水と塩を原料とした家庭用小型水発電機

E.F.E株式会社

業種:製造業
掲載日 2022年12月12日
適応分野 国民生活・都市生活

会社概要

E.F.E株式会社ロゴ

E.F.E株式会社は、「Electricity For Everyone」を企業名に掲げ、「全ての人に安全で安心な電力を届ける」を使命として設立され、水発電機の開発・製造・販売を行っている。

気候変動による影響

日本ではこれまで、地震や台風など、自然災害による多大な被害を受けてきた。今後は「首都直下型地震」「強力化する台風」「111の活火山」「南海トラフ地震」など様々な大規模自然災害が予見されていることに加え、気候変動による将来の災害の激甚化・頻度の増加も予測されている。今後、災害は「いつか必ず起きるもの」として準備をする必要があり、その中でも生活基盤の90%以上を担っている電力の確保は必須である。

適応に関する取り組み

当社が開発・製造・販売する水発電機「ENECTRON(エネクトロン)」(図1)は、水と塩を原料にマグネシウムとの化学反応を利用して発電を行う、次世代の画期的な発電機である。水発電技術は、従来のアルカリ電池やニッケル電池と異なり、自然界に存在する無公害物質と様々なもので応用が可能である水(水分)との反応により電力を生成するため、有害物質の排出や二酸化炭素の排出がなく、環境保護に貢献する次世代のエネルギー源となる。

「ENECTRON(エネクトロン)」は、濃度約10%の塩水を機体に注入するだけで電力供給が可能となる。本体は重量約6㎏であり、注水後でも約8㎏のため持ち運びができ、また、住宅街や夜間でも稼働できる静音性能と有害物質を排出しないことから、災害時に室内で利用できる世界で唯一の発電機といえる。

電力供給には、4つのUSBポートと1つのDC12V出力ポートの利用が可能であり(図2)、連続使用時間は接続デバイスに依存する(注1)ものの、塩水約2.5ℓで約80時間となり、スマホの充電は最大800台分が可能なスペックを持つ。また、本体を複数台並列することにより使用電力が大きい電気機器にも利用でき、蓄電池と併用することにより、高出力の電気を長時間生み出すことが可能となる。

なお、約100時間(注2)で内部のマグネシウムプレートが完全に融解し発電できなくなるが、本体中央のスイッチを切り替えることで不要な発電を止め効率良く利用できる上、内蔵するプレートを交換することで再度発電することも可能である(図3)。

効果/期待される効果等

運搬可能で安全な電源であることから、使用場所を問わず、災害時の避難所の室内や、停電時における個人宅や事務所の停電時の緊急用電源、病院の自家発電で賄いきれない透析や薬品の保存用電力として活用できるほか、キャンプなどのアウトドアでも利用ができる。

また、化石燃料等に頼った発電によるCO2等の温室効果ガスを排出しない環境に優しいクリーンエネルギーを利用する事でSDGsに貢献することができる。

地球にやさしい水発電機「ENECTRON(エネクトロン)」
図1 地球にやさしい水発電機「ENECTRON(エネクトロン)」
電力供給源としてのENECTRON
図2 電力供給源としてのENECTRON
交換可能なマグネシウムプレート(パワープレート)
図3 交換可能なマグネシウムプレート(パワープレート)

脚注
(注1)塩分濃度、使用状況、接続機器によっても変化する。
(注2)発電機に接続した機器の消費電力による。

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