「Biome(バイオーム)」を用いた気候変動いきもの大調査(冬編)

株式会社バイオーム

業種:情報通信業
掲載日 2022年2月10日
適応分野 自然生態系

会社概要

株式会社Gaia Visionロゴ

株式会社バイオームは「生物多様性の保全を社会の当然に」のビジョンのもと、生物多様性ビッグデータの作成・活用を進めることで「生物多様性市場」を創出し、環境保全活動と経済合理性が両立した社会の実現を目指している。

気候変動による影響

植物の開花や鳥の渡りといった季節性のある現象は、四季の気温の変化と深い関わりがあるため、地球温暖化は生き物の暮らしに大きな影響を及ぼすことが危惧される(注)。

適応に関する取り組み

当社は、生き物データサービスとして画像から生きるものの名前を判定するAIを開発し、写真撮影した生き物をゲーム感覚で図鑑にコレクションできるスマホアプリ「Biome(バイオーム)」を運営している。そして、本アプリを利用した企画「気候変動いきもの大調査(冬編)」を環境省と共同で2020年に実施した。これは、地球温暖化の影響で分布(住む場所)が変化している可能性のある生物を記録し、地球温暖化の影響を明らかにしていくとともに、国民に地球温暖化対策アクションを呼びかけるものである。
参加者はアプリ内で、「クエスト」(全25個、「調査クエスト」と「学ぶクエスト」の2つ)と呼ばれる様々な課題に挑戦した(図1)。
「調査クエスト」では、気候変動の影響を受けている可能性のある生物種を見つけて投稿することで課題のクリアとなり、「学ぶクエスト」では、エコな生態をもついきものを取り上げ、その生態や行動から我々人間がまねて地球温暖化対策を学ぶというコンセプトとなっている。

効果/期待される効果等

調査クエストで得られた生物データは過去のデータと併せて解析し、分析結果をわかりやすく発信することで、国民一人ひとりに気候変動の影響を身近に感じ、あわせて地球温暖化対策の実践を促す(図2)。
また、学ぶクエストを通じて実際に対象のいきものを発見し、その賢い生き方を観察し、日々の暮らしに活かされることが期待される。
当社が行う世界中の生物種の分布データの収集、その利用の最適化により、温暖化による生態系の変化予測や外来種の侵入状況の把握など、これまで人類が抱えてきた多くの課題を解決することが可能だと考えている。

参加方法
図1 参加方法
令和2年度 気候変動いきもの大調査(冬編)結果報告
図2 令和2年度 気候変動いきもの大調査(冬編)結果報告

脚注
(注)Koike, S., Fujita, G., & Higuchi, H., (2006). Climate change and the phenology of sympatric birds, insects, and plants in Japan. Global Environmental Research, 10, 167–174.

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