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次世代閉鎖型牛舎システムの開発

パナソニック環境エンジニアリング株式会社

業種:建設業
掲載日 2021年10月8日
適応分野 農林水産業

会社概要

パナソニック環境エンジニアリング株式会社ロゴ

パナソニックグループは、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、生産・販売・サービス活動を展開している。
そのうちの1つ、パナソニック環境エンジニアリング株式会社は、「地球にやさしい」と「人がうれしい」を技術でひとつに。
この経営スローガンを掲げ、パナソニックグループで培った、さまざまな環境浄化技術やエネルギー技術を活用して、お客様の事業・産業発展と持続可能な環境資源の保全に取り組んでいる。

気候変動による影響

畜産業界が直面している課題の中でも、乳用牛は暑熱ストレスに弱く、酪農経営では夏期の暑熱ストレスによる搾乳量減少は大きな課題である。暑熱ストレスは搾乳量の減少だけでなく、受胎率の低下や廃用牛の増加など酪農経営全般に大きな悪影響を与えている。近年の気候変動により夏期の酷暑が続いており、酪農経営者にとっては更に深刻な問題となっている。また、現在一般的に採用されている牛舎は、外部との間に壁のない開放型と呼ばれている形態が主流だが、開口部は多いものの、天井に設置したファンの届かない部分では空気が滞留し、温度ムラや臭気が滞留するうえ、開口部が多いため野鳥や吸血昆虫が侵入して伝染病を媒介する可能性もある。

適応に関する取り組み

上記の課題を解決するために、パナソニックは、「次世代閉鎖型牛舎」を開発した。この牛舎の特徴として、①ウィンドレス(閉鎖型)②横断換気③THI(温湿度指数、注1)制御が挙げられる。
具体的には、周囲を壁で覆うことで牛舎内を閉鎖空間とし(①)、建物の長手方向である桁両側の壁面にプッシュ(給気)&プル(排気)用スマートファン(換気扇)を配置し、短距離による横断換気を行うことで牛舎内の温度上昇を抑え、常に一定の風を舎内に送ることを可能とした(②)。そして、牛舎内の温度・湿度・風速を計測し、THIを基準にファンの風速を自動制御し、乳牛に快適な舎内一定風速を保つことで体感温度低減を可能とした(③)。また、夏期の高温時にはミストによる気化熱も併用して、牛の体感温度を下げている(図1)。
次世代閉鎖型牛舎と併せ、個体別行動検知システムとして、牛の位置を把握するためのカメラの設置を提案している。牛の居場所を検知することにより、局所的に環境の制御が可能となり、夏期の暑熱ストレスを軽減することが可能である。

効果/期待される効果等

静岡県の宮島牧場では、パナソニックがシミュレーションを行い、スマートファンの設置台数や配置を決定し、2014年7月末から次世代閉鎖型牛舎を稼働した。その結果、夏場も搾乳量が落ち込まずに安定した出荷量が確保できたうえ、受胎率も大きく改善され、分娩の事故も少なくなり、目に見えて子宮の回復も早く感じるとの評価があった。
また、栃木県の農場、有限会社グリーンハートティーアンドケイでは、牛舎内の牛の位置を検知し、舎内の環境を部分的に制御した結果、夏期の暑熱ストレスが軽減され、搾乳量が増加した(図2、3)。

次世代閉鎖型牛舎のしくみイメージ図
図1 次世代閉鎖型牛舎のしくみ
牛群位置検知の写真
図2 牛群位置検知
牛群位置検知位置情報
図3 牛群位置検知位置情報

脚注
(注1)THIとは、Temperature Humidity Indexの略で、牛舎内の温度と湿度の相関指数をいう。

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