IoTとパッションフルーツの緑化で風を作り都市を冷やす
【クールアイランドシステム】
鈴田峠農園有限会社
更新日 | 2022年7月8日 |
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掲載日 | 2018年4月23日 |
適応分野 | 国民生活・都市生活 |
会社概要
2002年から『鈴田地区に道の駅を作ろう』という村おこし運動を行い、長崎県の補助事業の認定を頂き2006年11月に農産物直売所と農村レストランを開業。
開業当初より農産物直売所店頭で緑のカーテンを栽培。
2010年からパッションフルーツの緑のカーテンに拘り研究。2014年8月 『パッションフルーツの移動式緑化』特許取得(第5590537号)2017年8月 国土交通省 『緑で都市を冷やします』実証試験選定 2020東京五輪の暑熱対策として採用予定。2018年1月 経営革新計画承認(承認一連番号556号)
気候変動による影響
都市化によるヒートアイランド現象は熱中症リスクを上昇させる。さらに気候変動の影響が加わることで、暑さに関するリスクが今後さらに高まることが懸念されている。
適応に関する取り組み
当社では、風をつくり、都市を冷やす対策としてクールアイランドシステムを開発した。このシステムは、パッションフルーツのシェード型緑化とIoT技術を用いたミスト制御を通じて都市に自然な風を吹かせることが可能となる。
① 事業を支える特許技術 パッションフルーツの移動式シェード型緑化
多年生蔓性植物の特性を活かし、冬季に温室にて特製のポリエステルネットで大きく育てる。形状を維持した柔軟性あるポリエステルネットにより、コンパクトな円筒形にしてトラック輸送。
設置現場で円筒形のパッションフルーツを広げると、短時間で緑化が完成。
② IoT制御ミスト発生装置付緑化装置
木陰で冷やされた空気は日向で温められた空気に向かって移動する。この原理を利用し、パッションフルーツのシェード型緑化とIoT 制御によるミスト発生装置を組み合わせ、気化熱を利用して強制的に冷気を作り自然な風を吹かせる緑化装置となる。
③ LoRa通信によるデータ収集
数基の緑化装置と各種センサーをエリアに配置しLoRaを通じデータを収集。
気象情報・エリア地図情報等と組合せAI で解析し都市開発に活かす。
④ クールアイランドシステム
AIで解析したデータを基に、エリアにIoT制御ミスト発生装置付緑化装置を配置し、冷気の循環を促し、クールアイランドと呼ばれる冷涼な空気のかたまりを形成することを通じて暑熱による生活への影響に適応し、持続可能な都市開発を実現します。
効果/期待される効果等
パッションフルーツのシェード型緑化の導入により、日射の遮断や蒸発散作用等による気温の上昇を抑える効果が期待される。また、クールアイランドシステムにより、自然風による気流が効果的にエリアを冷やすことが期待される。
関連動画
動画1 IOT冷却システム
動画2 実証試験報告