グループが連動した業務継続戦略の取組
東急株式会社
業種:運輸業、郵便業 / 不動産業、物品賃貸業
掲載日 | 2023年6月19日 |
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適応分野 | 自然災害・沿岸域 |
会社概要
東急グループは、222社5法人からなり、「交通」「不動産」「生活サービス」「ホテル・リゾート」の4つの事業領域で、人々の暮らしを支えるさまざまな事業を展開している(2023年3月末日時点)。創業以来、鉄道事業を基盤とした「街づくり」を通じて、社会課題の解決に取り組んでおり、持続的に社会課題の解決に取り組む「サステナブル経営」を基盤としている。
気候変動による影響
近年、気候変動により豪雨や台風による激甚な洪水氾濫、土砂災害が頻発している。2019年10月、台風第19号によって東急グループが運営する介護施設が一部浸水被害にあった。
気候変動リスクに関する取組
当グループは、気候変動等による災害時にも事業を継続して地域を守るための取組を進めている。
例えば、東急ベルは、各家庭に食材や日用品等の配送業務を行う。日頃から大規模災害への備えとして、地元警察との災害時の連携体制の構築や「想定外を想定する」訓練を実施している。また、ビルの運営管理を行う東急プロパティマネジメント株式会社は、社内に事業継続に関する専門組織「BC研究センター」(BC: Business Continuity=事業継続)を設置し、有事への備えとして積極的に顧客に対してBCPに関する提案を行っている(図1)。
このような日頃の備えの成果が発揮された例を挙げる。2019年10月、台風第19号によって当グループが運営する介護付有料老人ホームが被災し、1階部分が浸水・停電し、入居者およびスタッフが上層階へ避難する事態となった。1階の厨房や電気設備が浸水したため、入居者への食事の提供ができず、照明がつかないため入所者の介護も難しいという事態に陥った。そこで老人ホーム運営者から東急ベルに支援を要請し、その日の内に近隣施設と連携して調理された給食を提供することができた。
また電気設備の復旧は、東急プロパティマネジメント株式会社が担った。老人ホームの1階にあった機器類は壊滅状態であったため、日中でも建物内は暗く、照明を最優先で復帰させ「入居者の安⼼」を最優先業務として対応した。
2019年10月23日には当グループで実施されているさまざまな事業継続活動を社内外に周知することを目的として「BC FACT BOOK」を発行した(図2)。
効果/期待される効果等
当グループは、これからも大規模災害時の事業の復旧や継続を可能にする取り組みはもちろんのこと、帰宅困難者対策などの地域課題にも積極的に取り組み、各自治体や民間事業者などとも連携することで、「新しい時代のサステナブルなまちづくり」を進めていく。
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