熱中症の予防に役立つ「快適ウォッチ」
新コスモス電機株式会社
掲載日 | 2021年9月1日 |
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適応分野 | 健康 |
会社概要
新コスモス電機株式会社は設立以来、独自のガスセンサ技術を用いて家庭用ガス警報器、工業用定置式ガス検知警報器、携帯用ガス検知器、さらにはニオイセンサとその応用商品を開発しており、家庭から幅広い産業の分野で安全・安心・快適のために使われている。
さらに近年では、ガス警報器で培ったノウハウを活かした一酸化炭素検知機能付きの住宅用火災警報器やIoTを活用したガス警報器やガス検知器に加え、二酸化炭素を検知してコロナ禍の三密対策に役立つ機器の販売など新たな領域へも展開している。
気候変動による影響
近年、地球温暖化による気温上昇に伴い、熱中症による救急搬送者数や死者数が増加している。消防庁の「平成30年度の熱中症による救急搬送状況」によると、熱中症の約4割が住居で発生しており、その約半数が65歳以上の高齢者である。
新コスモス電機では、台所の同じ場所で24時間監視を続けるガス警報器の特長を活かした新しい商品の開発が求められており、熱中症に着目した。
適応に関する取り組み
新コスモス電機は、「快適ウォッチ」の愛称で、熱中症と乾燥をおしらせするこれまでにない新しい機能を搭載した家庭用都市ガス警報器、LPガス警報器、一酸化炭素(CO)検知機能付きの住宅用火災警報を開発し、発売をしている(図1)。
「快適ウォッチ」は、夏は温度と湿度から「暑さ指数(WBGT)」を算出し、熱中症の危険のある状態になるとランプと音声で知らせる仕組みとなっている。また、冬は季節性インフルエンザの流行に関与する絶対湿度と温度を監視し、ウイルスが生存しやすい乾燥した環境になると知らせる仕組みとなっている(図2)。
さらに、昨今急速にガス警報器のIoT化が進んでおり、インターネットとつなげることで新たなサービスを付加された家庭用ガス警報器が次々と誕生している。例えば、「快適ウォッチSMART」はガス漏れ・CO検知に加え、付属のコネクトセンサーを使うことで温湿度やドアの開閉をスマホに通知し、簡易セキュリティ、生活見守り、家族の帰宅確認など様々な場面で役立てられている。また大阪ガスより発売中の「スマぴこ」は、人感センサにより人が近づいたらしゃべるという特徴的な機能を持つガス警報器で、インターネットと接続し居住地域の天気予報や災害情報の提供、熱中症の注意喚起をする機能を有する。都市ガス警報器としては、日本で初めて行政(大阪市、大阪府警察)との連携も実現した。
効果/期待される効果等
従来のガス漏れや一酸化炭素、火災をおしらせする機能に加え、熱中症等の危険性を知らせる新たな機能を搭載した警報器は、生活の役に立ち、身近に感じてもらえる存在となる。IoTを活用することで家庭用ガス警報器の可能性は大きく広がっており、生活環境をより快適にするサービスを提供するための中心的なハードウェアへと進化させ、さらなる安全・安心・快適な暮らしに寄与していくと期待される。