暑熱下のリスクを事前に知らせる「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」

Biodata Bank株式会社

業種:製造業
掲載日 2023年4月10日
適応分野 健康

会社概要

Biodata Bank株式会社ロゴ

Biodata Bank株式会社は、主に体温に関連する製品の開発製造と各種センサーを利用したソリューションの提供を行っている。2019年に環境省との大規模実験(注1)を実施し、2021年より「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」(注2)を販売している。2022年からはフランスをはじめとするEU全域においても販売を開始した。

気候変動による影響

気候変動の影響により毎年酷暑が続き、私たちを取り巻く暑熱下でのリスクは高まっている。

人間の身体は、平常時は体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調節が自然と行われる。しかし、湿度が高い等の「環境要因」、寝不足をはじめとする体調不良等の「からだ要因」、長時間の屋外作業等の「行動要因」によって体温の上昇と調整機能のバランスが崩れると、身体に熱が溜まり熱中症となる。

目に見えない暑熱下でのリスクを回避するには、リスクがあることを知らせてくれる存在が求められる。

適応に関する取り組み

当社は、暑熱下のリスクを事前に検知する「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」を開発した(図1、図2)。

熱中症のリスクは、深部体温(注3)が概ね 38.0℃ – 38.5℃の間で高まることが知られている。「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」は、身体の熱の産出と放散を検知する独自の技術「熱ごもりセンサー®︎」(注4)を搭載しており、独自のアルゴリズムを用いて深部体温を推定する。深部体温が上昇し、熱中症リスクが予見される場合には、事前にアラーム音と赤いLEDライトで警告する。アラームが鳴った場合、装着者は水分補給や涼しい場所で休むなどの行動をとるよう推奨している。

アラーム音は人間が一番敏感に反応する周波数域4kHzに合わせ、すぐに認識できるようデザインされている。

暑熱リスクが比較的高い子どもやお年寄りを含む様々な方にも、いつでも簡単に、お手軽に利用してほしいという願いからワンシーズン(3~4か月)使い切りで、時計機能、Wi-Fi、Bluetoothなどの通信接続機能はあえて搭載せず、シンプルな仕様にしている。

効果/期待される効果等

「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」は、建設業や製造業などの暑熱環境下における職場だけでなく、スポーツ・レジャーといった様々なシチュエーションにおいても有効な熱中症対策アイテムとして期待されている。

「SOMPO水災サポート」利用イメージ
図1 「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」
図2 「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」の取扱説明&LED表示(動画)

脚注
(注1) 「熱中対策ウォッチ カナリア®︎」を用いた、日本を含む世界7カ国で大規模な実証実験(2019年夏):「熱中症を未然に防ぐことができるか」というテーマのもと、中高大学生の部活動や暑熱化の労働者、高齢者などの幅広い被験者を対象に、多種多様な状況下で実証実験を実施。約4,000名の被験者に対し、アラームは180件作動し、結果として熱中症になった人は1人もいなかった。
(注2) 製品名は、かつて炭鉱で有毒ガスの発生を人間よりも先に察知し鳴き止んだため労働者が籠に入れて坑道に入ったとされた「炭鉱のカナリア」のように、事前に危険を知らせる前兆の象徴に由来する。
(注3) 深部体温とは、外環境の影響を受けやすい「皮膚温(表面体温)」とは違い、脳や臓器など体の中心の機能を守るために一定に保たれる体温のこと。
(注4)【特許番号】特許第6755034号

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