地域気候変動適応計画策定マニュアル-導入編-

 

■ 地域気候変動適応計画策定マニュアル 導入編について

地域適応計画は、地域の実情を踏まえつつ、都道府県・市町村の判断により策定されるものです。本書は、初めて地域気候変動適応計画(以下、「地域適応計画」という。)を策定する市町村に参考にしていただけるよう、「地域気候変動適応計画策定マニュアル-手順編-」のうち、基本的な策定方法を抜粋し、解説を加えたものです。計画書作成のためのツール類や、計画内容を検討するための情報も用意していますので、御活用ください。

【導入編の特徴】

・初めて地域適応計画を策定する市町村を対象にしています。

・国や都道府県の計画を最大限活用しながら策定する手法を紹介します。

・計画作成のコツを紹介しています。

マニュアルの構成は以下の図のとおりです。図中のBOXをクリックすると、当該の資料にアクセスできます。

導入編 手順編 情報整理シート ひな形編 計画作成支援ツール 資料集(1章、2章、5章) 庁内コミュニケーションシート 適応オプション一覧 ../files/manual/03_reference_data.pdf

図 1 地域適応計画策定マニュアル及びツール類の構成と概要

 

手順編

地域適応計画を策定する際の標準的な手順や、情報収集の方法等について解説しています。気候変動影響や適応策に関する情報を、国の機関、庁内関係部署や地域住民、大学等から収集するなど、地域の状況に応じて検討できるような構成となっています。また、先行事例や、国立環境研究所気候変動適応センターによる支援、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)の活用方法なども紹介しています。

手順編の表紙

 

情報整理シート

手順編および導入編の手順に沿って、気候変動影響や適応についての情報を「情報整理シート」で整理することができます。その情報を活用して地域適応計画の素案を作成します。

 

表 1 情報整理シート

 

【STEP2】
これまでの気候変動影響の整理

【STEP3】
将来の気候変動影響の整理

【STEP4】
影響評価の実施

【STEP5】
既存施策の気候変動影響への対応力の整理

【STEP6】
適応策の検討

分野

大項目

項目

2-1

2-2

2-1が将来どのような状況になるのか整理

4-1

4-2

5-1

5-2

既存施策の対応力の確認における情報から、適応策の方向性を整理

これまでに生じている気候変動影響を整理

2-1の原因となる気象現象を整理

STEP3について、重要性・緊急性・確信度を整理

優先的に取り組むとされた気候変動影響
○:優先的に取り組む
-:見送り

・2-1への既存施策や過去の対処方法を整理
・施策の立案の基準となった数値があれば整理

既存施策がSTEP3へ十分に対応力を有するのか整理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひな形編

手順に沿って収集した情報をひな形に記載していくことで、地域適応計画の素案を作成することができます。

ひな形編

 

地域気候変動適応計画作成支援ツール

気候に関する情報、気候変動影響予測データや、人口等の統計データなど地域適応計画を作成するにあたって必要な情報を、地方公共団体ごとに自動でひな形に出力するツールです。

地域気候変動適応計画作成支援ツール

 

資料集

本書や手順編を補足する参考情報として、気候変動影響や気候変動適応に関わる参考資料の紹介や、国の気候変動適応計画におけるKPIのほか、影響評価や計画立案の手法など、計画策定に役立つ情報や資料を解説しています。本文中で紹介する資料のうち、資料集で紹介されている参考資料は、(資料集:参考資料●-●)と記載しています。

資料集

庁内コミュニケーションシート

代表的な分野・項目(※)別に、全国で生じている、および将来想定される気候変動影響や適応策、地域の影響を考えるためのチェックリストなどを掲載しました。地域適応計画を策定される方が、気候変動影響と適応策の概要を理解するために活用いただくとともに、庁内関係部局とのコミュニケーションにも活用いただくことを目的とした資料です。

※対象とした分野・項目とその選定方法は、庁内コミュニケーションシート「全体解説書」を参照。

庁内コミュニケーションシート

 

適応オプション一覧

各分野の気候変動影響に対する適応策になり得る施策を、分野別・影響別に「適応オプション」として一覧化しました。

※なお、必ずしも各施策の導入を求めるものではなく、導入を検討する際は、各地域の気候変動影響や社会・経済状況、予算、他分野の施策等を加味しながら行うことが大切である点にご留意ください。

適応オプション一覧
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1.地域気候変動適応計画の概要Q&A

新任の地域適応計画の担当者向けに、短時間で地域適応計画の概要をつかむことができるQ&Aを用意しました。

 

Q.地域適応計画とはどのような計画ですか?

A.気候変動による影響やその規模は、地域の気候条件や地理的条件、社会経済条件等の地域特性によって大きく異なります。また、早急に対応を要する分野や重点的に対応を行う必要のある分野も、地域によって異なります。地域それぞれの特徴をいかし、強靱で持続可能な地域社会につなげていくために、都道府県及び市町村が主体となって、地域の実情に応じた施策を、地域適応計画に基づいて展開することが求められています。

 

Q.地域適応計画は誰が策定するのですか?

A.気候変動適応法第12条では、区域の状況に応じた気候変動適応に関する施策を推進するために、都道府県及び市町村が策定するよう努めるものとされています。策定に当たっては、複数の都道府県及び市町村が共同して策定することもできます。

 

Q.地域適応計画はどの部局が策定するものですか?

A.都道府県及び市町村それぞれの状況によりますが、多くは環境保全や地球温暖化対策を所管する部局が中心となって、防災や農業、熱中症対策などを所管する庁内の関係部局と連携して策定されています。

 

Q.都道府県が策定している場合、管下の市町村も策定する必要がありますか?

A.同じ県内の市町村であっても、その状況はそれぞれ異なります。例えば、海がある市町村、川がある市町村、山がある市町村では、地理的条件だけでなく、主要となる産業や社会状況が異なり、気候変動の影響も違います。また、都道府県と市町村では、同じ分野の施策であっても役割が異なりますので、それぞれの所管業務に応じた気候変動適応策を実施していく必要があります。

市町村は、気象災害に関連する防災や熱中症対策、観光振興など気候変動の影響の大きい分野において、地域住民や企業に一番近く、現場での対応を行っていることから、現場の状況に沿った効果的な気候変動適応策の実施において、大きな役割が期待されています。

一方で、市町村では、都道府県の地域適応計画に記載されている区域の気候変動影響に関する情報等を活用することで、より少ないマンパワーで計画を取りまとめることが可能となります。

 

Q.地域防災計画等、個別分野の計画がある場合にも策定する必要がありますか?

