TCFD提言に基づく開示

サントリーホールディングス株式会社

業種:製造業

更新日 2024年5月20日
掲載日 2023年7月6日
適応分野 産業・経済活動

会社概要

サントリーグループは、飲料・食品及び種類の製造・販売、更にその他の事業活動をグローバルに展開している。 サントリーグループは、水や農作物など自然の恵みに支えられた総合酒類食品企業として、人々の生活を潤い豊かにすることと自然環境を守り育むことが共存し、人と自然が互いによい影響を与えあって永く持続していく社会をめざしている。

気候変動による影響

サントリーグループでは、持続的に事業を行い、価値を創造し続けていくために、気候変動によるリスクや事業への影響を特定し、適切に対応していく必要があると考えている。

取り組み

当社は、2019年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言へ賛同し、2022年からは、気候変動問題が社会と企業に与えるリスクと機会を評価・特定に加えて、事業に対する影響額の試算を開始している(図、注)。

特定したリスクの中でも(1)炭素税の導入によるコスト増加、(2)生産拠点への水の供給不足による機会損失、(3)農産物原料の収量減少による原料価格高騰の3点が特に大きな影響を及ぼす可能性があることを認識した。これらの影響への対応策の検討/実施は以下の通りである。

(1)炭素税の導入や税率の引き上げによる財務上の負担増

  • 内部炭素価格を導入し、投資意思決定の際に考慮
  • 2030年までに脱炭素を促進する1,000億円規模の投資(再生可能エネルギーへの転換・ヒートポンプの活用など)を実施予定
  • 「サントリー環境目標2030」 「サントリー環境ビジョン2050」で設定した目標を達成した場合には、95億円(2030年)、350億円(2050年)の削減効果

(2) 生産拠点への水供給不足による操業影響

  • 自社工場の全拠点を対象に、工場流域の利用可能な水資源量に関するリスクを評価(詳細については、当社ウェブサイトを参照:水リスクの評価
  • 工場での水総使用量の削減の検討や、水源涵養活動により工場で使用する水の100%以上還元する目標を掲げて取り組み実施

(3) 農産物の収量減による調達コストの増加

  • 原料産地別に気候変動による将来収量予測などの影響評価を行い、原料の安定調達の為の戦略策定や持続可能な農業に向けたパイロットの開始(詳細については、当社ウェブサイトを参照:原料安定調達の取り組み

一方、機会面では、気候変動関連対策の適応商品として環境省が推奨する成分を配合した熱中症対策飲料のポートフォリオを拡充している。また、水源涵養活動や水に関する啓発プログラム「水育」などを継続・強化するとともに、サントリーグループの水に対する姿勢をグループ外に情報発信することでブランド価値向上、ひいては売上の増加につながるものと考えている。そして資源効率性の面では、ペットボトルのリサイクル促進に積極的に取り組んでいる。

効果/期待される効果等

当社では、顕在化したリスク・機会に対する対応策を戦略的に反映させることでレジリエンス向上を目指すとともに、情報開示の拡充を進めていく。

図 主要なリスク・機会および対応策の検討/実施

脚注
(注)リスク・機会の分析の前提となるシナリオは、温暖化進行シナリオとしてRCP8.5、脱炭素シナリオとしてIEA NZE 2050等を使用。

自社関連サイト

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