BCPにおける水害対策の強化
株式会社トヨックス
掲載日 | 2018年10月26日 |
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適応分野 | 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動 |
会社概要
気候変動リスクに関する取組
株式会社トヨックスの富山県黒部市にある本社工場は、三方を河川に囲まれており、豪雨時に浸水被害を受けやすい立地にある。実際に1985年の豪雨時には浸水被害があった。また気候変動の影響により、今後、台風や豪雨等による浸水・増水の規模と頻度が増える恐れがある。このようなことから、BCP(事業継続計画)において水害対策を優先させて取り組んでいる。
水害対策の一つでは、雨量監視を行っている。雨量計(図1)が雨量30㎜/hを検知すると第一報を、50㎜/hで第二報の警報メールを配信するシステムである。毎月動作テストを実施し、豪雨に備えている。
その他に、河川水位監視、重要設備の保護(電子機器のかさ上げや受電設備の高所への設置)商品・倉庫の保護(高さ70㎝の防水板の設置)、実地訓練(排水ポンプの取り扱いや緊急呼び出し訓練)等を行っている(図2)。実際に災害発生時に対応するためには、体に覚えこませておくことが重要なため実地訓練は定期的に行っている。さらに直近では、災害時の社員を保護するために、緊急時の食糧・飲料水の備蓄、簡易トイレ・毛布・ラジオ・PHS等の常備を始めた。
このように事前対策を取ることで、水害の影響を受けづらくなり、顧客への安定的な商品供給につながる。トヨックスは納期厳守という点を顧客から高く評価されていることもあり、安定供給を可能にするBCP対策を重要視している。顧客からの信頼維持、従業員と家族の安全確保、そして地域・社会への貢献のために、BCP対策を続けていく。