【用語解説】気候モデル(MIROC5、MRI-CGCM3)

MIROC5とは

  • 東京大学/国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人海洋研究開発機構の共同により開発された気候モデルのことです。
  • このモデルを利用して日本を含むアジアの気候やモンスーン、梅雨前線等の再現性や将来変化の研究が実施されています。
  • 「the Model for Interdiciplinary Research on Climate」を略してMIROCと名称がつけられています。名称の後の数字はverを表しています。

MRI-CGCM3とは

  • 気象研究所が開発した大気と海洋を結合させて計算を行う気候モデルのことです(大気のみを計算するverはMRI-AGCMと呼ばれます)。
  • このモデルを利用してエルニーニョ現象や黒潮などの海洋も含んだ研究などが実施されています。
  • 「気象研究所(Meteorological research institute(MRI))-Coupled General Circulation Model」を略してMRI-CGCMと名称がつけられています。名称の後の数字はverを表しています。

複数の気候モデルが用いられる理由

  • 気候モデルの中では、雲が出来て雨が降るといった様々な気象の現象がシミュレーションされています。しかし、現象をシミュレーションする方法がモデルごとに異なるため、将来予測結果も異なってきます。また、それぞれの気候モデルには、不確実性(予測結果の幅)があります。そこで、政策決定等に活用する際には、複数のモデルの結果による幅を持った将来予測を利用し、モデルの特性や不確実性を考慮することが良いとされています。

シミュレーションの精度の限界について

  • 例えば将来気候のシミュレーションでは、以下3つの不確実性があります。
    1. 排出シナリオの不確実性:我々人類が今後どのような社会経済を築いていくかによって、温室効果ガス濃度や大気汚染物質排出量のシナリオが大きく異なることによる不確実性。
    2. 気候モデルの不確実性:気候変動のプロセスに、現在の科学において理解が十分でない部分が存在するために生じる不確実性。
    3. 内部変動の不確実性:気候に関連する自然の揺らぎ(エル・ニーニョなどの内部変動)による不確実性。
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