未舗装道路の簡易な路面水排水帯「ブンサンベルト」

有限会社宮地建材店

業種:製造業 / 運輸業、郵便業
掲載日 2022年5月9日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

有限会社宮地建材店ロゴ

宮地建材店は、リサイクル砕石、生コン骨材等を営業・販売している。また、舗装もままならない林道・作業道が数多くある現状を危惧し、「ブンサンベルト」を考案・開発・販売している。

気候変動による影響

未舗装の林道・作業道などにおいて、雨水によるワダチ(車が通った跡)の洗堀(注1)によってワダチの溝が深くなり、路面水が集中流下することで路肩の決壊が発生することや、併せて排水管の閉塞が路体の崩壊を発生させること等が全国的な課題とされてきた。このような災害を防ぐためには、大雨のたびに路面の直しが必要となるが、大変な時間と費用がかかる。気候変動の進展に伴い、近年集中的な豪雨が多発するようになり、路面を維持するための簡易な対策が急務となっている。

適応に関する取り組み

当社は、地域の林道・作業道の雨による浸食を防止し、未舗装の路面の崩壊を防ぐ「ブンサンベルト」を考案後、産学連携(注2)による共同研究・試験によりその効果を検証した。
「ブンサンベルト」はゴム素材のベルトとPP素材の杭からできており(図1)、杭を使ってベルト本体を地面に固定する(図2, 3)ことで、ベルトまで流れてきた雨水を左右に適切に排水し、路面の浸食による崩壊等を防止する(図4)。

その効果を検証するため、現地試験を1年間にわたり実施(注2)したところ、未舗装路面の維持・管理に支障をもたらす降水量が発生(注3)したにもかかわらず、運搬車両のワダチの形成は確認されなかった。

また、他社の類似商品では、設置に重機や搬送用の大型車両が必要な場合も多く、搬送車両用の道路幅員確保のための拡張工事も必要になるが、「ブンサンベルト」はゴム板を杭で固定するだけで済むことからは設置が容易である点も優れている。

効果/期待される効果等

路面の水を適宜左右に分散して排水することで、雨水による路面の浸食や崩壊等を防ぐ。また、従来の排水帯と比べ施工や持ち運びが容易であり従来の半分の労力及びコストで設置できるため、作業員の人員不足や高齢化が深刻化する中、労働力不足に対する課題解決にも貢献することが期待される。

ブンサンベルト(ロール巻きも可能)
図1 ブンサンベルト(ロール巻きも可能)
仕様状態断面図
図2 仕様状態断面図
仕様状態斜視図
図3 仕様状態斜視図
ブンサンベルトの使用例
図4 ブンサンベルトの使用例

脚注
(注1) 表面の土が削り取られる状態のこと。
(注2) 試験は、日本森林林業振興会高知支部、国立大学法人高知大学、国立研究開発法人防災科学技術研究所と共同で実施。
(注3) 期間中の降水量は2895mm~3649mmであった。

ページトップへ