脚注
(注1)CaMa-Flood:グローバル河川流体力学モデル
(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/~yamadai/cama-flood/)
(注2)東京大学生産技術研究所HP 【記者発表】広域洪水ハザードマップの主な誤差要因を特定~河川に流入する水量データの誤差低減が精度向上の鍵~
(https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3522/)
気候ビッグデータを用いた洪水リスク評価、TCFD対応支援
株式会社Gaia Vision
掲載日 | 2022年2月10日 |
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適応分野 | 自然災害・沿岸域 |
会社概要
株式会社Gaia Visionは、最先端のサイエンスとテクノロジーにより「地球と人類社会が調和した世界」を創ることをビジョンに掲げ、気候科学を専門とする日本初のベンチャー企業として2021年9月6日に設立された。同社は、企業は地方自治体の洪水リスク評価や気候変動による物理リスク評価、気候変動の影響評価についての研究開発などを実施している。
気候変動による影響
気候変動の進行により、世界各地で異常気象や気象災害が頻発しており、さらに今後、台風や豪雨、猛暑や海面上昇など、様々な脅威の増加が気候科学により予測されている。これに対応するためのリスクマネジメントの観点から、投資家等から金融機関や企業に対し、気候変動の影響評価の実施と関連する情報の開示が求められている。
適応に関する取り組み
当社では、気候学・水文学に関する専門知識を有するチームが、東京大学生産技術研究所の研究成果(注1、注2)である高精度・広域・高速を誇る世界最先端の洪水シミュレーション技術と気候ビッグデータを高速に処理するデジタル技術を用いて、主に2つのサービスを展開している。
1.資産・建物の洪水リスク評価
最先端の洪水シミュレーション技術を用いて、顧客企業の建物や保有資産の洪水リスク・財務影響を分析する。日本国内だけでなく、世界中の洪水リスクが分析可能(図1)。また、過去の災害事例や将来起こりうる災害シナリオの分析を通して、顧客企業のBCP(事業継続計画)策定やサプライチェーン管理などを支援している。
2.気候変動による物理リスク評価(TCFD対応支援)
最先端の洪水シミュレーション技術と気候予測データを用いて、顧客企業の施設や保有資産に対してシナリオ分析を行い、気候変動による物理リスク・財務影響を定量的に評価することで、顧客企業のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応を支援している。
3.気候変動の影響評価についての研究開発
気候変動予測に関する高い専門性を活用して、顧客企業や自治体の要望に応じて様々なシナリオや気候指標に対する共同研究や研究開発を進めており、顧客の気候変動の物理リスクに対するレジリエンス向上を支援している。
効果/期待される効果等
当社の成果をご活用頂くことで、複雑で困難な気候変動に対し、確かな科学に基づいたデータを用い、日本国内だけでなくグローバルな洪水リスクへの対応など、気候変動への強靭な適応力を持つことが期待できる。