河川の急激な増水を監視する「河川水位警報ユニット」

株式会社 ユニメーションシステム

業種:学術研究、専門・技術サービス業
掲載日 2022年7月11日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

ロゴ

株式会社ユニメーションシステムは、水位警報装置の製造販売、水位警報関連Webサイト開発・管理、自社製省力化コントローラーの製造販売を行っている。当社が提供する豪雨災害用警報装置シリーズは、近隣住民同士が連携し助け合う「近助の精神」による防災をサポートする。

気候変動による影響

近年、短時間での局地的な集中豪雨がもたらす被害・事故が毎年のように発生している。地球規模で進行する気候変動により、そうした豪雨は今後も増加する傾向にあるという研究結果もある。突然の豪雨による土砂災害、道路冠水や建物浸水などの災害は、人命だけでなく、地域の活発な経済活動の妨げにもなる。

適応に関する取り組み

当社が提供する「河川水位警報ユニット」は、センサーで河川水位を常に監視し、急激な増水を検知し、回点灯やブザーで周囲に注意喚起する警報装置である(図1)。

基本ユニット(図2)は、超音波センサー、制御ボックス、ブザー付き回転灯で構成され、ポールに設置し、AC100Vを接続して使用する。制御ボックスはUSBケーブルでPCと接続後、専用ソフトウエアを使用し、「常時水位」「水防団待機水位」「急激増水検出水位」「氾濫注意水位」「避難判断水位」「洪水水位」の6段階の警報水位(図3)を、設置場所に応じて設定することが可能となっている。特に、「急激増水検出水位」を設定することで、水位が「水防団待機水位」から「急激増水検出水位」に達する時間が指定時間(初期値10分)以内だった場合に、「氾濫注意水位」以下の水位でも急激増水警報として、水位の上昇が急激であることを早い段階で知らせることができる。

また、制御ボックスは内部にLANポートが備われているため、有線接続用のモデムやルーター、無線通信機器などのLAN対応の機器と、インターネットプロバイダ提供のメールアカウントを用意することで、メール送信・WEB機能が利用可能となり(注1)、「急激増水検出水位」「氾濫注意水位」「避難判断水位」「洪水水位」および急激増水警報(注2)が発出・解除された際にユニットからメールが送信され、受信者は装置の警報状態をWEBブラウザから確認できるようになる。送信先のメールアドレスはWEB機能を使って警報の種類ごとに最大8件まで設定できるため、ユーザーが警報の種類によって知らせる担当者を分けることもできる。メールの送信、警報の確認、メールアドレスの設定の他、WEB機能では夜間警報停止や連続警報出力時間(注3)などの設定、動作確認のための強制出力などを行うことができる。

なお、メール送信・WEB機能は通信オプションを導入する事により(注4)、回線の契約や機器の用意、複雑な設定をしなくても、利用することができる。その他にも、オプションパーツを用意しており、各パーツは独立性が高く、機能の拡張や交換が容易である(図4、図5)。

効果/期待される効果等

小河川や生活用水路、公園などへの導入により、「生活地域」に近い場所での注意喚起を可能とする。また、「急激増水警報機能」を搭載したことにより、河川の近隣住民が早い段階で増水を知ることができ、水害時の迅速な初動避難に役立つ。オプションで警報ユニットを河川の上下流に設置することで、上流で検知した水位を下流で警報することも可能とする。

図1 河川水位・冠水警報ユニット製品(動画)
河川水位・冠水警報基本ユニット
図2 河川水位・冠水警報基本ユニット
6段階の警報水位と急激増水警報機能(注5)
図3 6段階の警報水位と急激増水警報機能(注5)
オプション品
図4 オプション品
オプションを使用した拡張例
図5 オプションを使用した拡張例

脚注
(注1) 外部からのアクセスを行なう場合、警報ユニットごとに固定IPを取得するか、ダイナミックDNSを設定できるモデムルーターを使用するなど警報ユニットのIPアドレスを特定するための工夫が必要。
(注2) 急激増水警報はその後、「氾濫注意水位」に水位が達すると、通常の「氾濫注意水位」の警報に切り替わる。
(注3) 設定された時間分だけ警報を鳴らした後、休止する動作を繰り返す機能。連続して警報アナウンスやブザーを鳴りつづける状態にしたくない場合に設定する。
(注4) 毎月の費用として回線の基本料+通信料(パケット代)、ラピキャスアカウント料が必要。
(注5) 「非難判断水位」「氾濫注意水位」とは別途に、水位の上昇が急激であることを早い時期に知らせるために「河川水位警報ユニット」に搭載した機能。

ページトップへ