A.市町村が既に行っている施策の中には、気象災害に関連する防災対策や、熱中症対策、自然生態系保全など、適応策といえる施策が数多くあり、地域防災計画など気候変動適応に関連の深い計画を、地域適応計画として位置付けることも可能です。

一方で、それらの計画や施策は、現在生じている気候変動影響への適応策として十分であっても、今後の気候変動影響については考慮されていない場合があります。その場合は、次回の改定時などに、今後の気候変動影響を考慮した長期的な視点で立案した施策を盛り込んでいくことで、将来にわたって気候変動に強靱な地域を作ることにつながります。

また、市町村にとって重要と考えられる分野の施策を優先的に検討して地域適応計画を策定することもできます。一度に多くの分野の気候変動適応策を立案することは時間も労力も必要としますので、まずは1分野を対象に地域適応計画を策定して、改定時に徐々に対象分野を広げていくことも可能です。

 

Q.地域適応計画はいつ作るのですか?

A.地域適応計画の策定時期に関する規定はありません。多くは、地球温暖化対策における地方公共団体実行計画(以下、「地方公共団体実行計画」といいます。)や環境基本計画など関連する計画の改定時に、気候変動適応に関する記述を追加して、地域適応計画と位置付けられています。

 

Q.計画を気候変動適応法第12条に基づく地域適応計画と位置付けるためにどのような手続が必要ですか?

A. 各市町村で策定された計画を、気候変動適応法に基づく地域適応計画と位置付けるための手続は定められていません。それぞれの市町村において、当該計画が「気候変動適応法第12条に基づく地域気候変動適応計画」であることを計画自体や公開HP等に明記するなど、対外的に示していただくことが重要です。

気候変動適応センターが運用する「気候変動適応情報プラットフォーム(以下「A-PLAT」といいます。)では、各都道府県・市町村が策定した地域適応計画の一覧を掲載しています。新たに地域適応計画を策定された際や改定された際には、気候変動適応センター又は環境省気候変動適応室、各地方環境事務所担当者まで御一報ください。

 

A-PLAT 「地域の適応」のページ

https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/index.html

A-PLAT 「地域気候変動適応計画一覧」

https://adaptation-platform.nies.go.jp/local/plan/list.html

連絡先 お問い合わせフォーム

https://project.nies.go.jp/events/contact/form.cgi

(国立環境研究所気候変動適応センターによる支援内容を手順編4章で紹介しています。)

 

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2.地域気候変動適応計画の構成、策定の流れ

■ 地域気候変動適応計画の構成

気候変動影響は、区域の地形や気象条件、社会経済状況等によって、その種類や程度が様々に異なり、それに対応する取組も区域によって様々です。そのため、地方公共団体には、区域の気候変動影響や適応策に関する詳細な情報を収集し、区域の特徴に即した地域適応計画を策定することで、気候変動影響に適切に対処していくことが求められています。

地域適応計画の記載事項としては、以下のような内容が考えられます。

 

表 2 地域適応計画の記載事項の例とSTEPの該当箇所

項目

地域適応計画に記載する内容

STEP※

計画における基本的な事項

・方針や目標
・実施体制
・計画期間、見直し時期
・進捗確認の方法

STEP1
STEP8(進捗確認)

区域の特徴

・地理的条件
・社会経済状況
・気候の特徴

STEP1

気候変動影響に関する情報

・これまでに生じた気象災害
・顕在化している気候変動影響
・将来の気候変動影響に関する予測
・気候変動影響評価結果

STEP2
STEP3
STEP4

適応策に関する情報

・区域で優先的に取り組む施策
・各分野の具体的な適応策

STEP5
STEP6

※STEPは次頁の「地域気候変動適応計画策定/変更の流れ」を御参照ください。

 

本マニュアルの手順に沿って作業を行うことで、地域適応計画の策定に必要な情報を収集することができ、その情報をひな形編(別冊)に当てはめることで、地域適応計画の素案が作成できるようになっています。地域適応計画を策定する際の参考として御活用下さい。 

 

■ 地域気候変動適応計画策定/変更の流れ

導入編では、地域適応計画を策定/変更するための手順を以下の図2のとおり想定し、それぞれのSTEPにおける作業や参考情報等について説明しています。水色で示すSTEPは主幹部局(環境部局など)が中心となって実施、オレンジ色で示すSTEPは主に気候変動影響が生じている関連部局と主幹部局が協力して実施することを想定しています。本資料では、手順編におけるステージ1の手順を中心に構成しています。

 2 地域気候変動適応計画策定/変更の流れ

図 2 地域気候変動適応計画策定/変更の流れ

 

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3.地域気候変動適応計画の策定/変更

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【STEP 1】 地域気候変動適応計画策定/変更に向けた準備

■ 気候変動への適応の方針や目標の検討/見直し

地方公共団体の適応の方針や目標、目指すべき社会について検討します。

気候変動による将来の影響に備える適応は、現在既に生じている気候変動影響に対処するだけではなく、地域住民の生活や、地域の社会・経済・環境を将来にわたって守り、地域住民の生活の向上や、地域の社会・経済の発展にもつながり得る取組です。まずは、国内外の適応に関する情勢を踏まえた上で、地域適応計画を策定することで、目指すべき社会や目標などについて検討します。

国内外の情勢については、A-PLATから入手できます。詳しくは手順編のp.98を参照してください。

 

■ 地域気候変動適応計画の形式の検討/見直し

地域適応計画の形式を検討し、決定します。

気候変動適応は、分野が多岐にわたり、多くの計画や部局の業務と深く関わっています。そのため、地域適応計画では、関連する計画等と連携し、横断的・総合的な施策を立てることができるよう、区域の状況に合わせた策定の形式を検討する必要があります。

地域適応計画の策定の形式には、下記のような例が考えられます。独立した計画とするだけでなく、地球温暖化対策や環境 など関連する計画と合わせて策定することや 、 防災 、 農業など環境以外の分野の行政計画であっても気候変動適応に関する内容が含まれる場合には 地域適応計画と位置付けることが可能です。計画を統合することで、庁外の検討会への諮問等も一度で済むという利点もあります。また、市町村にとって重要と考えられる分野の施策を優先的に検討して地域適応計画を策定することもできます。まずは1分野を対象に地域適応計画を策定して、改定時に徐々に対象分野を広げていくことも可能です。

 

・独立した計画とする

・地方公共団体実行計画(区域施策編)の一部に組み込む

・環境基本計画の一部に組み込む

・防災や農業など関連する分野の計画を地域適応計画として位置付ける

 

事例

地域適応計画の位置付け

北海道旭川市(旭川市気候変動適応計画)

旭川市は令和4年3月に「旭川市気候変動適応計画」を策定しています。地域適応計画は環境基本計画の下の個別計画として、地球温暖化対策実行計画と並列に位置付けられており、地域防災計画や鳥獣被害防止計画等と連携するものとされています。

3 「旭川市気候変動適応計画」の位置付け

図 3 「旭川市気候変動適応計画」の位置付け

出典:旭川市気候変動適応計画(令和4年3月)

 

追加事例

他の計画と統合した場合の構成例

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

長崎県長崎市「長崎市地球温暖化対策実行計画」

長崎市では、地域適応計画を地方公共団体実行計画(区域施策編)と統合して策定しました。

地域適応計画に該当する内容は第6章「気候変動の影響に対する適応策」にまとめて記載されており、適応策の考え方、長崎市における気候の長期変化、適応策(影響と対策)の3節から構成されています。

