大規模な自然災害発生に備えたBCPの策定/水リスク分析

AGC株式会社

製造業
掲載日 2021年8月12日
適応分野 水環境・水資源 / 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動

会社概要

AGC株式会社のロゴ
AGC株式会社は、1907年に板ガラスの国産化を目指し旭硝子株式会社として創立され、2018年に社名変更をして現在に至る。AGCグループは、「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の4つの事業領域でグローバルに事業活動を展開している。110年にわたる技術革新の歴史のなかで培った世界トップレベルの技術とノウハウを強みに、多種多様な製品を幅広い産業のお客様に提供するとともに、素材メーカーならではのソリューションを提案。豊かな社会を実現する新たな価値創造に挑み続けている。

気候変動による影響

気候変動の影響は、豪雨や洪水、渇水などの自然災害、気温の上昇に伴う農業や漁業への悪影響など、年々深刻さを増しており、その対応が求められる。

気候変動リスクに関する取組

AGCグループは、大規模な事故・災害などが発生した場合に備えて、各事業部門や拠点が事業継続計画(BCP)を策定する際のガイドラインとして「AGCグループBCP策定ガイドライン」を発行し、BCPの継続的な維持・改善を進めている。

2018年は、気候変動の適応策として、気候変動による水リスク評価等を実施した。これは、WRI(世界資源研究所)のAqueduct※を用いて得た拠点ごとの評価結果に、過去に生じた水に関する災害やトラブル実績、緊急時対応設備の設置の有無、BCP設定状況などを加味して、地域遍在性のある水リスクを総合的に評価するものである。そして、この評価結果に基づき、渇水リスクが高い拠点では貯水槽を設置する、洪水リスクが高い拠点では非常用発電設備を地階から2階以上に移設する、高潮リスクが高い拠点では排水ポンプを設置するなど、地域の特性に応じた対策を実施している。

また、全世界のグループの約200箇所の主要拠点を対象に、地震・強風・洪水等自然災害のリスクを評価し、ハザードリスクを色分けしたハザードマップを作成している。影響を受ける可能性が高い地域にあると評価された拠点では、事業に与える影響を認識し、設備面での対策やBCPを策定する等、被害の低減に取り組んでいる。

AGCグループ(日本)では2009年から災害発生時に従業員や家族の安否を確認する安否確認システムを運用しており、毎年2回、全社一斉の通報訓練を実施している。そのほか、東南アジアの事業拠点でも、自然災害などによる停電時における対応訓練を実施している。

なお、2019年からは、気候変動に伴うリスクと機会をより詳細に分析するため、TCFDの枠組みを活用して試験的なシナリオ分析を実施している。
※地域ごとの水リスク状況を提供するツール

効果/期待される効果等

平常時から大規模な自然災害リスクに備えた対策を計画・実施することで、災害発生時には人命及び安全の確保を最優先とした上で、被害の拡大防止、地域への貢献、重要な事業の継続を図ることができる。

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