地域の防災力を強化する防災情報システム「DPS Core」

沖電気工業株式会社

業種:製造業
掲載日 2022年6月23日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

沖電気工業株式会社ロゴ

沖電気工業株式会社は1881年、日本で最初の通信機器メーカーとして誕生し、電話機製造という未知の領域に積極的にチャレンジした創業者の進取の精神を受け継ぐ企業理念のもと、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいる。

気候変動による影響

近年の気候変動の進行に伴い、大規模災害の被害が増加している。特に、暴風雨や洪水などの水災害による被害は甚大であり、国民生活へ影響が出ている。過去に経験のない自然災害への対応が、国、自治体で求められており、防災・減災の取組強化の促進が必要となっている。

適応に関する取り組み

当社は、平常時においてはあらゆる災害情報を収集、警戒時:避難などの発令に対する支援を、また発災時においては各メディアを通じた迅速な住民通達を、そして復旧時においては避難所及び物資などの業務管理とトータルに防災に対する課題への解決策を提供する防災情報システム「DPS Core(注1)」を開発した(図1)。「DPS Core」は以下の機能を備える。

No. 主な機能 機能説明
1 情報収集(インターフェイス機能) 準備情報、被害情報として、自治体に設置している水位監視などのセンサー情報、省庁・県の監視情報、消防などが保有する情報を一元的に収集。住民や職員からの情報をスマートフォンなどから収集することも可能。
2 事前防災行動計画(防災タイムライン)機能 災害に備えた各業務計画を災害別・地区別に策定。業務マニュアルや関連システムのリンクなどと計画を紐づけて登録。
3 災害対応内容記録(クロノロジー(注2))機能 各関係機関、職員などから報告、収集された被害情報を収集、表示。環境情報(気象、水量など)から状況を判断し、事前防災行動計画の時間変更または、計画自体を変更することも可能。
4 避難発令判断支援機能 収集情報から自動で避難勧告や指示の発令推奨地区を判別し、表示。この表示はシステムが行うため、避難勧告などの発令を行うための情報を可視化するとことができ、迅速な住民行動の促進が可能に。発令判断した情報は、気象関連情報、センサー情報、職員からの情報と合わせて、時系列に記録するため、発令基準の見直しや住民への報告などに活用することが可能。
5 物資、避難所情報管理機能 物資情報の管理では、備蓄物資情報の管理、備蓄倉庫の場所、避難所からの物資要請、在庫を地図上にて管理可能。避難所情報の管理では、避難所の基本情報、避難者の要請情報を地図上で管理可能。
6 住民・職員・来訪者への複数通知機能 「市町村防災行政無線システム」、災害メール、SNS、CATVなどの複数メディアに対して一斉配信・通知を実施。

なお、当社は「1.情報収集」に使用する「危機管理型水位計」も開発している。本製品は、IoTクラウドとの通信が可能なLTE通信機能を備え、頻発・激甚化する河川の急激な水位変化の計測に特化し、国土交通省「危機管理型水位計の観測基準・仕様」に準拠した、リアルタイム計測を可能とする超音波式の水位計である(図2)。

効果/期待される効果等

「DPS Core」を導入することにより、防災・減災に不可欠な「自助・共助・公助(注3)」を醸成し、災害に強い持続可能な都市の実現が可能となる(図3)。

防災情報システム「DPS Core」概要
図1 防災情報システム「DPS Core」概要
危機管理型水位計
図2 危機管理型水位計
「OKIの総合防災ソリューション」コンセプト
図3 「OKIの総合防災ソリューション」コンセプト

脚注
(注1) DPS Coreは、沖電気工業株式会社の商標である。
DPS Core=Disaster Prevention(防災)、Smart(賢く、早く)、Core(防災情報ソリューションの中核)
(注2) クロノロジーとは、過去の出来事を年代順(時系列)に並べたもの、時系列に内容を整理するときに使用するものを指す。
(注3) 自助とは、平時から自宅の耐震対策や防災用品の準備を行う、災害発生時に、自分の身の安全を確保すること。
共助とは、自主防災組織(町内会など)で人命救助、避難誘導など互いに助け合うこと。
公助とは、国や地方自治体などが公的な対応として人命救助、被災者支援、避難所開設・運営、物資管理を行うこと。

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