出典:長崎市地球温暖化対策実行計画(令和4年、長崎市)を一部編集

埼玉県加須市「第2次加須市環境基本計画」

埼玉県加須市では、地域適応計画を環境基本計画と統合して策定しました。

気候変動適応に関連する内容として、第3章「地域特性と環境における基本的認識」に気温や降水量等の気候の変化を、第5章「環境の保全及び創造に関する施策」に適応に関する基本的な考え方や施策を記載しています。

出典:第2次加須市環境基本計画(令和3年、加須市)を一部編集

兵庫県高砂市「第2次高砂市環境基本計画」

兵庫県高砂市では、環境基本計画の中に地域適応計画を統合しました。

第3章「基本目標達成のための取組」において、気候変動への適応を含む気候変動対策を基本目標に含めています。第4章では「高砂市気候変動適応計画」と題して、基本的事項(計画の目的、計画の位置付け等)、地球温暖化の概要、気候変動による影響、適応への取組を定めています。

出典:第2次高砂市環境基本計画(令和4年、高砂市)を一部編集

長野県飯田市「21’いいだ環境プラン第5次改訂版」、「飯田市気候変動適応計画について」

長野県飯田市は、環境基本計画に地域適応計画を統合しました。

6つの「ゴール」とそれに紐づく「ターゲット」から取組を整理していますが、気候変動適応はゴール5「気候変動への対策に取り組もう」の中の、ターゲット5-6「気候変動への主体的適応」に位置付けられています。

その上で、本計画の中では気候変動影響の整理や個別の適応策を記載せず、各分野別計画に「適応」の視点を導入して、各分野において具体的な適応策を展開することとしています(図上)。さらに、別資料では、気候変動適応策について定める分野別の計画群の一覧を整理しています(図下)。

出典:21’いいだ環境プラン第5次改訂版(令和3年、飯田市)を一部編集

出典:飯田市気候変動適応計画について(令和3年、飯田市)

 

■ 計画期間/見直し時期の設定

地域適応計画の計画期間や見直し時期を設定します。

気候変動は長期にわたり影響を及ぼします。地域適応計画は、区域における将来の気候変動や各分野への将来の影響に関する科学的知見に基づいて策定しますが、将来予測の結果には幅があり、必ず不確実性が含まれています。

地域適応計画を策定した後も、常に最新の科学的知見を収集し、各施策の状況の把握を行い、それに基づいて地域適応計画を見直していくことで、適時的確な適応を進めていくことができます。

計画期間や見直し時期については、統合する計画の計画期間や見直し時期と合わせるなど、策定の形式や状況に応じて設定します。

 

表 3 気候変動適応計画及び地方公共団体の適応に関する計画における計画期間と見直し時期の例

関連する計画

計画期間

見直し

気候変動適応計画
(令和3(2021)年10月閣議決定)

21世紀末までの長期的な展望を意識しつつ、概ね5年間

概ね5年ごと※

千葉県の気候変動影響と適応の取組方針
(平成30(2018)年3月)

2030年度程度まで

概ね5年ごと

福岡県地球温暖化対策実行計画(第2次)(令和4(2022)年3月)

2017年度から2030年度まで

概ね5年ごと

那須塩原市気候変動対策計画(令和4(2022)年3月)

2030年度まで

2026年に見直しを検討

※令和3年10月に閣議決定された法定の「気候変動適応計画」では、表中の計画期間及び見直しを基本としつつ、2025年度を目途とする気候変動影響評価等を踏まえて、2026年度に見直すことを目指すとしています。

 

■ 地域気候変動適応計画策定/変更のスケジュール

地域適応計画策定/変更に向けてスケジュールを検討します。

気候変動の影響を受ける分野は多岐にわたり、庁内の多くの計画や部局の業務と深く関わっているため、地域適応計画の策定/変更に当たっては、庁内関係部局との調整に掛かる時間等を加味し、計画的に進めることが必要です。

地域適応計画策定/変更の作業工程とスケジュールをあらかじめ作成しておくことで、関係者と共通の認識をもって、計画的にスムーズに進めることができます。地域適応計画策定/変更の流れの例を示します。

 

事例

地域適応計画策定スケジュール

新潟県新潟市(地球温暖化対策実行計画(地域推進版)-環境モデル都市推進プラン-)

新潟県新潟市は令和2年3月に「地球温暖化対策実行計画(地域推進版)-環境モデル都市推進プラン-」を改定しています。策定の前年2月から庁内の施策調査を開始し、6月から気候変動影響の情報収集・整理を実施、翌年の3月に公表しています。

表 4 地域適応計画策定までのスケジュール例

時期

内容

2019年2月

温暖化対策本部会議開催
国立環境研究所気候変動適応センター長を招いての講演
庁内施策調査

2019年6月

気候変動影響の情報収集・整理

2019年9月

庁内関係課へのヒアリング

2019年10月

対応力の整理、適応策の検討

2019年12月~
2020年1月

新潟市地球温暖化対策実行計画(地域推進版)【素案】完成
議会報告
パブリックコメント実施

2020年2月

新潟市環境審議会への報告

2020年3月

各関係団体等への報告・周知・協力依頼

出典:新潟市講演資料(令和4年、新潟市)

 

■ 基礎情報(地理的条件、社会経済状況等)の整理/見直し

区域の特徴を把握するため、地形や主要産業、社会経済状況(産業構造、人口構造・人口分布等)に関する情報を整理します。

気候変動によってどのような影響を受けるかは、地方公共団体の位置や地勢等によって様々です。また、区域内の人口や土地利用、主要産業などの社会経済状況によって、その影響の種類や程度は異なります。

始めに区域の地理的条件や社会経済状況を把握しておくことで、区域に特化した気候変動影響の把握や、地域の状況に合わせた適応策の検討が可能となります。

 

事例

地域特性の整理

神奈川県横浜市(横浜市気候変動適応方針)

神奈川県横浜市は平成29年6月に策定した「横浜市気候変動適応方針」で、横浜市の自然的条件(地形)や社会的条件(人口、世帯数や面積など)について、地域特性を整理しています。

4 横浜市の自然的条件及び社会的条件

図 4 横浜市の自然的条件及び社会的条件

出典:横浜市気候変動適応方針(平成29年、横浜市)

 

参考情報

基礎情報(地理的条件、社会経済状況等)を参照できる統計情報や自治体の関連計画等

 

基礎情報の種類

統計情報や地方公共団体の関連計画名

地形関係

・都市計画部局/防災安全・県土整備部局資料等

・国土数値情報
(国土交通省不動産・建設経済局情報活用推進課 http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/

・地理院地図 (国土地理院https://maps.gsi.go.jp/)

人口関係、社会状況

・国勢調査
(総務省統計局https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/index.html

・国民生活基礎調査
(厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html)

産業構造

・産業政策部局資料等

・国勢調査 就業状態基本統計
(総務省統計局https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/index.html

・地域経済分析システム RESAS (内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局https://resas.go.jp/

