高精度衛星測位（Shamen-net）を活用した鉱山の残壁管理
国際航業株式会社
業種：学術研究、専門・技術サービス業
| 更新日 | 2021年10月8日 |
|---|---|
| 掲載日 | 2016年12月2日 |
| 適応分野 | 自然災害・沿岸域 |
会社概要
国際航業は、空間情報技術のリーディングカンパニーとして社会インフラ、防災・環境保全、再生可能エネルギーのノウハウを活かし安全で安心なまち「グリーン・コミュニティ」を先導している。
気候変動による影響
日本国内にはかつて1000を超える露天掘り鉱山があったが、その多くが廃山、休山となっており、現在稼動中の鉱山は最盛期に比べ約半数とされている。露天掘り鉱山においては、安定的な残壁を形成しつつ採掘を進めることが安全面や景観保護の観点から重要な課題となっている。また、鉱山保安法は、休廃止鉱山に対しても、こうした危害防止対策等を事業者に求めている。 一方、気候変動が進行すると、雨の強さや台風の規模、強さが増大して、従来以上の災害発生の可能性が高まることが指摘されている。これは近年の夏における台風の異常襲来などをみても、国民にとって身近に感じられている。
適応に関する取り組み
災害発生時における鉱山残壁管理の重要性がより高まっている中、斜面変位をリアルタイムに計測、安定性評価を行って、インターネットで有益な防災情報を提供するサービス「斜面の変位観測 Shamen-net」を提案している。本サービスは、GNSS/GPS自動計測システムを用いて地盤や構造物の変位をリアルタイムに3次元・mm単位で計測し、専任技術者が計測変位を24時間365日監視する維持管理支援サービスである（図１、図２、図３）。本サービスは、天候に左右されず夜間でも計測が可能である。計測データ等の有益な防災情報はインターネットを用いて、月額定額料金で提供する。以下に本サービスの特長を記す。
- 最新のGNSS/GPS自動計測システムを用いて、地盤や構造物の変位をリアルタイムかつ3次元・mm単位で計測
- 専任技術者が24時間365日、計測変位を監視し、異常時にお客様へ通報（電話またはメール）
- トレンドモデルを用いた解析により、高精度（約2mm）な変位計測
- 最新の計測結果をインターネットで確認可能（携帯電話でも確認可能）
- 計測変位の他に、降雨量・天気予報などの気象情報も配信
- 費用は月額定額料金（GPS機器・通信費込）で、安価に計測可
効果／期待される効果等
本サービスの活用により下記の効果が期待される。
- 高精度な計測結果をリアルタイムで把握できる
- 天候に左右されず、夜間でも計測が可能
- オンライン回収のため、集中豪雨時や夜間でも事務所で監視が可能であり、職員・作業員の安全性が向上する
- 現場の計測業務が省力化できる
- 施工管理に利用すれば、情報化施工が可能となる
- 竣工後も監視を継続することで、対策効果の判定、維持管理にも利用でき、性能設計や補強対策の投資効果の明確化を支援する
