浸水情報をLINEでお知らせする「KAMEKER3」の開発

亀岡電子株式会社

業種:製造業
掲載日 2022年4月27日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

亀岡電子株式会社ロゴ

亀岡電子株式会社は過去30年間、大手センサメーカーの協力会社として主に工場内で使用される設備用のFAセンサを受託製造してきたが、工場以外でも安心安全な社会づくりに貢献できる商品を提供したいとの思いで、静電容量による検出技術のノウハウを活かした、「水を知る 水を知らせる」商品の開発に取り組んでいる。

気候変動による影響

近年、短時間強雨の発生回数増加や、氾濫危険水位を超過した河川数の増加など、水害発生リスクが高まる中、毎年のように日本全国で大きな水害が発生している。各自治体では危機管理型水位計や防災カメラの設置が進められているが、これらの機器の設置には多額の予算が必要なため、主要な河川等の限られた場所にのみ設置されているのが現状である。

適応に関する取り組み

当社は浸水被害の多い京都府福知山市で実施した市民へのヒアリング調査に基づき、市民のニーズに応える形で、河川ではなく冠水しやすい道路や住宅近くの水路など、住民にとってより身近な場所の浸水を知らせる「シンプルで安価なツール」として、セルラー通信式浸水検知センサ「KAMEKER3」を開発した。

内水氾濫時に早期に浸水する道路脇や住宅近くの水路脇、アンダーパス等にKAMEKER3を設置することで(図1)、住民の避難に直結する「より身近な浸水情報」を提供できる。なお、KAMEKER3は以下のような特徴を有する。

  1. 浸水を検知したいポイントにセンサを固定するだけでのシンプルな機能
  2. 危機管理型水位計の10分の1程度の低コストでの導入が可能
  3. 乾電池式、セルラー通信式なので、電源引込工事、ネットワーク配線工事などの大掛かりな工事が不要
  4. 通知は、専用アプリではなく、広く普及しているLINEを活用
  5. 浸水場所を地図上で赤く表示(浸水情報を見える化)
  6. 市販の単三電池3本、単四電池2本で2年以上稼働

ユーザーはあらかじめ、マップ上から浸水通知を受けたいセンサ(KAMEKER3)をタップすることでセンサを登録し(図2)、登録済みのKAMEKER3が浸水を検知した際に発信する浸水検知情報をLINEで受け取り(図3)、LINEメッセージに添付されているURLから「浸水アラートマップ」を開くと、浸水している地点が一目で分かるようになっている(図4)。

効果/期待される効果等

身近な場所の浸水情報を得ることで「より迅速な初動対応に繋げる」という補完的な役割での使用を想定し、予算の都合で今まで手の届かなかった場所に安価なセンサを設置することにより、人的被害や家財への被害を最小限に抑えることが期待される。

設置例:洪水時早期に冠水するエリアの道路横(地面に金属のポールを打ち込んで設置)
図1 設置例:洪水時早期に冠水するエリアの道路横(地面に金属のポールを打ち込んで設置)
浸水アラートマップ上のセンサの中から通知を受けたいセンサを選んでタップする。のイメージ
図2 浸水アラートマップ上のセンサの中から通知を受けたいセンサを選んでタップする。
LINE通知のイメージ
図3 LINE通知のイメージ
浸水アラートマップの表示
図4 浸水アラートマップの表示

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