自然生態系

・環境省自然環境保全基礎調査 自然環境調査Web-GIS
(環境省自然環境局 http://gis.biodic.go.jp/webgis/index.html

その他

・総合計画

・地方公共団体実行計画

・環境基本計画

 

 

■ 区域の気候・気象(気温、降水等)の特徴の整理/更新

区域の気候・気象(気温、降水等)の特徴や、これまでの変化及び、将来の予測についての情報を整理します。

適応策を検討する際には、過去から現在までの気候・気象及び、その気候・気象が将来どのように変化するかについて知ることも重要です。庁内での適応策検討の材料として、また、住民や事業者等に地域の実態を伝えるための材料として、区域内の気候・気象に関する観測・予測情報を収集・整理する必要があります。

なお、区域に特化した情報がない場合は、地域及び全国レベルの情報を活用することが考えられます。

気候・気象に関する最新のデータやその解釈等については、「気候変動監視レポート(気象庁)」、「日本の気候変動2020(文部科学省・気象庁)」及び都道府県版リーフレット等を参照ください。

 

※気候は「地球上のある地域における長い期間の大気現象を平均した状態」、気象は「大気中に生じるさまざまな自然現象のこと」を指します。

 

計画作成のコツ①

・既に策定された環境基本計画や地方公共団体実行計画(区域施策編)など気候変動に関連の深い計画の改定時に地域適応計画を組み込む場合、既に計画の検討・実施、進捗確認等の体制が整っているため、単独で策定する場合と比較して効率的に進めることが可能となります。特にSTEP1で収集・検討を行う事項については、既存の計画の枠組みや情報を活用することができます。

・一方、環境基本計画や地方公共団体実行計画(区域施策編)では、これまでの気候・気象のデータは記載されるものの、将来の気候情報は記載されないことがあります。他の計画と統合する際には、将来の気候情報も整理しましょう。

 

参考情報

地域の気候・気象に関する参考資料

地域の気候・気象に関する情報を収集する際は、以下の資料が参考になります。その他にも、全国的な気候・気象に関する情報を確認する際は、資料集に示す資料が参考となります。各参考資料の詳細は資料集を御確認ください。

 

紹介ページ・
資料番号(資料集)

作成者・
ウェブサイト

参考資料の名称

入手できる情報の概要

1-1

文部科学省・気象庁

日本の気候変動2020

日本における気候変動の観測成果及び将来予測の解説

1-5

気象庁

日本の各地域における気候の変化
都道府県版リーフレット

都道府県別の図表等

1-4

気象庁

過去の気象データ・
ダウンロード

都道府県内主要地点の数値データ
(csvファイル)

手順編p.100

A-PLAT

気象観測データ(気象庁提供)

都道府県別の図

手順編p.100

A-PLAT

将来予測 画像データ

都道府県別の図、地図

手順編p.101

A-PLAT

将来予測 WebGIS(オンライン地理情報システム)

地図による空間情報

これらの参考資料で入手可能な気象データは以下のとおりです。

表 5 参考資料から入手できる気象データ

気象データ

これまでの気候・気象

将来の気候・気象

②※1

②※1

年平均気温

△※2

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日最高気温

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日最低気温

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夏日

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真夏日

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猛暑日

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熱帯夜

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冬日

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真冬日

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年降水量

△※2

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短時間強雨
(発生回数)

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大雨発生

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無降水日

△※3

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降雪量

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積雪量

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海面水位

△※4

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※1. 区域によっては記載されていない場合もあります。

※2. 資料1-4からは入手できませんが、気象庁HP「過去の気象データ検索」から入手可能です。(https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php

※3. 無降水日の日数を直接表示することはできませんが、月間の降水日数(日降水量0.0mm以上の日数)を表示し、当該期間の合計日数から引くことで算出可能です。

※4. 資料1-4からは入手できませんが、気象庁HP「日本周辺の1960年以降の海域ごとの海面水位変化」から、Ⅰ北海道・東北地方沿岸、Ⅱ関東・東海地方沿岸、Ⅲ近畿~九州地方の太平洋側沿岸、Ⅳ北陸~九州地方の東シナ海側沿岸の4海域について海面水位に関する情報が入手可能です。

https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/sl_area/sl_rgtrend.html

 

コラム

気候変動とは

気候は定常的なものではなく、太陽活動の変動や火山噴火などの自然の影響、温室効果ガスの排出や森林伐採など人間活動による影響により変化、変動しています。このような変化や変動を広く「気候変動」と呼びます。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書では、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことに疑いの余地はなく、大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において広範囲かつ急速な変化が現れていることが示されました。

5 日本における年平均気温の1991~2020年平均からの差

図5 日本における年平均気温の1991~2020年平均からの差

出典:気象庁HP
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html

 

この気候変動の代表的な事例としては、気温の上昇や降水の変化が挙げられます。例えば、日本の年平均気温は100年当たり約1.28℃の割合で上昇しています。

この気温上昇や降水の変化といった気候変動は、今後も進行していくと考えられています。下記では、21世紀末において予測されている気温と降水の20世紀末からの変化を示します。なお、ここで示す予測は、温室効果ガスの排出が比較的少ないシナリオ(RCP2.6:パリ協定の「2℃目標」が達成された状況下であり得るシナリオ)と温室効果ガスの排出が最も多いシナリオ(RCP8.5:厳しい温暖化対策をとらない場合のシナリオ)に基づいています(手順編p.33参照)。

●気温

・年平均気温は、全国平均で1.4℃(RCP2.6)、4.5℃(RCP8.5)上昇するなど、全国的に有意に上昇する。

・猛暑日や真夏日のような暑い日の日数も全国的に有意に増加する(猛暑日は、全国平均で2.8日(RCP2.6)、19.1日(RCP8.5)増加)。

・冬日のような寒い日の日数は、全国平均で16.7日(RCP2.6)、46.8日(RCP8.5)減少するなど、全国的に有意に減少する。

 

●降水

・大雨、短時間強雨の年間発生回数は全国的に有意に増加する(1時間降水量50mm以上の短時間強雨の頻度は、全国平均で約1.6倍(RCP2.6)、約2.3倍(RCP8.5)に増加)。

・雨の降らない日も全国的に増加する(RCP2.6では有意な変化は予測されず)。

 

出典:日本の気候変動2020(令和2年、文部科学省・気象庁)、IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約(令和3年、IPCC)、気象庁ホームページを基に作成

 

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【STEP 2】 これまでの気候変動影響の整理

これまでに、気候の変化や気象現象(高温、大雨等)によって生じたと考えられる影響の事例、及び影響の原因となった気象現象を整理します。

これまでに気候の変化や気象現象によって生じた影響を整理することで、区域内で気候や気象現象の影響を受けやすい分野を把握することができます。これまでに影響を受けてきた分野は、将来の気候変動によっても影響を受ける可能性が高いと考えられるため、整理しておくことが重要です。

市町村では、都道府県の地域適応計画に記載されている区域の気候変動影響に関する情報等を活用することが考えられます。また、近隣市町村の地域適応計画を参考にすることも考えられます。庁内関係部局から、これまでの気象災害や高温で生じた影響に関する情報を収集することも有効です。

