放射冷却素材SPACECOOL®による暑熱課題へのソリューション

SPACECOOL株式会社

業種:製造業

掲載日2024年1月18日
適応分野産業・経済活動 / 健康

会社概要

SPACECOOL株式会社は、世界最高レベルの放射冷却素材「SPACECOOL®」を開発・製造・販売する日本発の気候テック・スタートアップ企業である。当社は、国内の表彰やメディア露出を多数獲得しているだけでなく、中東をはじめ世界中の国からも注目を浴びている。

気候変動による影響

近年、気候変動による極端な高温により、熱中症リスクや屋外機器の故障リスク、エネルギー消費の増加など、世界中で暑熱由来の課題が発生している。これらの課題を緩和させるだけでなく、いかに適応していくかが今後の人類に求められている。

適応に関する取り組み

SPACECOOL®は、直射日光下において太陽光と大気からの熱を95%以上ブロックし熱吸収を抑えるだけでなく、放射冷却の原理により95%以上の熱を宇宙に逃がすことで、ゼロエネルギーで外気より温度低下することが可能な世界最高レベルの放射冷却性能を有する光学フィルムである(図1、図2)。

SPACECOOL®をあらゆる対象物に「貼る」もしくは「覆う」だけで、簡単に放射冷却機能を付与することができる。例えば、分電盤の表面に施工した場合、直射日光を反射し盤内の温度上昇を10℃以上抑制することで、故障による停電等のリスクが大きく減少する。

当社では、SPACECOOL®が最初から施工された「COOL分電盤(図3、図4)」の製品展開も進めており、SPACECOOL®を貼り付けた分電盤の台数は400台にのぼる(23年12月現在)。また、建屋の屋根に施工した場合には、室温の上昇を抑制することで、空調エネルギーの使用量を約20%削減することができ、省エネにも繋がる。
※いずれの例も使用環境によって効果は変動する。

既に日本国内では多くの企業でSPACECOOL®が導入されている。また、暑熱課題を抱えている国は日本以外にも多く存在し、中東地域や東南アジアを中心に世界中で屋外分電盤や建屋への施工等に係る実証試験が進んでおり、今後の普及拡大が期待される。

効果/期待される効果等

SPACECOOL®は、対象物を選ばずに誰もが容易に導入できる特性を生かし、エネルギーを消費せずに「人・モノ・社会」が抱える暑熱課題へのソリューションとして、以下の効果が期待される。

✔「人」熱中症予防や食品鮮度維持等へ貢献

✔「モノ」屋外機器の故障抑制や積載スペース効率化等へ貢献

✔「社会」温室効果ガス排出抑制やゼロエネルギー等へ貢献

さらなる普及活動を進めていくことで、世界共通の課題となっている地球温暖化やエネルギー枯渇問題の解決へ寄与する事が期待される。

SPACECOOL®フィルム(白・銀)
図1 SPACECOOL®フィルム(白・銀)
放射冷却原理のイメージ図(上)とSPACECOOL®と他材の機能比較(下)
図2 放射冷却原理のイメージ図(上)とSPACECOOL®と他材の機能比較(下)
「COOL分電盤」
図3 「COOL分電盤」
通常の分電盤(左)と「COOL分電盤」(右)の温度比較
図4 通常の分電盤(左)と「COOL分電盤」(右)の温度比較
出典・関連情報

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