提供できるように、校内放送用のCD音源や、教育現場で活用できる動画等コンテンツを教育委員会を通じ提供するなどの取り組みも行った。

今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出の自粛・自宅内にとどまる生活が長引いたため、体が暑さに慣れていないまま夏を迎えることで起こる「巣ごもり熱中症」の危険があったことから、特に高齢者に対し積極的な情報提供を行った。さらに、自治体を通じて地域包括支援センターと協働し、職員を対象とした勉強会を実施。自治体連携ポスターの掲示や在宅訪問時の情報提供にも取り組んだ。

(※)2019年までに全国47都道府県、その他市区町村とも順次連携協定を締結。「熱中症対策」「災害支援」「食育」「生活習慣病予防」など、生活者の健康維持・増進をはかるため、各自治体と大塚製薬とで健康課題の解決に向け、協働で取り組みを行っている。

効果/期待される効果等

学校における啓発の取組は、教育委員会を通じた案内の拡大により実施校数が増えている。熱中症対策の啓発CDはこれまで約4000枚が小・中学校と高等学校に配布され、活用されている。

高齢者に対しては、「巣ごもり熱中症」の啓発チラシを自治体から地域包括支援センターを通じて、100万枚配布(図2)。ケアマネジャー、保健師、社会福祉士への情報提供が行われ、さらなる新たな情報拡散ルートの確立を目指している。

図1 自治体連携ポスター
図2 「巣ごもり熱中症」情報の提供

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