また、国の気候変動適応計画(資料集:参考資料2-1)や気候変動影響評価報告書(資料集:参考資料1-8、1-9)の「現在の状況」を参考にすることもできます。国の文書では、気候変動影響を表 6の7分野等に分類しています。

 

影響を整理する際、表 7のように気候変動影響の原因となる気象現象(高温、大雨等)も、可能な限り影響と合わせて整理することで、STEP3における将来の気候変動影響を考える際に活用することができます。

 

表 6 気候変動影響評価報告書における分野等

分野

大項目

農業・林業・水産業

農業/林業/水産業

水環境・水資源

水環境/水資源

自然生態系

陸域生態系/淡水生態系/沿岸生態系/海洋生態系/その他/生態系サービス

自然災害・沿岸域

河川/沿岸/山地/その他/複合的な災害影響

健康

冬季の温暖化/暑熱/感染症/その他

産業・経済活動

製造業/エネルギー/商業/金融・保険/観光業/建設業/医療/その他

国民生活・都市生活

都市インフラ、ライフライン等
/文化・歴史などを感じる暮らし/その他

分野間の影響の連鎖

インフラ・ライフラインの途絶に伴う影響

※詳細は「気候変動影響評価報告書(総説)(p.34-35)」(資料集:参考資料1-8)を御参照ください。

 

参考情報

表 7 気候・気象現象とそれに関連する気候変動影響の例

 

気候・気象現象

関連する気候変動影響

高温

・農作物の生育不良
・河川・湖沼などの水温上昇
・森林の生育適域の変化
・感染症媒介蚊の分布域の変化 など

夏日・真夏日・猛暑日
熱帯夜の増加

・熱中症搬送者数の増加
・農作物の生育不良 など

冬日・真冬日の減少

・観光資源(ウィンタースポーツ、雪まつり)への影響 など

降水量の変化

・水資源への影響(渇水、農業用水) など

短時間強雨や
大雨の発生日数の増加

・自然災害(洪水、内水氾濫、土砂災害) など

降雪量/積雪量の減少

・水資源への影響(渇水、農業用水)
・観光資源(ウィンタースポーツ、雪まつり)への影響 など

 

 

計画作成のコツ②

・国立環境研究所気候変動適応センターによる支援を受けることができる場合があります。手順編の4章「(1)地方公共団体への技術支援について」に技術的助言、専門家派遣、研修等の支援メニューが記載されていますので御参照ください。

 

事例

都道府県の気候変動影響情報の活用

栃木県塩谷町(第2次塩谷町環境基本計画)

栃木県塩谷町は令和4年3月に策定した「第2次塩谷町環境基本計画」における「塩谷町気候変動適応計画」の中で、県の地球温暖化対策実行計画及び気候変動影響調査の内容を基に気候変動影響の情報をまとめています。気候変動によって過去に経験のない影響が生じる可能性もあることから、市町村内で生じた影響のみに絞るのではなく、都道府県等の気候変動影響調査結果等を用いて幅広く情報収集し影響を把握することも考えられます。

 6 県の気候変動影響の情報を用いた情報の整理

図 6 県の気候変動影響の情報を用いた情報の整理

出典:第2次塩谷町環境基本計画(令和4年、塩谷町)

 

追加事例

都道府県の気候変動影響情報の活用

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

神奈川県横須賀市「ゼロカーボンシティよこすか 2050アクションプラン」

神奈川県横須賀市は、令和4年3月に策定した「ゼロカーボンシティよこすか 2050アクションプラン」において、国及び神奈川県(神奈川県気候変動適応センター)の資料や、横須賀市内で影響が確認されている情報を踏まえて、これまでの気候変動影響と将来の気候変動影響を整理しています。

出典:ゼロカーボンシティよこすか 2050アクションプラン(令和4年、横須賀市)を一部編集

 

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【STEP 3】 将来の気候変動影響の整理

将来想定される気候変動影響の情報を収集し、整理します。

地域適応計画は、より効果的かつ効率的な適応策の実施のために、将来変化していく気候変動影響を見据えて策定することが大変重要です。

例えば、河川の水門の施設などは、計画の立案、設計、施工、施設の使用までを考えると、数十年の長期にわたり、一度造ると、気候変動影響が拡大して対処が困難になってきた場合でも、簡単に施設を更新することはできません。そのため、新規に建設する場合は、設計段階から将来の気候変動影響を考慮することで、効率的に将来の安全性を確保することができます。このように将来の気候変動影響に備え、今から対策を実施しなければならない施策は他にも多くあります。

ここでは、STEP2で収集した気候・気象現象の影響が、将来どのように変化するか、これまで経験していない影響が新たに生じる可能性があるかなど、将来の気候変動影響を整理します。

気候変動への適応の観点からは、これまでに経験していない影響が将来新たに生じる可能性についても、広く情報収集することが重要です(手順編p.58参照)。また、負の影響だけでなく、機会(チャンス)に関する情報も収集し、適応取組を地域の魅力向上や地域経済の活性化などにつなげることも重要です。

市町村では、都道府県の地域適応計画に記載されている区域の将来の気候変動影響を活用することも考えられます。また、近隣市町村の地域適応計画を参考にすることも有用です。

また、国の気候変動影響報告書の「将来予測される影響」を参考とすることもできます。

A-PLATには、コメの収量や品質、熱中症搬送者数といった、いくつかの気候変動影響の将来予測が、マップやグラフで提供されています(手順編p.100参照)。

都道府県の地域適応計画、国の気候変動影響報告書、A-PLATなどの情報を基に、区域に関係する気候変動影響情報を整理します。手順編p.57(表24)に参考になる報告書や資料を示しています。

 

事例

県の調査結果を活用した市の計画策定

栃木県大田原市「大田原市気候変動適応計画ー0版」

栃木県大田原市では栃木県地球温暖化対策実行計画及び令和元年度栃木県気候変動影響調査の調査結果を参照し、大田原市に関連する影響についてまとめています。以下の大田原市の将来影響の記載は図左側の「栃木県の調査結果」から、大田原市に関連する予測情報を抽出して整理しています。

 7 県の調査結果を用いた将来影響の予測の整理

図 7 県の調査結果を用いた将来影響の予測の整理

出典:大田原市気候変動適応計画第0版(令和3年、栃木県大田原市)

栃木県気候変動対策推進計画(令和3年、栃木県)

 

追加事例

国や県の影響予測情報を活用した市の計画策定

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

静岡県三島市「第3次三島市環境基本計画」

静岡県三島市では、令和4年3月に策定された「第3次三島市環境基本計画」において、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)の気候変動の将来予測WebGISを活用して、三島市における気候変動影響について整理しています。

以下の例では、コメの収量について、厳しい温暖化対策を取った場合(RCP2.6)と厳しい温暖化対策を取らなかった場合(RCP8.5)のそれぞれで収量がどのように変化するかをマップで示しています。

