インタビュー地域気候変動適応センターVol.30 さいたま市

さいたま市気候変動適応センター

さいたま市の地域特性、センター設置の経緯や組織体制についてお聞かせください。

さいたま市は、埼玉県の南東部、東京都心から20~40㎞に位置する内陸都市です。市域は、東西、南北とも約20㎞の広がりを持ち、面積は約217㎢、標高は3~20mで、全体的には高低差が少ない平坦な地形です。市内には、荒川、鴨川、鴻沼川、芝川、綾瀬川、元荒川等の河川が流れているほか、芝川沿いの見沼田圃等には農地や樹林地が広がり、市内の緑の資源として重要な存在となっているだけでなく、首都圏においても貴重な自然環境となっています。

見沼田圃とさいたま新都心
(提供:さいたま市)

地域気候変動適応センター設置のきっかけとしては、平成30年12月の気候変動適応法の施行や、令和3年3月の地球温暖化対策実行計画の改定及び気候変動適応計画の策定が挙げられます。また、令和2年7月に、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ(ゼロカーボンシティ)を目指すことを表明していることからも、地球温暖化対策や気候変動への取組推進・強化が求められていました。

地域気候変動適応センター設置にあたっては、気候変動適応に関する情報の収集や分析等のほか、広域的な連携が必要であることから、埼玉県気候変動適応センターと共同で、令和3年4月に“さいたま市気候変動適応センター”を設置しました。

さいたま市気候変動適応センターは、埼玉県気候変動適応センター及びさいたま市環境局環境共生部環境創造政策課により構成され、さいたま市環境局長をセンター長としています。

地域適応センターの活動内容について、現在取り組まれていることや今後予定されていることがあれば教えてください。

さいたま市は、気候が非常事態にあるという危機感を市民・事業者などのあらゆる主体と共有し、一丸となって行動するため、令和3年5月に気候非常事態を宣言しました。

現在は、さいたま市気候非常事態宣言及びさいたま市気候変動適応計画に基づき、気候変動への問題意識や危機感の共有、気候変動適応への理解促進のため、動画や冊子等を作成し、広く周知・啓発を行っています。また、令和3年度には、市立小学校にて「地球温暖化と暑さ対策」セミナーを開催し、埼玉県気候変動適応センターと連携した周知・啓発事業も実施しています。

庁内関係部局との連携や市、事業者の適応推進において工夫されている点や課題などありましたらお聞かせください。

さいたま市では、気候変動適応策の推進に関する庁内関係部局との情報共有の場として、ゼロカーボンシティ推進委員会を設置しております。また、庁内関係部局へヒアリングを実施するなど、適応策に資する業務の把握に努めています。

適応策の推進における課題としては、気候変動適応の考え方が広く浸透していないことが挙げられます。また、事業者への支援についても、ニーズの把握を含め、今後の課題と考えます。

現在の業務に携わるやりがい、今後の展望をお聞かせください。

地球温暖化や気候変動への対策は、私たち一人ひとりの意識と行動が重要となりますので、気候変動への問題意識や危機感の共有、気候変動適応への理解促進に向けた周知・啓発を継続していくことが必要であり、意義があることと考えています。また、埼玉県気候変動適応センターをはじめ、幅広い関係者と連携・協力を図り、適応策の推進に取り組んでまいります。

この記事は2022年11月15日の書面による回答に基づいて書いています。
(2022年12月27日掲載)

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