「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

「第3回民間事業者による気候変動適応推進シンポジウム ― 気候リスク管理と適応ビジネス ―」を開催しました。

開催日 2020年10月23日(金)
開催地 オンライン開催(Zoomウェビナー)

環境省と国立環境研究所の共催で「第3回民間事業者による気候変動適応推進シンポジウム ― 気候リスク管理と適応ビジネス ―」を開催しました。今年は新型コロナの影響を受け、オンラインでの開催となりました。また、当初は定員200名を予定していましたところ、大変多くの方にお申込みを頂きましたため、定員を300名に拡大しての開催となりました。当日は、オンライン開催ということもあり、全国より多くの方にご参加頂きました。

シンポジウムの様子(開始時)

【第1部:民間事業者の適応における最新の動向】

  • 講演1 環境省「民間企業における気候変動適応」
  • 講演2 環境省「ESG金融の拡大と適応分野への取組について」
  • ご紹介 環境省「環境インフラ海外展開プラットフォーム(JPRSI)について」
  • 講演3 国立環境研究所「国立環境研究所における民間事業者適応に関する取組」
シンポジウムの様子

プログラムの第1部では、環境省と国立環境研究所より、各取組について講演をしました。そして、第2部と第3部では、各企業に実際の取組事例をご紹介頂きました。

【第2部:気候リスク管理の事例】

  • 講演4 味の素株式会社「味の素グループが実施したTCFD対応シナリオ分析」
  • 講演5 イオン株式会社「イオンのBCPへの取組みについて」
  • 講演6 大成建設株式会社「建設現場における熱中症対策」

第2部では、TCFD、BCP、熱中症対策をテーマに、「気候リスク管理」の取組についてご紹介頂きました。味の素株式会社の中村様には、味の素グループが実施したTCFD対応シナリオ分析とそれに対応する適応取組をご紹介頂きました。また、イオン株式会社の田中様には、あらゆる防災対策を包括的に進めている「イオンBCMプロジェクト」についてご紹介頂きました。そして、大成建設株式会社の佐藤様には、温暖化の影響を受けやすい、作業所における熱中症対策をご紹介頂きました。第2部でご紹介頂きました取組は、業種を超えてあらゆる民間事業者様に、参考にして頂ける取組でした。

シンポジウムの様子(上・左下)と運営事務局(@国立環境研究所)の様子(右下)

【第3部:適応ビジネスの事例】

  • 講演7 大塚製薬株式会社「都道府県との連携協定における熱中症対策について」
  • 講演8 宝酒造株式会社「農業生産者と消費者をつなぐ地域限定「クラフトチューハイ」」
  • 講演9 損害保険ジャパン株式会社「SOMPOの気候変動ビジネスとSDGsへの取組み」

第3部では、自治体や地域との連携をテーマに、「適応ビジネス」の取組についてご紹介頂きました。大塚製薬株式会社の辻野様には、大塚製薬株式会社が自治体と連携協定を結び、その一環で進めている熱中症対策についてご紹介頂きました。また、宝酒造株式会社の吉田様には、気候変動の影響で栽培が可能となった果実を商品に活用して、地域の振興につなげている事例をご紹介頂きました。そして、損害保険ジャパン株式会社の田辺様には、地方自治体向けに開発された「防災・減災サービス」等についてご紹介頂きました。第3部でご紹介頂きました取組は、各企業が気候変動を逆手にとって事業につなげると同時に、自治体や地域に貢献をしている興味深い事例でした。

また、各質疑応答セッションでは、参加者から集めた質問事項について、各講演者に回答いただきました。

シンポジウムの様子

国立環境研究所では、今後も情報の収集、整理、分析、そして研究活動を通じて、みなさまとの情報共有ができますよう、A-PLATの充実を進めて参ります。

プログラムや講演資料は、特設サイト「第3回民間事業者による気候変動適応推進シンポジウム ― 気候リスク管理と適応ビジネス ―」でご覧ください。

(2020年11月11日掲載)