出典:第3次三島市環境基本計画(令和4年、三島市)

千葉県印西市「第3次印西市環境基本計画」

千葉県印西市では、令和4年3月に策定した「第3次印西市環境基本計画」で、気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)の気候変動の将来予測WebGISを活用しています。熱中症搬送者数、コメ収量(品質重視)の増減の21世紀末における影響について、厳しい地球温暖化対策を実施した場合(RCP2.6)と、地球温暖化対策を実施しなかった場合(RCP8.5)の出力結果を表示しています。

 

出典:第3次印西市環境基本計画(令和4年、印西市)

岐阜県岐阜市「岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」

岐阜県岐阜市では、令和5年3月に新規策定した「岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」で、県の気候変動影響の予測結果を使用して市の影響を整理しています。以下の例では、岐阜県気候変動適応センターが作成した「富有柿の栽培に適した土地の範囲」の予測結果を掲載しています。

出典:岐阜市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)(令和5年、岐阜市)

 

計画作成のコツ③

・都道府県と市町村では区域が重なるため、都道府県が取りまとめた地域適応計画から、各市町村の状況に応じて当てはまる影響を抜き出して整理することができます。

・詳細な影響予測の情報が不足する分野は、これまでの気候変動影響と、影響の原因となる気候・気象条件の将来予測を用いて、将来の影響を想定することが考えられます。

例)これまで猛暑日には熱中症搬送者数が増加していた。将来猛暑日が更に増加することが予測されているため、熱中症搬送者も更に増えると思われる など

・気候に関する予測情報を収集した上で、各分野において今後どのような影響が生じる可能性があるか、庁内関係部局の担当者を対象としたワークショップなどを通じて情報収集する取組も有効です。

 

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【STEP 4】 影響評価の実施

各分野の気候変動影響の評価を実施し、地方公共団体において優先度の高い分野や項目を特定します。

気候変動の影響は幅広い分野に及びます。地方公共団体にとって、重大な影響を及ぼすと考えられるものから優先的に着手することが、効率的かつ効果的な取組を進めることにつながります。

ここでは、各分野の気候変動影響を評価し、地方公共団体にとって優先度の高い分野や項目を特定します。例えば、主要産業への影響など社会経済的に大きな影響をもたらすものや、人命に関わる影響、対策に要する時間が長期にわたる影響など、地域の状況に合わせて検討します。

国の気候変動影響報告書(資料集:参考資料1-8、1-9)や都道府県の気候変動影響評価を活用して優先度の高い分野や項目を特定することができます。

国の気候変動影響評価報告書では、気候変動の影響について7分野71項目を対象に、それぞれ「重大性」「緊急性」「確信度」の3つの軸で評価を実施しています。STEP2~3で整理した気候変動影響について、地方公共団体の地理的条件や社会経済状況を考慮しながら、「気候変動影響評価報告書」の当該影響の評価結果を活用することも可能です。

市町村では、都道府県の地域適応計画に記載されている気候変動影響評価を活用することが考えられます。

地域において気候変動影響の優先度を検討する際の着眼点の例を表 8に示します。

 

表 8 気候変動影響の優先度を検討する際の着眼点の例

着眼点

説明

影響の重大性

気候変動が地域の社会、経済、環境に及ぼす影響について、下記の視点で検討する。

・影響の大きさの程度(影響が及ぶ範囲や期間)、気候変動下における影響の大きさの変化

・影響が発生する可能性

・影響の不可逆性(元の状態に回復することの困難さ)

・影響に対する曝露1 ・脆弱性の規模

影響の緊急性

・影響の発現時期

>差し迫った影響(既に生じている影響や今後5年未満に生じる影響)と、中期(5~10年)・長期(10年以上)的な影響を区別する

・適応の着手・重要な意思決定が必要な時期

>適応に要する時間や適応の効果が表れる時期も検討し、手遅れにならないよう注意する

地域住民等の関心度

・地域の住民や事業者等の関心の高い影響を考慮する

地方公共団体の政策・計画・施策への影響

・気候変動の影響が地方公共団体の政策、計画、施策へ与える影響の大きさを考慮する

 


1曝露:影響を受ける可能性がある場所や環境に人々、生活、生物、生態系あるいは環境機能・サービス、資源、インフラ、経済的・社会的・文化的資産が存在すること

 

事例

都道府県の気候変動影響評価の活用

宮城県仙台市「仙台市地球温暖化対策推進計画2021-2030」

宮城県仙台市は令和3年3月に「仙台市地球温暖化対策推進計画2021-2030」を策定・公表しており、この中で仙台市における影響評価に関する内容を盛り込んでいます。この中では、気候変動影響評価報告書の各項目のうち、下記に当てはまるものを抽出しています。

・「重大性」「緊急性」「確信度」が「特に大きい」・「高い」であり、かつ仙台市に存在するもの(例:「水稲」は含めるが「サンゴ」は除く。)

・「確信度」が「中程度」など科学的不確実性があるものの、既に仙台市において影響が確認されていて、「重大性」「緊急性」が「特に大きい」・「高い」とされているもの

また、気候変動影響項目は、「宮城県地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」(平成30年10月改定)で示されている、県の気候変動影響の整理結果も参考にしています。

 8 仙台市域に関わり得る気候変動影響と影響評価の概要

図 8 仙台市域に関わり得る気候変動影響と影響評価の概要

出典:仙台市地球温暖化対策推進計画2021-2030(令和3年、仙台市)

 

追加事例

国や都道府県の気候変動影響評価の活用

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

鹿児島県鹿児島市「ゼロカーボンシティかごしま推進計画」

鹿児島県鹿児島市では、令和4年3月に策定した「ゼロカーボンシティかごしま推進計画」で、国の影響評価を活用しながら、鹿児島市の地域特性を踏まえた影響評価を実施しました。

影響評価は、国の評価と鹿児島市内における影響の有無に基づいて行われ、以下の①~③及びーに分類しています。

①:国の評価において「重大性」が「特に大きい」かつ「緊急性」及び「確信度」が「高い」とされ、鹿児島市にあてはまるもの

②:国の評価において「確信度」に科学的不確実性があるものの、既に鹿児島市内で影響が確認されており、「重大性」が「特に大きい」かつ「緊急性」が「高い」とされるもの

③:その他、鹿児島市において特に当てはまると考えられるもの(地域特性を踏まえて鹿児島市においても既に影響を受けている、地域特性を踏まえて鹿児島市においても将来影響が想定される 等)

ー:緊急性が低く、重大性が特に大きいとは言えない、又は現段階では評価できない項目

この分類に基づき、鹿児島市で取り組むべき適応策について優先順位を設定しています。

出典:ゼロカーボンシティかごしま推進計画(令和4年、鹿児島市)を一部編集

 

計画作成のコツ④

・影響評価は、地域適応計画の取りまとめを行う部局だけで決めるのではなく、関係部局に照会して決定することで、地域の状況により即した評価が可能となります。

・また、市民アンケートや市民との対話の場を通じた情報収集や、有識者との意見交換なども、地域特性を踏まえた影響評価の参考となります。

 

