ネットワークカメラを活用した自然災害の被害の未然防止
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
掲載日 | 2021年9月7日 |
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適応分野 | 自然災害・沿岸域 |
会社概要

キヤノングループは、グローバル企業として世界中で幅広い事業を展開している。その一員として、日本国内を中心にマーケティング活動やソリューション提案を担っているのが、キヤノンマーケティングジャパンである。イメージング分野におけるキヤノンの開発力と幅広い製品群、ITの技術力など、さまざまな強みを生かし、お客さまとの共創により社会課題の解決に貢献する。
気候変動による影響
洪水や台風、津波、地震等、世界各地で記録的な自然災害が続発している。日本でも、近年の異常気象により、記録的な降雨による河川や用水路の氾濫の続出や、土砂災害による甚大な被害が生じている。このような自然災害に対して、人的被害を最小限に抑え、人々の安全確保を強化するため、河川等の監視や危険の予見が注目されている。
適応に関する取り組み
ネットワークカメラはインターネットなどのネットワークに接続し、遠隔地からの操作や、リアルタイムでの映像確認ができるカメラであり(図1)、キヤノンでは2013年からこの本格的な事業展開を開始している。
キヤノンマーケティングジャパンは、ネットワークカメラを活用し、「何があったのか」を記録するだけではなく、「なぜそれが起こったのか」「起こる前に予防する」という、自然災害による被害の未然防止に貢献する映像ソリューションを提案している。
その1つが、監視カメラによる河川のリアルタイム監視である。各所に取り付けられた高解像度カメラと水位センサーとの連携により河川や用水路の様子をモニタリングし、あらかじめ設定した危険水位に達した際には、携帯電話の通信網を活用し、アラーム通知が送られる仕組みになっている(図2)。
また、高解像度カメラと水分量センサーの連携を通じて、土砂災害の危険性を「見える化」するシステムも提案している。これは、土砂に水分が入っていく過程で変化していく土の性質に着目し、土砂の水分量から崩壊の予兆を検知するものであり、災害発生前に住民などへの連絡を可能にし、スピーディーな避難、安全確保の実現に貢献する。
効果/期待される効果等
ネットワークカメラは電源やネットワーク環境が無くても太陽光パネルと携帯電話の通信網があればすぐに運用が可能であるため、より多くの箇所に設置でき、危険度検知の制度を向上させることができると期待されている。

