物流センターの機能分散等によるBCP対策
アスクル株式会社
業種:卸売業、小売業 / 複合サービス事業
掲載日 | 2023年12月4日 |
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適応分野 | 産業・経済活動 / 国民生活・都市生活 / 自然災害・沿岸域 |
会社概要

アスクル株式会社は、eコマース事業及びロジスティクス事業を運営しており、また事業所向けのオフィス用品・現場用品の通販サービス「ASKUL」と、日用品をお届けする個人向け通販サービス「LOHACO」を展開している。
気候変動による影響
気候変動の影響による降雨・強風の増大に伴い、配送遅延や事故等が増加し、配送費・人件費・補償費・保険料支払等のコストが増加する可能性がある。当社は、翌日配送(大都市周辺では当日)を可能とするために、全国10ヶ所に物流センターを開設しているが、物流センターが洪水や強風などの被害を受けた場合、施設、在庫などの物理的損失のみならず、機能的に容易に他社の倉庫などでの代替がきかないため、サプライヤーからの仕入、および顧客への配送などの機能が低下、あるいは停止することで、売上高、および営業利益に影響を及ぼすリスクが想定される。
気候変動リスクに関する取組
当社では、自然災害の発生、それに伴う大規模な停電や公共交通機関の運休等に備え、受注センター、お問い合わせセンター、そして物流センターを複数設置することで、リスク分散を図っている。特に同じ配送管轄エリア内の別地域に物流センターを新設することで機能分散を進めている(図1)。当社の関西エリアでは、大阪市内に1つ目の物流センターを設置していたが、2018年に隣接する吹田市で新たに物流センターを稼働させ、同地区内での機能分散を実現した(図2)。
また、当社では、「アスクル事業継続計画基本方針」に基づき、具体的な被災想定のもと、さまざまな緊急事態に対応した事業継続計画を構築している。この事業継続計画では、例えば、災害対策本部の体制、災害発生時における各種対応や手順を定めている。また、各拠点においては、水・食料や緊急避難袋を備蓄し、緊急連絡手段として、主要拠点に衛星携帯電話を配備している。さらに事業継続計画の遂行時の実効性を高めるために、随時、関係部署において計画やマニュアルの見直しも行っている。
効果/期待される効果等
機能分散を実施した効果として、2019年の台風19号では、吹田市の物流センターが被災し稼働が低下したものの、大阪市内の物流センターに出荷を切り替えることで、売上低減を最小限にとどめることができた。
また、事業継続計画を実行することで、従業員の安全を確保するとともに、緊急時においてもお客様へのサービス提供を継続し、事故・災害時における社会的責任を果たすことが期待される。


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