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【STEP 5】 既存施策の気候変動影響への対応力の整理

地方公共団体において優先度の高い気候変動影響を対象に、それぞれに関連する既存施策の情報を収集し、将来影響への施策の対応力を整理します。

地方公共団体が実施している施策の中には、気候変動影響への適応に資するものもあると考えられます。庁内の行政資料や計画を参照したり、庁内の関係部局に施策について問い合わせることで、STEP4で優先的に取り組むと判断された気候変動影響に関する既存の施策を整理します。

適応策は、現在既に生じている影響に加え、予測されている将来の気候変動影響にも対応する必要があります。そのため、既存施策が将来の気候変動影響に対して、十分な対応力を持っているか、あるいは持っていないため追加的な適応策を検討する必要があるかなど、適応策を検討するための方向性を整理することが重要です。

対応力の検討は、図 9に示すフローで実施することが考えられます。この図では、既存施策の将来影響に対する対応に応じた施策検討・見直しの方向性の例を示しています。

9 STEP5の実施フロー

図 9 STEP5の実施フロー

 

事例

既存施策の対応力の整理

東京都千代田区「千代田区気候変動に関する検討(案)」

東京都千代田区では令和3年11月に「千代田区気候変動適応計画2021」を公表しており、その検討過程で既存施策の対応力の整理を実施しています。その際、独自の判断基準を工夫し、既存施策の中から対応力の強化が必要と思われる分野を特定し、追加的施策として策定しています。同区では、熱中症と、洪水・内水等に施策を追加しました。

10 千代田区における既存施策の対応力の判断と、その結果一覧

図 10 千代田区における既存施策の対応力の判断と、その結果一覧

出典:千代田区気候変動適応に関する検討(案)(令和2年、東京都千代田区)

 

追加事例

庁内での適応に資する既存施策の情報収集

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

北海道函館市「第2次函館市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」

北海道函館市は、令和5年1月に策定した「第2次函館市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」で、庁内から適応に資する既存施策を以下の手順で情報収集しています。

まず計画策定担当者が、他の地方公共団体の調査等を参考に、市に関係すると思われる項目を抽出し、適応に関連する施策として一覧表でまとめています(下表)。

関連部局にこの一覧表の確認を依頼し、回答を整理した上で「気候変動の影響に対する適応策」としてまとめています。

 

一覧表の項目

(適応策の)分野

気候変動による変化(予測されるメリット・デメリット)

現在の取組状況と今後の対応方針

関連する計画・事業・施策等

部局名

 

出典:第2次函館市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)(令和5年、函館市)

栃木県高根沢町「高根沢町気候変動適応計画<第0.1版>」

栃木県高根沢町では、令和5年1月に策定した「高根沢町気候変動適応計画<第0.1版>」において、庁内から適応に資する既存施策を以下の手順で情報収集しています。

まず、計画策定担当課において、各課職員と話したり、予算情報を確認したり、町の発行する計画を確認したりすることで、関係各課の潜在的適応策を洗い出しています。その後、全庁に対して、照会用のシートを作成しています。照会用のシートは課ごとに作成し、適応策として考えられる施策を記入した上で、各施策に関連する要綱、ルール等を埋めてもらう形式になっています。

出典:高根沢町気候変動適応計画 <第0.1版> (令和5年、高根沢町)

神奈川県鎌倉市「鎌倉市地球温暖化対策地域実行計画(区域施策編)」

神奈川県鎌倉市では、令和4年5月に改訂した「鎌倉市地球温暖化対策地域実行計画(区域施策編)」で、庁内から適応に資する既存施策を以下の手順で情報収集しています。

まず、適応に資する既存施策について、施策名、実施主体、施策の概要、関連計画を記入するシートを全庁に対して配布し、記入を依頼しています。その際、適応に資する施策を実施していることを事前に把握していた部局に対しては、回答するよう前もって声かけを行っています。また、事業が適応策に該当するかの問い合わせを受けた際は、当該部局に事業内容の聞き取りを行い判断する、といった工夫をしています。

照会結果を回収した後、担当部局でその施策が適応に該当するかの確認を行い、最終的な適応施策の選定を行っています。

出典:鎌倉市地球温暖化対策地域実行計画(区域施策編)(令和5年、鎌倉市)

 

計画作成のコツ⑤

・国や都道府県で適応策として挙げられている施策、A-PLATの適応策事例等を参考に、庁内の各計画などから、適応に資する既存の施策があるかどうかを確認しておくことで、スムーズに進められる可能性があります。

・その際、施策の目的が気候変動適応ではないものであっても、適応に貢献すると思われる施策についても確認をしておきましょう。

・関係部局に照会を行った際に、既存の施策は「適応策ではない」と言われるケースもあるようです。そのような場合は、都道府県や他の市町村で実施されている類似の施策が適応策として位置付けられていることを示すことによって、理解が進む可能性もあります。

 

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【STEP 6】 適応策の検討

STEP5で「新規または追加的な施策が必要」とされた気候変動影響に対し、具体的な適応策の情報を収集し、今後の対応を検討します。

地域適応計画には、今後どのような適応策を実施していくかについての情報を記載します。そのため、STEP5で整理した既存施策の対応力の方向性を基に、どのような適応策を実施していくか検討します。

11 STEP6の実施フロー

図 11 STEP6の実施フロー

 

STEP4の気候変動影響の評価において、地方公共団体で優先度が高いと思われる分野や項目などについて、情報やデータの不足により、適応策の検討等が困難となるケースも考えられます。そのような場合には、気候変動影響の把握を目的としたモニタリングを計画的に実施することも考えられます。

「新規または追加的な施策が必要」となった場合は、可能な限り多くの適応策の候補(オプション)を抽出し、検討することで、より適切で効率的な適応策を選ぶことが可能となります。適応オプションの抽出に当たっては、手順編p.85「STEP 6で活用できる参考資料一覧」(表36)にある参考資料が参考になります。

 

計画作成のコツ⑥

・具体的に適応策を策定できないときは、今後の方向性を示しておき、次回以降の改定を目指して、検討を進めていくことも可能です。そのような場合には、地域適応計画を策定した後も、定期的に関係部局とのコミュニケーションをとり、気候変動影響に関する情報を提供するなど、各部局の施策において気候変動影響を加味した検討を行えるよう継続的にサポートしていくことが重要となります。

 

事例

適応策の方向性の提示

埼玉県「地球温暖化対策(適応策)の方向性」

埼玉県は、令和2年3月に公表した「地球温暖化対策(適応策)の方向性」の中で、関連既存施策等の現状の点検結果(手順編p.74参照)に基づき、今後の取組の方向性を短期・中長期に分けて記載しています。また、追加的に検討が必要な事項を「残された検討課題」として記載をしています。

12 埼玉県における適応策

図 12 埼玉県における適応策

出典:「地球温暖化対策(適応策)の方向性」(令和2年3月、埼玉県)

 

