インタビュー地域気候変動適応センターVol.16 大阪府

おおさか気候変動適応センター

大阪府の地域特性、センター設置の経緯や組織体制についてお聞かせください。

1)大阪府の地域特性(2030大阪府環境総合計画 2021年3月より抜粋)

大阪の強み

大規模な人口と経済を抱える大都市圏の中核

都市部を囲む山や海、貫く川などの豊かな自然

自然環境と都市部が近接する地理的条件

優れた技術を有する多種多様な中小企業の集積

環境・新エネルギー産業で強みを有する企業の立地

大阪の機会

大阪府・大阪市の共同提案がSDGs未来都市に選定(2020年7月)

コロナ禍による社会の変容

2025年大阪・関西万博の開催

大阪府の地図

2)気候変動適応センター設置の経緯と組織体制

大阪府においては、2017年12月に大阪府地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を改定し、府域において既に現れている、もしくは将来現れると予測される気候変動の影響と、それに対する「適応策」について、「農業、森林・林業、水産業」「水環境」「自然生態系」「自然災害・沿岸域」「健康」「産業・経済活動」「府民生活・都市生活」の7分野に整理し、2018年9月に「気候変動への適応に係る影響・施策集」としてとりまとめるとともに、2019年1月に大阪府の気候変動適応法に基づく適応計画として位置付けて適応策を推進してきました。

2020年4月には、地域気候変動適応センターとして、地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(以下「環農水研」という。)を指定※しました。

※大阪府と環農水研の間で「地域気候変動適応センターに関する協定書」を締結し、環農水研内に「おおさか気候変動適応センター」を設置しています。

地域適応センターの活動内容について、現在取り組まれていることや今後予定されていることなどがあれば教えてください。

1)令和3年度は、環境省より「国民参加による気候変動情報収集・分析委託業務」を受託し、以下の調査を実施しています。

(農業分野)

熱帯果樹の栽培可能性、②もも・いちじくへの気候変動影響、③水稲の高温耐性品種への影響

(健康分野)

将来におけるWBGTの予測、②暑さ対策技術の現地実証、③暑さ対策技術の機器分析による評価

2)令和3年度は、大阪府より「おおさか気候変動適応・普及強化事業委託業務」を受託し、以下の項目を実施しています。

①関係者団体向け暑さ対策セミナー(教育、福祉、農業)

②市町村担当者向け気候変動適応セミナー

③市町村担当者向け気候変動適応ワークショッ

3)研究機関との連携による情報収集や、おおさか気候変動適応センターのホームページの運営、ポスター・パンフレット、チラシの配布による普及啓発を実施しています。

庁内関係部局との連携や府、事業者の適応推進において工夫されている点や課題などありましたらお聞かせください。

庁内関係部局との連携

  • 大阪府温暖化対策推進会議 検討部会にオブザーバーとして出席し、大阪府地球温暖化対策実行計画(区域施策編)の取組状況等を情報共有しています。
  • 分野毎に関係する部署へは個別にヒアリングを実施しています。
  • 環農水研内の農業、水産業、自然生態系等の関係部門を通じた情報共有しています。

大阪府内の市町村

「おおさか気候変動適応・普及強化事業委託業務」によりセミナーやワークショップを実施しています。

事業者の適応推進

  • 事業者への情報発信の充実が課題です。

現在の業務に携わるやりがい、今後の展望をお聞かせください。

やりがい

気候変動は幅広い分野に影響するため、様々な関係者とのコミュニケーションを通じ、新たな知見が得られることです。

今後の展望

将来の気温や降水量等の予測データを適切に提供できる体制を構築し、大阪府内の情報ハブとして機能する組織を目指しています。

この記事は2021年12月20日の書面による回答に基づいて書いています。
(2022年4月12日掲載)

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