追加事例

適応策の方向性の提示

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

北海道旭川市「旭川市気候変動適応計画」

北海道旭川市では、令和4年3月に新規策定した「旭川市気候変動適応計画」で、分野・項目ごとに気候変動影響と適応策の整理を行っています。

その中で、適応策については、「既に実施している施策」と、「今後、状況に応じて実施する施策」を分けて表示することにしています。

 

(中略)

出典:旭川市気候変動適応計画(令和4年、旭川市)を一部編集

長野県松本市「まつもとゼロカーボン実現計画」

長野県松本市では、令和4年8月に策定した「まつもとゼロカーボン実現計画」において、気候変動影響と適応策の実施状況を加味した「適応レベル」を設定しています。

「適応レベル」は、「気候変動適応の理論的枠組みの設定と具体化の試行(白井信雄(2014))」を参考にしながら設定されました。このレベルは、策定後にも管理ができることを念頭に計画策定部局で設定を行い、策定時の適応策の実施状況と、これまで確認されている気候変動影響を加味しています。それぞれのレベルの凡例は以下のとおりです。

レベル1:対策により影響を発生させない(もしくは影響を抑え、保護する)防御(可能)レベル

レベル2:影響が深刻であり、防御のみでは、ある程度の影響の発生が避けられないため、ソフトウェア・ヒューマンウェアを組み合わせて影響を軽減する(もしくは影響を軽減し、ある程度の変化は許容し、重点対象を保護する)順応(可能)レベル

レベル3:影響が避けられず、かつ甚大であるため、脆弱性の要素である感受性の根本治療が必要となる転換・再構築レベル

出典:まつもとゼロカーボン実現計画(令和4年、松本市)を一部編集

 

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【STEP 7】 適応策の取りまとめと地域気候変動適応計画の策定

STEP1~STEP6で整理した情報を取りまとめ、地域適応計画を策定します。

ここまでのSTEPで地域の特徴や気候変動影響、その適応策に関する情報が収集されているため、これらの情報を取りまとめることで地域適応計画を策定することができます。

 

追加事例

適応策の取りまとめの方法

※追加事例は、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例です。

熊本県荒尾市「荒尾市地球温暖化対策実行計画」

熊本県荒尾市では、令和4年3月に策定した「荒尾市地球温暖化対策実行計画」において、気候変動の影響に対する各主体の適応策を記載しています。

その中では、市民、事業者、行政と主体別に分けて取組の内容を記載しています。

出典:荒尾市地球温暖化対策実行計画(令和4年、荒尾市)

静岡県浜松市「浜松市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」

静岡県浜松市は、令和3年4月に新規策定した「浜松市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」で、適応策を分野別に整理しています。整理に際して、各分野で懸念される影響と浜松市が取り組む適応策について、アルファベットを用いて対応関係を示しています。

※表中のアルファベットは、「懸念される影響」と「適応策」の対応関係を示す。

出典:浜松市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)(令和3年、浜松市)

東京都日野市「第4次日野市地球温暖化対策実行計画」

東京都日野市では、令和4年4月に策定した「第4次日野市地球温暖化対策実行計画」で、市が推進する適応策と地域で取り組む適応策を記載しています。中でも、地域で取り組む適応策については、地域の意識を醸成することを考え、気候や影響に関する解説を行いながら取組を記載しています。

出典:第4次日野市地球温暖化対策実行計画(令和4年、日野市)

 

計画作成のコツ⑦

・計画を取りまとめる際は、STEP1~6の全てを文書化して掲載する必要はありませんが、どのような施策を実施するかの記載は必要です(記載の際はひな形編を適宜御活用ください。)。

・一方で、次回改定時には今回の検討過程の情報は重要ですので内部資料として残しておきましょう。各STEPの検討内容・課題を手順編のチェックリストを用いて整理しましょう。

 

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【STEP 8】 地域気候変動適応計画の進捗状況の確認

地域適応計画に記載した適応策について、進捗状況の確認を行います。

地域適応計画にて定めた適応策の実施状況の進捗確認を定期的に行うことで、より適切に気候変動影響に対処することができます。

地域適応計画を、地方公共団体実行計画などの計画に組み込んでいる場合は、その計画の枠組みで実施することが考えられます。

進捗確認のタイミングについては、毎年度あるいは2年に1度など、地域の実情に合わせて設定してください。

 

地域適応計画にて定めた適応策の進捗状況を定性的に確認します。例えば、下記のような方法が考えられます。

・施策を担当する関係部局に個票を作成してもらい、情報をまとめる

・各施策の実績を、外部有識者による審議会等で点検・評価する

 

事例

進捗評価

札幌市「札幌市気候変動対策行動計画」

北海道札幌市は、令和3年3月に公表した「札幌市気候変動対策行動計画」の中で、進行管理の流れを図として示しています。

13 北海道札幌市における適応策に関する進行管理の流れ

図 13 北海道札幌市における適応策に関する進行管理の流れ

出典:札幌市気候変動対策行動計画(令和3年、北海道札幌市)

 

■掲載事例等一覧

マニュアルに掲載されている事例と、国立環境研究所が本マニュアル策定後(令和5年9月)に追加した事例・資料の一覧です。

 

STEP

マニュアル事例・
追加事例

事例名

自治体名

STEP1

マニュアル事例

地域適応計画の位置付け

北海道旭川市

追加事例

他の計画と統合した場合の構成例

①長崎県長崎市

②埼玉県加須市

③兵庫県高砂市

④長野県飯田市

マニュアル事例

地域適応計画策定スケジュール

新潟県新潟市

マニュアル事例

地域特性の整理

神奈川県横浜市

STEP2

マニュアル事例

都道府県の気候変動影響情報の活用

栃木県塩谷町

追加事例

都道府県の気候変動影響情報の活用

神奈川県横須賀市

STEP3

マニュアル事例

県の調査結果を活用した市の計画策定

栃木県大田原市

追加事例

国や県の影響予測情報を活用した市の計画策定

①静岡県三島市

②千葉県印西市

③岐阜県岐阜市

STEP4

マニュアル事例

都道府県の気候変動影響評価の活用

宮城県仙台市

追加事例

国や都道府県の気候変動影響評価の活用

鹿児島県鹿児島市

STEP5

マニュアル事例

既存施策の対応力の整理

東京都千代田区

追加事例

適応策の実施状況に関する庁内での情報収集

①北海道函館市

②栃木県高根沢町

③神奈川県鎌倉市

STEP6

マニュアル事例

適応策の方向性の提示

①埼玉県

追加事例

適応策の方向性の提示

①北海道旭川市

②長野県松本市

STEP7

追加事例

適応策の取りまとめの方法

①熊本県荒尾市

②静岡県浜松市

③東京都日野市

STEP8

マニュアル事例

進捗評価

北海道札幌市

地域気候変動適応計画策定マニュアル

はじめに
1. 地方公共団体による気候変動適応の推進と地域気候変動適応計画
2. 本マニュアル及びツールの使い方
3. 地域気候変動適応計画の策定/変更
4. 国立環境研究所気候変動適応センターによる支援

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